見出し画像

「長時間預けるなんて、かわいそう」と言う前に読んでほしい

「長時間預けるなんて、子どもがかわいそう」

そんな言葉を、
保育園を利用する親なら一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

それを言われると、保育園に預ける
自分が責められている気分になります。

でも、その怒りや違和感の矛先は、
“預ける親”なのか?
最近不満です。


日本は「長時間保育大国」


EU諸国の平均的な保育利用時間は、
週約32時間。
1日あたりにすると、約6.5時間程度です。

つまりは、預け時間が9:00〜15:30!?
え、そんな人育休中のママくらいじゃない!?
とはじめは驚きました。

一方、日本では
週約47.5時間(1日約9.5時間×5日)
子どもが保育園で過ごしている、というデータがあります。

つまり日本は、
世界的に見ても長時間保育が当たり前の国。

「日本の親は冷たいから?」
「愛情が足りないから?」
そんな話ではありません。


長時間保育の正体は「長時間労働」


長時間保育の最大の理由は、
長時間労働が前提の社会構造です。

フルタイム勤務、片道1時間近い通勤、残業や急な呼び出し。

こうした働き方が「普通」とされている以上、
保育時間が長くなるのは必然です。

この構造の中で、
親にも子どもにも負担が積み重なります。

  • 親は、子と過ごす時間も休む時間も削られる

  • 子は、長時間保育園で過ごし疲れやすくなる

それでも社会は、
「長時間預けるのはかわいそう」
と、結果だけを切り取って親を責める。

でも本当に問われるべきなのは、
「そうせざるを得ない仕組み」
ではないでしょうか。


その仕組みの一つに日本の保育園のシステム
挙げられると思います。

①フルタイムが優先される「保活」

多くの自治体では、
フルタイム勤務
(一般に週5日・1日8時間以上)
といった条件ほど、入園の点数が高くなります。

つまり保活とは、
「長く働く」が前提の競争。

「子どもと過ごす時間を大切にしたい」
「体力的に短時間で働きたい」

そんな気持ちは、
制度上は評価されません。

むしろ、
短く預けたい親ほど不利になる仕組みです。


育児短時間勤務制度がある、という反論もあるかもしれません。

確かに会社員であれば、短時間勤務を利用しても保活で不利にならないケースはあります。

でも、それは使える人に限った話です。
この制度は会社員向けで、自営業やフリーランスなど、制度自体を使えない人もいます。
(私もその一人です)

さらに、私の自治体の育児短時間勤務制度は
週5日勤務が前提。
「週4日で働きたい」という選択をすると、
就労点数が下がり、保育園に入りにくくなります。

つまり今の保活は、
働く時間や日数を調整したい親よりも、
長く・多く働ける人を優先する仕組み。

「制度があるから問題ない」とは、
とても言えません。


②「預けたら預けただけ得」な保育制度

さらに問題なのが、保育料と保育時間の関係。

多くの自治体では、
9時間預けても、11時間預けても、
延長保育に差し掛からなければ
保育料は同じ。

結果として、

・どうせ同じ料金なら長く預けた方が得
・早く迎えに行っても評価も割引もない
・仕事が早く終わっても、急ぐ理由が制度上ない

“短時間保育を選ぶ動機”が減ってしまうのです。

これは親の意識の問題ではありません。
制度がそう行動するように設計されているだけ。


罪悪感だけ押し付ける社会

制度は長時間保育を前提に回っている。
でも一方で、

「長時間預けるのはかわいそう」
「もっと一緒にいられないの?」

と、親だけが責められる。

親は、好きで長く預けているわけじゃなくて
選択肢がない人もいるはずです。


本当に必要なのは「短時間OK制度」


もし本当に
「子どもにとっての最善」を考えるなら、

・短時間保育が不利にならない
・保育時間に応じた料金設計

そんな制度があっていいはずです。


今の日本は、
長時間預けてなんぼな保育園制度。
その結果、
働くか働かないかの二極化になりやすくなっていてそれを親の責任にしているように思います。


責めるべきは、
頑張って働いている親でも、
迎えが遅くなった家庭でもない。

フルタイム前提・長時間前提でしか回らない
日本の保活と保育制度そのものです。

ゆかん🎏



参考文献

https://www.oecd.org/en/data/datasets/oecd-family-database.html

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9916609/?utm_source=chatgpt.com#pone.0281635.ref026




いいなと思ったら応援しよう!