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No.1708 毛が生える?

20年近く前のことです。

中学生相手に「心臓に毛が生える」と黒板に書いたら、知らない生徒がたくさんいて驚きました。「厚かましい」「図々しい」「度胸がある」「怖いもの知らず」などの比喩表現だと話しました。

江戸時代には「肝に毛が生える」の言葉があったそうで、「心臓に毛が生える」は、それに由来し、昭和の頃から言われるようになったのでは?という説明に、へーボタンです。

ちなみに、
「医学的に見て心臓に毛が生えるか?」
という真面目な質問に対し、
「心臓は、構造的に筋肉と血管で作られており、表皮のような毛根や毛穴がないために、生えない。」
とあり、ちょっと笑いました。

「或るものに毛が生えたようなものというと、少しプラスアルファの部分があるだけて大したことがないという意味にとられます。ところが、心臓に毛が生えたとなると、かなり様子が違ってきます。元来、心臓が強いとか、厚かましいというときに、心臓に毛が生えているようだと言うからです。しかし、生身の心臓を数多く手にして来ましたが、毛の生えた心臓には、一度もお目にかかったことはありません。」

慶應義塾大学名誉教授で山中湖クリニック理事長の川田志明先生

と専門家の川田先生は述べておられ、うまい表現に噴き出してしまいました。

ところで、イタリアには「胃に毛が生えた人」という言葉があるそうなのですが、今ひとつスッキリとした説明を得られなかったので、noteメイトでイタリアのジェノヴァにご在住の、Jacquelineさんに、
「イタリアの諺?に『胃に毛が生えた人』というのがあるでしょうか?
『ルイア ペーロクロストマコ ルンゴコジー』と言うらしいのですが?」
と質問してみました。すぐに御返事を下さいました。以下は、お許しを得ての紹介です。

ご質問の件ですが、その諺はあります。「怖いもの知らず」はポジティブな意味?にとった場合の訳になりますが、「心臓に毛が生える」や「厚顔無恥」とだいたい同じニュアンスですね。
「ルイア ペーロクロストマコ ルンゴコジー」
Lui ha pelo sullo stomaco lungo così.
という例文かと思われますが、lungo così は、「このように長い」でその程度が酷いことを意味していると思います。
直訳すると「彼はこんなに長い毛が胃に生えている(胃の表面にある)」で厚かましかったり、批判や批評など言われてもものともしない人や冷たい人などをさしたりします。

Jacquelineさんのブログ「シャワーが主流だけど」(2025年8月22日)のコメント欄より

ということでした。また、「心臓に毛が生えている」の表現があるかどうか、イタリアの方に聞いて下さったところ、「胃に毛が生えている」以外、聞いたことがないと言われたとも教えていただきました。

「肝に毛が生える」という言い回しを見て思い出しましたが、イタリア語の言い回しでavere un fegatoというものがあり、直訳すると「肝臓を持つ/持っている」(avereは「持つ、ある(所持する)」、fegatoは「肝臓」)ですが、意味は「勇気がある、勇敢だ」になり、ポジティブな意味としては少し似ていますよね🤔

Jacquelineさんのブログ「シャワーが主流だけど」(2025年8月22日)のコメント欄より

という「おまけ」のお話までありました。イタリアの「肝臓を持っている」は、日本の「肝が据わる・肝が太い」などに意味的に似ているように思います。「心臓」と「胃」の違いはあっても、「肝(肝臓)」は同じなんだと、妙に感心してしまいました。

他の国々では日本の「心臓に毛が生える」に相当する諺や表現はあるのでしょうか?俄然、興味がわいてきました。お教えいただければ、有り難く存じます。


※トップ画像は、クリエイター・のらみ | 主婦のnote副業さんの、タイトル「心臓に剛毛をはやすには」の1葉をかたじけなくしました。ふふふ。お礼を申し上げます。