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100を1にした人間が、1を100にできない理由。

新しい事業の相談を受けるとき、私はたいてい喜ばれます。「立ち上げのところは、ぜひ岡崎さんに」と言っていただける。何もない更地に、構想を描き、人を集め、お金の道筋をつけて、開業のテープを切るところまで。あの局面の私は、たしかに少しばかり役に立つ人間なのだと思います。

けれども、その言葉を聞くたびに、私は嬉しさと同じ分量だけ、背筋が寒くなるのです。なぜなら「立ち上げをお願いします」という依頼は、裏を返せば「開業したら、あなたの出番は終わりです」という宣告でもあるからであります。そして私は、自分でもよく分かっているのです。私は、何かを創るのは得意でも、創ったものを長く回し続けるのが、おそろしく下手な人間なのだ、と。

このnoteは、成功談ではありません。むしろ、自分のいちばん都合の悪い欠点を、夜中に一人で見つめ直すための文章であります。

「100を1にする」ことに、私は依存している

ゼロから1を生むこと、いや私の感覚では「100の混沌を、たった1の事業に絞り込むこと」には、麻薬のような快楽があります。何もなかった場所に、初めて火がつく瞬間。あの全能感を一度味わってしまうと、人は何度でもあの瞬間を欲しがるようになるのです。

正直に申し上げます。私は、たぶんあの瞬間に依存しております。難しい案件ほど燃える。誰も手をつけられない更地ほど、心が躍る。火付け役としての自分には、それなりの自信もあります。けれども、この「火をつける快楽」というやつは、よくよく考えると、とても身勝手な才能なのです。

火は、つけるよりも、絶やさないことのほうが、はるかに難しいのですから。

1を100にする仕事は、毎日同じ温度を守る、地味な当番である

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