電動キックボードについての論文記事より。情報を伝えるのって難しい。
ナゾロジーにて、2025年9月30日時点で人気記事ランキング一位の記事。
なかなか刺激的なタイトルの記事ですね。ワタシも興味を持ったので一読してみました。
「電動キックボードは危ない」という認識は、おそらく皆様もイメージとして持っているのではないでしょうか。ワタシも何となくは持っておりました。
しかしこの考え方はしっかりと比較がなされたものなのか?
スウェーデンの研究チームが極力公平な条件を整えた上で、電動キックボードと電動アシスト自転車のどちらが危ないのか?という調査をしてみたのだそうです。
そして記事タイトルのように、「比較条件によっては電動自転車の方が危ないとも言える」、という結論を出しているのですね。
この「約8倍」というのは、「走行距離」を比較基準とした場合のようです。
ですので単純に8倍危ないよ!とは言えないデータではありますが、ひとつの基準として見れば、まぁなくもないと。
読んでみて「そうなんだ」、と思わされましたが、この記事はコメント欄が非常に賑やかになっておりまして。
コチラもまた読んでみて、指摘する内容に気づかされるところが多かったです。
多数のコメントが投稿されていて全部読むのもなかなか大変ですので、以下『』内、Geminiにコメント欄の内容を箇条書きにしてもらいました。
『
調査方法や前提条件に関する疑問や指摘
比較対象として、年齢層別で比較するべきではないかという意見がありました。
地方の整備されていない道を走る自転車と、都市部の整備された道を走る電動キックボードを比較するのは妥当ではないという指摘がありました。
調査がレンタルサービスに限った話であるため、見出しに「レンタルに限っては」と加えるべきだという意見がありました。
事故率の算出において、それぞれの利用者の母数の違いを考慮に入れるべきだという指摘がありました。
ヨーロッパと日本では電動アシスト自転車の規格が異なるため、単純な比較は意味がないという意見がありました。
海外のデータであり、道路事情の異なる日本にそのまま当てはめることはできないという指摘がありました。
元の記事では事故件数で割って事故率を算出しており、偏向報道ではないかという疑念が示されていました。
事故率の背景に関する考察
電動キックボードは運動神経の良い若者が主に利用するため事故が少ないのではないか、一方で電動アシスト自転車は高齢者など運動能力が低下した人も利用するという利用者層の違いを指摘する意見がありました。
自転車の方がバランスが悪く、電動キックボードはすぐに降りられるという車両の特性の違いを指摘する意見がありました。
電動キックボードは危険だという認識が周囲に広まっているため、周りが警戒してくれているのではないかという考察がありました。
その他の意見
どちらも危険であることに変わりはなく、両方とも規制する必要があるという意見がありました。
電動アシスト自転車だから大丈夫という安易な考え方は危険だという警鐘を鳴らす意見がありました。
このような統計データに対して、科学的根拠を無視した批判が多く出ることが予想されるという意見もありました。
』
こうして見てみると結構問題点が浮き彫りになっておりますね。
なるべく公平にしようとしたのはわかるものの、それでも「利用者の年齢層」だったり「周りの人の認知度(キックボードは危ない、という認識の人が多くて自然と警戒している)」など、この実験でもまだ公平性は担保されてないんじゃないの、と。
とりわけ「ヨーロッパと日本のレンタル自転車の規格は違う」という指摘は全然気づきませんでしたね。
ここで「モペッド」(モペットと書かれていますが、ドが正しいらしい)という言葉を初めて聞きました。モーターでも人力でペダルを漕いでもどちらでも動く電動自転車なのですと。へええ。
ヨーロッパだとこういうモペッドのようなオートバイのようなタイプもレンタルしているようです。そりゃ事故があった場合、基本的にはオートバイの方が自転車よりも派手なものになりやすいでしょうね。
ひとつ言えるのは、この調査だけではぶっちゃけ何とも言えない、フワッとした結果しかないのでは。という話ですね。
あくまで「こういう傾向があるかもしれない」という示唆にはなるかもしれないが、それ以上にはおそらくならないだろうと。
この記事も「問題提起」としては全然悪いものではないと思います。
ただ、タイトルをここまで断定的に言い切ってしまうと、ミスリードとして捉えられてしまうのもやむなしだな、と。
実験自体はなかなかおもしろい着眼点の記事なだけに、なんか惜しいなあ。というか。
何かを伝えるって難しいな、とつくづく思いますね。
とりわけタイトルなど、文字数にある程度の制限があると、必要な情報であっても削らないといけない部分もあります。しかしその制限の中で過不足なく言葉を選ぶ必要がある。
「言葉を扱う仕事」ってのは本当大変だなと思わされます。
また利用者、読み手の側も多くの情報に触れる日々ですので、自然と「読む能力」が高まっている可能性もございますね。
「この情報は価値があるのか?」を精査する目が厳しくなる。
そうなったらその分、書き手の側の能力も高くないと、読み手を惹きつけることはできなくなります。
ライターの方はその点でもシビアな世界になっているのかもしれませんね。
ワタシも一応はこのnoteで日々雑事を書き連ねておるわけです。
伝えたいことが100%相手に伝わる、ということは無いにしても、言葉への配慮というのは常に忘れてはいけないな。
と思わされる話でございました。
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