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綺麗ではない。でも暮らせる。ジョージアの衛生事情

東欧ジョージア。

位置的には中東に近く、しかし区分はヨーロッパ。
旧ソ連圏で、経済基盤も弱い小国だ。
今年から制度改正でリモートワークにはビザが必要になったり、海外旅行保険が義務化されたりしたが、ビザなし一年滞在などの根本的な制度は変わっていない。
そんなジョージア長期滞在に興味を持つ人にとって「衛生面」についてはかなり気になるところだろう。

今回は、ジョージアに4ヶ月ほど滞在した筆者が見た、ジョージアの衛生面の話をしてみよう。
年代によって衛生観念がわかれる気がするので、筆者が昭和末期生まれ、ボットン便所をギリギリ経験している世代だということは添えておく。




どんな国だって、毎日ゴミは出る。


トイレの話。

トイレについては「ピンキリ」というのが正直なところだろう。
ジョージアは一般的に、街中のトイレは有料がほとんどだ。
1回1〜2ラリが多いだろうか。

無料トイレは空港や飲食店を除けば、スーパーの「FRESCO」やヴァケ公園などごく限られた場所にしかない。
ヴァケ公園のトイレは綺麗だが、その他の無料公衆トイレは「便座がない」ことが圧倒的に多い。
とても使えない……というほどの無料トイレはトビリシ動物園で出会ったボットンくらいだったが、トビリシにも存在するということは地方は「さもありなん」かもしれない。

ジョージアの男子の「小」は身長160センチはないと人権がない。

基本的に、トイレは飲食店を利用した際についでに寄るものだろう。
さすがに飲食店のトイレはある程度清潔にされている。
トイレの安全度で言えば飲食店が一番高い。
ごくまれにトイレがない飲食店が存在するので、googleマップのレビューは目を通しておこう。

一方の有料トイレ。
有料だから整備されているかといえば、必ずしもそうではない。
特に観光地のトイレは酷評されていることも少なくない。
お金取っといて紙ないんかよ……というパターンも一度だけ出くわした。
清掃以前に壊れていたり、前の人の使い方が荒いパターンなど、全てが綺麗なトイレにはほとんど出会ったことがない。

家のトイレも、ごくまれに酷いところがあるようだ。
そうでなくてもシャワーと併設されているために「シャワー使ったあとどうやってトイレ入るんだろ……」と思うことは多々ある。
そこがしっかりしている家はちゃんとお金がかかるイメージだ。

ちなみにウォシュレットだが、「カジノのトイレはウォシュレットがついていた」という話を耳にした。
それ以外では見たことも聞いたこともない。
トイレに関しては「いうほど恐れることはないが、小さな気苦労は絶えない」というのが妥当な評価かもしれない。

なんの仕切りもないバスルーム。
使い勝手に困るが意外と多い。


ゴミの話。

ジョージアではゴミの分別がない。
日本の細々とした分別に辟易している人にとってはこれ以上ない天国だろう。
EUでもないジョージアに環境問題なんてキーワードは存在するのだろうか。道路を走るバンパーのない車がきっと答えだろう。

ゴミボックス。
こんな感じで道路のそこここに置かれている。

ゴミは、道路のそこかしこに設置されているボックスに投げ込んでおしまい。
袋に入れてポイする人が多いが、中身だけ捨てても問題ない。
ゴミ収集車はボックスをひっくり返してゴミを回収する。
ゴミ回収のタイミングは決まっているのかわからないが、夜や午前中に見かけることが多い気がする。

日本のように指定の収集所があるわけではないし、大通りには普通にゴミ袋が設置されている。
ゴミでパンパンになった景色は見たことがないため、かなり余裕を持って設置されているか、回収の頻度が高いのだろう。

意外に思われるかもしれないが、街の清掃にはそれなりに意識が向いているらしく、トビリシ市のジャージを着た職員が道路を清掃する姿をよく目にする。

公園や大通りにはこのようなゴミ袋が設置されていることがある。

しかし地区によっては捨て方が悪く、こんもりどころか溢れていたり、いつ捨てられたかわからないマットレスが放置されていたりもする。
もふもふな猫がすごく汚いボックスを漁っている姿はなんとも哀しい。
そう言えばこの国にカラスはいないのだろうか。

さらに苦しいのが、ゴミボックスの場所。
先述の通りボックスごと持ち上げて回収する都合上、道路上に設置されている。
自動車にとっても歩行者にとっても、通行の妨げになっているのは確かだろう。

ボックスはかなり大きくて、成人男性の肩口くらいの高さがある。
それが二つ三つと並んで置かれている。
見た目の不衛生さはいかんともしがたく、買い物帰りに通る道はよく考えたいところだ。

どこでも捨てられるのは便利だが、近くは通りたくないものだ。


道路と野良犬の話。

街が汚いのはゴミボックスや落書きの影響もあると思うが、一番は野良犬関連のような気がする。
そこら中に転がっているフンもそうなのだが、それ以上に厄介なのが食べ残し。
誰かが犬にあげた食べ物の食べ残しが歩道によく転がっているのだ。
これが一番不衛生さを際立たせている気がする。

トビリシは排水能力が低く、ひとたびまとまった雨が降れば道路は川に、交差点は池に早変わりしてしまう。
いわゆる側溝というものはほとんど整備されていないようだ。
そして雨水に犬のフンや食べ残しが溶けて流れていくので、地区によっては雨上がりの臭いがひどい。

トビリシでも中心街から外れると、舗装されていない道路がちょこちょこある。
そのような場所は雨が降ったら一発アウトだろう。

綺麗に流れ去ってくれればいいが、トビリシの降水量はさほど多くない。

中心街や大通りではゴミ袋が設置されているからかゴミが捨てられている場面はそう多くないが、人が溜まりやすい場所ではタバコの吸い殻だらけだし、痰を吐き捨てる人も普通にいる。
日本は法律で喫煙が厳しくなったから吸い殻のポイ捨てが減っただけで、そういう意味での汚さは大差ないのかもしれない。

そういえば「もんじゃ」を見かけることはほとんどなかった。
いいワインを飲み慣れている国民性なのだろうか。
「酔う」ことに対する文化性の違いを見出せる気がするけれど今から語るのはやめておこう。

お手製の犬小屋が歩道に置かれていたり、ピザがまるまる道に放置されていたり……


綺麗ではない。汚いところもある。だけど……

ここまでジョージア(トビリシ)の衛生事情について語ってきた。
平成を物心ついた状態で駆け抜けた筆者にとっては「綺麗ではないが、耐えられないほど汚くもない、気苦労はある」といったところだろうか。

ちなみに出国時に経由地がワルシャワだったのだが、EUの清潔さにはとても驚いた。
空港のセキュリティゾーンでさえ落差があるくらいなので、やはり同じヨーロッパでもEUとは格が違うということを添えておく。

ジョージアは綺麗かと言われれば綺麗ではない。
汚いかと言われれば汚いところもある。
しかし生活できないかといえば話は別だ。
そんな白黒つけないカフェオレ感をわかってほしいところだ。

JUNKI

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