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1%増えた。その数字に意味はあるのか?

データ分析という言葉を聞くと、

* SQL
* Python
* 統計学
* BIツール

などを思い浮かべる人も多い。

もちろん、手段としてのそれらは重要だ。

しかし、その前に考えたいことがある。

そもそも「データ」とは何なのか。

そして「分析」とは何なのか。

データとは何か


データ(Data)の語源は、ラテン語の datum に由来すると言われている。

datum は「与えられたもの」「事実として与えられたもの」という意味を持つ。

つまりデータとは、

事実を記録したもの

である。

ここで多くの人が誤解していることがある。

それは、

データ=数字ではない

ということだ。

例えば、

* 売上100万円
* 来場者数20,000人
* 満足度81%

はデータである。

しかし、

* スタッフの対応が良かった
* 演出が素晴らしかった
* また来たいと思った

という顧客の声も同じくデータである。

私たちは数字に慣れ親しんでいる。

だから数字を見ると「データだ」と感じる。

しかし実際には、数字はデータそのものではない。

数字は、事実を表現するための一つの方法に過ぎない。

世界中で数字が使われるのは、たまたま共通言語として便利だからである。

本来データとは、

文章であり、

会話であり、

写真であり、

映像であり、

人の感情である。

数字だけがデータなのではない。

分析とは何か


では分析とは何だろうか。

辞書では、

「物事を要素ごとに分解し、その構造や性質を明らかにすること」

と説明されている。

また漢字を見ると、

「分」は分ける。

「析」は木を切り分けることを意味し、細かく切り分けて構造を理解するという意味を持つ。

つまり分析とは、

物事を細かく分け、その特徴や関係性を明らかにする行為

と言える。

私はデータ分析をもっとシンプルに表現すると、

「分けて比べること」

だと思っている。

数字は単体では意味を持たない

例えば、

「利用率が51%でした」

と言われても、それだけでは良いのか悪いのか分からない。

前年は何%だったのか。

目標は何%だったのか。

業界平均は何%なのか。

比較対象によって評価は変わる。

つまり数字は単体では意味を持たない。

意味を持つのは比較した瞬間である。

1%増えた。その数字に意味はあるのか

仕事をしていると、

「前年比1%増加」

という言葉をよく聞く。

しかし、この1%は本当に大きな成果なのだろうか。

観客数が

* 1万人から1万100人になった1%
   なのか
* 100万人から101万人になった1%
   なのか

で重みは変わる。

さらに、

業界全体が5%減少している中での1%増加なら評価はまったく異なる。

分析とは数字を見ることではない。

数字の置かれた文脈を見ることだ。

分けるだけでは分析にならない

分析の第一歩は分けることである。

年代別。

性別。

地域別。

曜日別。

商品別。

まずは分ける。

しかし、それだけでは分析ではない。

分けた後に比べる必要がある。

20代の満足度は80%。

それだけでは何も分からない。

30代と比べる。

昨年と比べる。

他社と比べる。

比較によって初めて発見が生まれる。

分析とは、

分けることではなく、

分けて比べること

なのである。

比べる対象を間違えると分析も間違う

実は分析で最も重要なのは計算ではない。

比較対象の設定である。

プロスポーツの観客数で考えてみよう。

前年と比べるのか。

他クラブと比べるのか。

平日と休日で比べるのか。

天候別で比べるのか。

比較対象が変われば、見える景色も変わる。

どれだけ高度な分析手法を使っても、比較対象を誤れば結論も誤る。

定量データと定性データ


データ分析というと数字を扱うイメージが強い。

これは定量データである。

一方で、

顧客の感想や自由記述のコメントなどは定性データと呼ばれる。

例えば満足度調査で80点という結果が出たとする。

しかし、

「なぜ80点だったのか」

は数字だけでは分からない。

スタッフ対応だったのか。

試合内容だったのか。

演出だったのか。

理由を知るには顧客の言葉を見る必要がある。

数字は結果を教えてくれる。

言葉は理由を教えてくれる。

定量と定性はどちらも必要である

一方で、

SNSで数人が不満を書いていたからといって、全体の顧客が不満とは限らない。

大きな声が全体を代表しているわけではない。

だからこそ、

定量で全体像を把握し、

定性で理由を理解する。

どちらか一方ではなく、

両方を行き来することが重要である。

AIは定性分析の世界を変えた

これまで定性分析は時間がかかった。

アンケートを読み、

分類し、

整理し、

傾向を抽出する。

多くの労力が必要だった。

しかし生成AIの登場によって状況は変わりつつある。

数百件、数千件の自由記述を整理し、

傾向を抽出し、

仮説を作ることが容易になった。

もちろん最終的な解釈は人間の仕事である。

それでも、定性分析のハードルは間違いなく下がった。

データ分析とは意思決定のためにある

データ分析の目的は分析そのものではない。

意思決定である。

だから大切なのは、

高度な分析手法を覚えることではなく、

何を分けるのか。

何と比べるのか。

なぜそうなったのか。

を考えることだ。

分析とは「分けて比べること」。

そして数字だけでなく、その裏側にある人の声を理解すること。

定量か、定性か。

ではない。

定量も、定性も。

その両方を使いながら意思決定につなげることこそが、データ分析の本質なのではないかと思う。

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