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弱者に弱者は救えない。手取り15万円の議員に、地方再生という経営判断は委ねられないのであります

福岡県議会、大変な騒ぎですね
この議会議員にはなりたい人がたくさんいるのかなと思いますが、、、

「地方議員のなり手不足」という、いまや誰もが知っているのに誰も本気で手を打たない、日本の地方自治の根幹に開いた穴のことであります。
私はこの問題を「年俸180万円の取締役で構成された取締役会が、数百億円規模の事業判断を毎年裁定している」という、滑稽でしかも残酷な構造として捉えております。

取締役の能力が、業務執行の現場よりも乏しい。監督機能を担うはずの取締役会が、決算書の数字を読み解けない。そんな会社が、市場で生き残れるはずがありません。今、日本の多くの自治体で起きているのは、まさにこの構造に他ならないのであります。

手取り15万円、無投票当選2割超、定数割れ8町村という現実

全国町村議会議長会の調査によれば、町村議会議員の月額報酬の全国平均は約21万円。和歌山県有田川町の若手議員の例では、月額23万円から税・社会保険料を差し引いて手取りは15〜16万円とされております。年収にして約180万円。一方、議員の平均年齢は約64歳。1,718ある市区町村の地方議員数は約3万人弱、そのうち町村議員は約1万人。

2019年の統一地方選挙では、町村議会議員選挙の23.3%が無投票で当選。すなわち、有権者が一票も投じないまま、4人に1人の議員が「決まってしまった」のであります。さらに同年、全国8つの町村では候補者そのものが定数に満たず、定数割れに陥りました。2023年の統一選でもこの傾向は止まらず、町村議のなり手不足は構造的に深まり続けております。

この数字が突きつけているのは、地方議会という日本の二元代表制の片翼が、すでにボランティアと隠居仕事の境界に落ちつつあるという事実であります。手取り15万円で、住民から罵詈雑言を浴び、平日昼間に本会議に拘束され、夜は会合に呼ばれ、休日は地域行事に駆り出される。これを30〜40代の現役世代に「やってくれ」と頼むこと自体が、もはや無理難題でございます。

「無償ボランティア化+人数増」は美しい敗北宣言である

ここで一部の有識者が口にする処方箋に、私は真っ向から異を唱えたいのであります。

「議員報酬をさらに下げて、その代わり議員数を増やそう。多様な住民が夜間・休日に集まって議論する、地域委員会型の議会に転換しよう」——。一見、住民自治の理想形のように響くこの案は、しかし致命的な誤読を含んでおります。

それは、議会の仕事を「井戸端会議の延長」と見なしているという誤読であります。

地方議会の本来の仕事は、自治体予算の議決、条例制定、首長部局の監視、つまり数十億から数百億の事業判断を年に何十件も裁定する経営判断業務であります。これを「無償ボランティアの寄り合い」に委ねるとは、上場企業の取締役会を、近所のおじさんおばさんの当番制に置き換えるようなものでございます。それで取締役会の判断の質が上がるはずがありません。これは民主主義の前進ではなく、地方自治の事実上の解散に他ならないのであります。

弱者に弱者は救えない。すでに財政も人材も枯渇しつつある自治体が、その意思決定機関までボランティア化していくことは、「弱者連合」がさらに薄まっていく末期症状であります。

「議員不要論・首長独裁化」もまた、別種の怠慢である

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