【数と式】「n^2が偶数ならnも偶数」の証明、直接やるとドツボにハマる!?「対偶」を使った鮮やかな証明法
数学の「数と式」の単元で、次のような問題に出会ったことはありませんか?
【例題】
整数nについて、n^2が偶数ならば、nは偶数であることを示せ。
これ、「まあ、そりゃそうだよね」と直感的には分かりますが、いざ証明しようとすると手が止まってしまう人が多い問題です。
直接証明しようとするとどうなる?
普通に前から順番に証明しようとすると、こうなります。
「n^2が偶数だから、整数kを使ってn^2=2kとおける」
「ここからnを求めると、n=±√(2k)となる」
さて、ここからどうやって「だからnは偶数だ!」と言い切ればいいのでしょうか?ルートの中に文字が入ってしまい、これが整数であることすら説明が難しくなってしまいました。
このように、「2乗(複雑なもの)から1乗(シンプルなもの)を証明する」のは、直接やろうとすると非常に厄介なのです。
「対偶(たいぐう)」の活用
こんな時に威力を発揮するのが、「対偶を用いた証明」です。
ある命題「AならばB」が証明しにくい時、その裏返しである「Bでないならば、Aでない」を代わりに証明するというテクニックです。命題とその対偶は、必ず真偽(正しいか間違っているか)が一致するという強力なルールがあります。
今回の例題の対偶をとってみましょう。
元の命題:
「n^2が偶数」ならば「nは偶数」
対偶:
「nが偶数でない(=奇数)」ならば「n^2が偶数でない(=奇数)」
「1乗(シンプルなもの)から2乗(複雑なもの)を証明する」形に変わりましたね!これなら簡単に計算できそうです。
実際に対偶を証明してみよう
それでは、対偶である「nが奇数ならば、n^2は奇数である」を証明していきます。
①nを奇数として式で表す
nは奇数なので、整数kを用いて次のように表せます。
n=2k+1
②n^2を計算する
これを2乗してみましょう。
n^2=(2k+1)^2
n^2=4k^2+4k+1
③結果が「奇数(2\times整数+1)」の形になるか確認する
計算結果の前の2つの項を「2」でくくります。
n^2=2(2k^2+2k)+1
ここで、カッコの中の(2k^2+2k)は、整数kを計算したものなので、当然これも「整数」になりますよね。
つまり、n^2は「2×整数+1」の形になっているため、奇数であることが証明されました。
まとめ
対偶「nが奇数ならば、n^2は奇数である」が正しい(真である)と証明できた。
対偶が真ならば、元の命題も真になる。
したがって、元の命題「n^2が偶数ならば、nは偶数である」も成り立つ。
このように、「AならばB」のままでは計算がストップしてしまう問題は、「対偶」をとってスタート地点を変えてあげることで、スルスルと解けるようになります。
