1億円の借金地獄・・7年で返した20代。Ver11
― その瞬間から本当の地獄が始まった ―
「これで終わるかもしれない」
私はそう思って、沖縄地方裁判所に通っていた。
調停を申し立てたのは一度ではない。
4回。
そのたびに、書類を揃え、頭を下げ、説明し、希望をつなぎ直した。
当時の借金は約9,870万円。
延滞利息が積み重なり、すでに1億円を超えていた。
それでも私は、制度の中に“出口”があると信じたかった。
しかし、返ってきたのは——
調停破棄という審判だった。
その言葉を聞いた瞬間、
世界の音が一段、低くなったような感覚があった。
怒りでも悲しみでもない。
ただ、足元が抜けた。
それまでは「苦しいなりに、まだ守られている」という感覚が、
どこかにあったのだと思う。
それが、音を立てて消えた。
そして、その日を境に、現実が変わった。
■制度が終わると、恐怖が日常になる
調停破棄の後、
取り立ては明らかに“質”が変わった。
朝から夜中まで鳴る電話。
外に出れば、誰かに見られている気がする。
家にいれば、玄関の音に身体が跳ねる。
逃げても、必ず来る。
仕事先、知人、家族。
私が関わった場所が、次々と「使えなく」なっていく。
行き先が一つずつ、消えていく。
人はここまで追い込まれると、
未来を考えなくなる。
「明日どうなるか」ではなく、
「今日をどうやり過ごすか」だけになる。
それは、生きているようで、
どこか“生かされている”状態だった。
■希望が折れると、人は静かに壊れる
調停がダメだったからといって、
すぐに絶望したわけではない。
むしろ怖かったのは、
「もう驚かなくなっている自分」に気づいた瞬間だった。
どんな知らせを聞いても、
心が動かない。
期待もしない。
怒りもしない。
人は、感情がなくなったときに壊れ始める。
あの頃の私は、
“制度に見放された”という事実以上に、
自分が自分を守れなくなっていることに、
気づいていなかった。
■それでも、この経験が後に意味を持つ
今、経営や人材育成の現場で、
私は「安心」「言葉」「対話」の重要性を語っている。
それは、机上の理論ではない。
制度が切れた瞬間、人がどう壊れるかを、
自分の身体で知ったからだ。
調停破棄は、終わりではなかった。
ただ、ここから先は“心”で生き抜くしかない
そう告げられた瞬間だった。
次回は、
その調停破棄の先で起きた、
“逃げ場が完全に消えた数時間”の話を書く。
この記事の深い部分は、第1幕・第2幕・第3幕でさらに詳しく書いています。
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NOTEでは書けない深い話をまとめています。
第3幕:20代で約1億円の借金・7年で返済した地獄の日々(第45章~第57章)
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