竹柏会「心の花」2026年1月号
作品(新カナ) 佐佐木頼綱選
〈特選〉
神奈川 大川 優華
憂鬱の底にて聞ゆ国道のテールランプはさざ波のごと
いつまでも幼くありたき我なれどひえびえ迫る採血の日
目と鼻と耳が朝日に溶かされて白くなりゆく夫見送る
木犀の香は雨音と匂い立つ君から借りし傘と道行
十月のミルクレープの重なりのごときできごと秘めて眠らん
家猫の見つめる先の窓の空なにとなく我泣きたくなりぬ
掲載されなかった歌
ジンソーダ呑みてソファに眠りたる優しきひとよ夜の片隅
この頃は回転寿司も空っぽで母とはふはふ茶碗蒸し食う
所感
結社に所属して初めて特選をいただいた。十二月は作歌から離れていたのだが、新年早々短歌へのモチベーションが蘇ってきた。ありがたいことである。一ヶ月のブランクが埋まることはないが、またコツコツと詠んでいこうと思う。今後ともよろしくお願いいたします。
