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最も影響受けた日本画家を語ろう

ごきげんよう、オカモトピカリです。

最も影響受けた画家のひとり、東山魁夷(ひがしやまかいい)について話をします。


東山魁夷、ご存じですか?

東山魁夷は、風景画で愛される日本画家です。

東山 魁夷(ひがしやま かいい、1908年〈明治41年〉7月8日 - 1999年〈平成11年〉5月6日)は、日本の画家、版画家、著述家。昭和を代表する日本画家の一人で、風景画の分野では国民的画家といわれる[1]。文化勲章受章者。千葉県市川市名誉市民[2]。本名は東山 新吉(ひがしやま しんきち)。

東山魁夷|wikipedia

もし知らなかった・絵を観たことないという方は、常設されている美術館を後半に書いているので参考にして、ぜひ観てください!


私が東山魁夷と出会ったのは2016年のことでした。

魁夷との出会い

あのとき、霧の山の中に立っていた

2016年の夏の日、福岡の大宰府にある九州国立博物館で開催されていた東山魁夷の特別展を観ました。
当時の紹介動画とサイトがまだあったので貼っておきます。

魁夷の風景画はどれも暖かい雰囲気を持ち、フォトリアルな絵画よりもその場にいるような感覚に陥らせてくれます。

私が最も感動したのは、東山魁夷の画業の集大成とされる『唐招提寺御影堂障壁画』です。奈良にある重要文化財の唐招提寺御影堂の障壁画を再現した貴重で壮大な展示でした。

床の間に描かれた『山雲』の前に立ったとき、まるで私は本当に霧の中の森に入り込んだような感覚で、皮膚がピリピリしていました。

床から天上までの壁一面の大きな絵なので圧倒されるのは当然にも思えますが、その絵は、観る人の皮膚感覚を刺激するような風景への没入感を与える力を持っていました。

『山雲』模写

それから8年が経ち、最近は自分の絵を探す日々を過ごしています。昨年末、自分の好きな絵から何かを得ようと初めて『山雲』を模写しました。

ポストカードをずっと壁に飾っていた絵でしたが、模写してみると新たな発見がありました。
それは、レイアウトとして対角線の成分が支配的で意外と大胆な構図であることや、木々の濃淡や霧の調子によって視線が誘導されていることが見えてきました。(私がそう解釈しただけなのですが)
この絵に描かれた山は、作家の意図と絵画的な技法により、鑑賞者の体験が緻密に設計されていたのだろうと思います。お見事。

東山魁夷『山雲』の1時間模写


これが東山魁夷との出会いと最も衝撃を受けた『山雲』に関する話でした。そして、その出会いから、日本の各地で観られる魁夷の風景画を追いかけています。

東山魁夷を追う旅

東山魁夷の風景画はモデルとなった土地が日本各地にあります。
また、住んだ町などゆかりの地に美術館が建っていたり、各地に収蔵作品があり、いろんなところで作品を観ることができます。
どこにあるか調べると、東山魁夷を追う旅ができるのです。

”東山魁夷”と名の付く美術館

”東山魁夷”と名の付く美術館が4つあります。

  1. 長野県立美術館 東山魁夷館(長野県長野市)

  2. 東山魁夷心の旅路館(岐阜県中津川市)

  3. 香川県立東山魁夷せとうち美術館(香川県坂出市)

  4. 市川市東山魁夷記念館(千葉県市川市)

このうち、これまでに訪れた「香川県立東山魁夷せとうち美術館」と「市川市東山魁夷記念館」について簡単に触れます。


香川県立東山魁夷せとうち美術館(香川県坂出市)

東山魁夷の祖父のゆかりの地ということで、美術館が整備されたそうです。
2017年、四国一周旅をした際に訪れました。
こちらに収蔵されている、晩年に描かれた作品『月光』は特に印象に残っています。

ラウンジから瀬戸大橋を眺めるロケーションがこの地ならではの風景です。

東山魁夷せとうち美術館、ラウンジより(2017)

また、ここのミュージアムショップで魁夷の随筆『日本の美を求めて』という本を見つけて読みました。画家が言葉を残すということ、これにより鑑賞が深まるということを知るきっかけとなりました。
その経験から、魁夷の言葉も尊敬するポイントです。

市川市東山魁夷記念館(千葉県市川市)

都内からもアクセス可能なところに東山魁夷記念館があります。東山魁夷が1945年から1999年に逝去するまでの、およそ半世紀にわたり市川市に住んでいたことから建てられたそうです。

私は駅から徒歩で行って、坂の上にあるため、少し苦労した記憶があります。
ヨーロッパ調の建物でカフェが併設する庭も魅力的でした。展示は時期によって変わりますが、落ち着いた雰囲気でじっくり浸れて幸せでした。

市川市東山魁夷記念館・外観(2021)


ここにも東山魁夷

都内近郊にも東山魁夷が見れる美術館やモデルとなった風景があります。

東京国立近代美術館(皇居の横)

こちらには数多くの東山魁夷の作品が収蔵されていて、常設で観ることができます。企画展で立ち寄ったときは、魁夷先生に挨拶する気持ちで必ず常設展も観るようにしています。

東京国立近代美術館に収蔵されている『残照』(ざんしょう、1947年・39歳)という作品は、第3回日展で特選を受賞し、以後、風景画家として立つことを決意したと言われています。
そして、この絵は千葉県鹿野山からの風景をもとにしたそうです。

『残照』 千葉県鹿野山(かのうざん)

その場所は、現在は駐車場があって車で行くことができます。
次の写真が、2020年に私が行った際に撮影したものです。日が沈むぎりぎりの夕焼けが指す景色でした。

千葉県鹿野山、2020年冬撮影

ご興味あれば、東山魁夷を追う旅、ぜひしてみてください。
最後に影響を受けて描いた絵の話です。

『緑響く』にリスペクトを込めて

『自照』というタイトルの絵を描きました。木々と池の境界で上下に反転した景色で、手前の青いイタチと奥のキリンはそれぞれ異なる姿を池に映しています。
このような構図にしたのは、東山魁夷の『緑響く』へのリスペクトを込めたためです。

『緑響く』は「白い馬の見える風景」と題される18点の連作からなるシリーズのひとつで、とても人気のある作品です。白い馬のシリーズをモチーフにした絵本が出ています。その表紙になっている絵が『緑響く』です。
(絵本は、長野県立美術館 東山魁夷館の収蔵作品から絵本作家・松本猛が文を付けたものです。)

この白い馬は、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番第2楽章から想起していて、ピアノと弦楽器の関係を白い馬と風景に置き換えて描かれたそうです。

また、この絵の池のモデルとなったのは、長野県茅野市にある御射鹿池(みしゃかいけ)で、聖地めぐりとして有名です。まだ行けておらず、一度は行ってみたいです。


おわりに

ここまでご覧いただきありがとうございます。
東山魁夷のようなその場にいるような感覚を与える風景が描きたいと思います。

今回は東山魁夷の話に限定して描いてみました。絵を描くにあたって、もちろん他の画家も、絵画に限らず映画や漫画やアニメなど多くの作品の影響を受けています。機会があれば、また好きな作家や作品について語りたいと思います。

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