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【今年の漢字】過去5回の「金」を見比べてみよう

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左:書道家タケウチ 右上:書道家板谷栄司with鯖大寺鯖次朗 右下:ジャズギタリストタナカ

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今年の漢字は「金」


12月になると発表される「今年の漢字」。今年一年を漢字一字で表すと!というアレです。この季節には毎年ちょっと気になっています。

ついでに、筆者は清水寺で行われる書の揮毫も楽しみにしています。師走の風物詩!

※揮毫(きごう)
毛筆で何か言葉や文章を書くこと。 毫 ( ふで ) を 揮 ( ふる ) う。
改まって何かを筆で書く際に使われる

今年の漢字は「」!
パリ五輪の金メダル、大谷翔平選手の値千金の活躍、佐渡金山の世界遺産登録、の「金(きん)」の意味のほか、新紙幣発行、政治の裏金問題、金がらみの闇バイト、物価高騰の「金(かね)」という意味でも世俗を反映していたということで決まったそうです。


「今年の漢字」ってそもそも何?


年の瀬になると、「今年の漢字」や「流行語大賞」などが発表されますが、はて、あれは一体誰がどうやって決めているのか、不思議に思ったことはありませんか?

「今年の漢字」や「流行語大賞」は発表されるやいなや各メディアに取り上げられ話題になります。
「今年の漢字」や「流行語大賞」という言葉自体も、今やかなり国民的なもの。しかしながらこれを決めているのはもちろん国ということでもなさそう。

調べてみると、主催、始まった年などは以下の通り。

▼今年の漢字
主催:公益財団法人日本漢字能力検定協会
内容:その年の世相を表す漢字一字
決め方:その年をイメージする漢字一字の公募を日本全国より行い、その中で最も応募数の多かったもの
始まった年:1995年(今年で30回目)
揮毫者:清水寺貫主の森清範
2024年は応募総数22万1971票、うち「金」が1万2148票(5.47%)

▼流行語大賞
正式名称:ユーキャン新語・流行語大賞
主催:自由国民社
内容:1年の間に発生したさまざまな「ことば」のなかで、軽妙に世相を衝いた表現とニュアンスをもって、広く大衆の目・口・耳をにぎわせた新語・流行語を選ぶとともに、その「ことば」に深くかかわった人物・団体を毎年顕彰するもの。
決め方:自由国民社および大賞事務局がノミネート語を選出。選考委員会によってトップテン、年間大賞語が選ばれる。
始まった年:1984年(今年で41回目)
※2024年年間大賞は「ふてほど」(ドラマ『不適切にもほどがある!』)

今年の漢字ユーキャン新語・流行語大賞より

ちなみに、「今年の漢字」は毎年12月12日に発表されます。これはこの日が「漢字の日」だから!この「漢字の日」も日本漢字能力検定協会が定めました。「いいじ(12)、いちじ(12)」の語呂合わせから来ているのだとか。

※「今年の漢字」は、公益財団法人日本漢字能力検定協会の商標です。


これまでの「今年の漢字」

2024年でちょうど30回!

同じ漢字が選ばれることも多々あり、「金」はなんと今年で5回目。「戦う」「災」「税」も各2回。

それぞれ選ばれた理由はこちらの通りですが、やはり年号とこの漢字一字を見ると、大体その年がどんな年であったか分かる感じがありますね。


「今年の漢字」の書、一発揮毫!


「今年の漢字」は毎年清水寺で公開揮毫が行われますが、揮毫者である貫主である森氏には舞台の上で「今年の漢字」が知らされ、ぶっつけ一発本番で書くのだとか・・・!(Wikipedia談)

ただ書けば良いと言えばそれまでですが、書かれたものは奉納されるそうですし、カメラも多数回っているため、出来が悪いからと言って後で差し替えることもできません。どのような書体(楷書なのか草書なのかとか)でどんな風合いに書くのか、その場で即座に決めないといけない・・・本当に大変な緊張なのではと想像します。

※実際に揮毫する場所へは、関係者以外は立ち入り禁止とのこと。ライブビューイングや生中継が行われています。

また、立て看板のような状態の紙に書くのは、紙を下に置いて普通に書くのと色々と違いがあります。

〇墨の濃さ
立て看板のようなものに書く場合、墨の濃さは薄過ぎたら滴りすぎて文字が見えなくなってしまう可能性があります。滴りが出過ぎるとなんだかおどろおどろしい感じにもなってしまいます。しかし濃すぎると上手く筆が進まず、掠れが出過ぎてしまう・・・

〇筆の穂の長さ
穂が長い方が動きの大きい書が書けますが、何せ立った状態の紙に書くわけなので、筆にも重力がかかって穂が垂れ下がって上手く起筆を下ろすことができません。それに墨を付けた瞬間にもう墨が垂れ落ちてしまいます。しかし短すぎると含ませられる墨量が少ないため、墨持ちが悪く、文字が書きにくい・・・

森氏がどのような墨を使っているかは分かりませんが、パフォーマンス用の垂れづらい墨汁なども売られています。

書遊on-line

紙の質、角度等も考慮に入れた最適な墨汁と筆を使っているのでしょうね。


「金」の文字、見比べてみた


2024年の「今年の漢字」である「金」。過去5回も選ばれていますが、5つの作品を見比べてみましょう。

(出典:毎日新聞
上段:2021年 下段:左から2000年/2012年/2016年(出典:烏丸経済新聞

2021年の「金」以外の「金」は、何だこの字は!?と感じる人も少なくないでしょう。上の部分はまあ良いとしても・・・点が上にある・・・!?

普通の楷書体・行書体の「金」、学校で習う筆順はこうです↓↓

※こちらは行書体

2021年の「金」は、まさにこのように書かれています。
ではその他の「金」はと言うと・・・

「金」の草書体(書道辞典アプリ「Yunzhang」)

「金」の字の草書体です。草書体には様々な書き方が存在しますが、概ね、「金」の2つの点は上の方に書かれるものが多いことが分かると思います。

筆順は、こんな感じ↓↓

ただ、2000年の「金」だけは上の傘部分から、次に縦画が来ているのではないかと思われます。※筆順は様々あります。

余談ですが、どうしても思い出してしまうのが、舛添要一元都知事がテレビ出演した際に書いた「お金」という文字。

今日の一撃」より
「金」の草書体(書道辞典アプリ「Yunzhang」)

字典を見ると、確かにこのような書き方があります。おそらく隷書体ぽく書いたのだと思いますが、かなり誤解(?)を生んだようです。

草書体は書道でもやっていないと読むのが難しい面もありますが、「金」の草書体は2024年で5回目の登場となるので、こんな書き方の「金」もあるのだなあ」と漢字の面白さが広まってくれると筆者は嬉しく思います。

ちなみにこれまでの「今年の漢字」では、
「絆」(2011)「安」(2015)「戦」(2022)
が草書体です。気になる方はチェックしてみてください。



「今年の漢字」の森氏の書は本当にどれも落ち着いていてどっしり、それでいて細部まで筆先が行き届いていて繊細さも感じられる素晴らしい書です。完全一発書きだなんて・・・!

筆者は個人的な書の好みとして「北」「安」「密」なんかが好きだなあ・・・

2017年(出典:ORICON NEWS)
2015年(出典:毎日新聞
2020年(出典:毎日新聞


「今年の漢字」の本物は、過去の分も含めて全て「漢字ミュージアム」(京都府京都市東山区祇園町)見ることができるそうです。


来年はどんな一年、何の漢字が「今年の漢字」に選ばれるでしょうか。

来年もお字書き道TALKSを宜しくお願いいたします!!
(まだ今年の活動あるけど!)



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