ドゥアンダオノーイのONE初戦、センアーティット再起戦など~ONE Friday Fights126&128 (2025年9月26日、10月10日)
ムエタイ大家族で知られるルークサインゴンディン16人兄弟の10番目、ドゥアンダオノーイ・ルークサイゴンディンは、10月10日にルンピニースタジアムで開催されたONE Friday Fights128に登場、ONEチャンピオンシップ初戦をベテランのキム・タウンゼント(オーストラリア)と戦った。
前回の当ブログで、ドゥアンダオノーイのONE Podcast #34 でのインタビューを紹介したが、今回はインタビューで話題となった彼女のONEデビュー戦について、また弟のセンアーティットの前戦(ONE Friday Fights 126、9月26日)について取り上げたい。さらにそれに加えて、同時期に行われた妹のザイダニアのRWSの試合(10月10日)についても触れてみたい。
🔴ドゥアンダオノーイ対キム・タウンゼント
ドゥアンダオノーイは、バンコク出身の26歳で、これまで通算37勝11敗5分でWMOやWPMFなど12本のチャンピオンベルトを獲得したという。
14歳からプロボクシングのリングにも上がり、2019年2月にOPBF東洋太平洋ミニマム級シルバー王座を獲得、同年4月に大阪でWBC世界女子ミニマム級の挑戦者決定戦に挑みWBA、IBFの世界王者経験者、多田悦子に7回TKOで敗れている。プロボクシングは7勝(4KO)5敗。
ムエタイはコロナ禍の際に2年のブランクを作ったが、昨年12月に復帰後はRWS(ラジャダムヌン・ワールドシリーズ)で3連勝、ラジャダムンスタジアムのランキングでミニマム級2位となり、今年6月にラジャ認定ミニマム級王者、モンクンペット・ペーオプラウファーに挑戦するも判定負け。今回は舞台をRWSからONEに移しての再起戦となる。
一方のキム・タウンゼントは14歳からムエタイを始めたオーストラリアの37歳。WMO、ISKA、WMC、WBCムエタイなど数々のタイトルを手にして、通算戦績は53勝6敗と高い勝率を誇る。9年前に一度、タウンゼントとドゥアンダオノーイは対戦しており、スプリットの判定でタウンゼントが勝利している。

リングインする両者、ドウァンダオノーイ陣営には、トレーナーを努める兄たちに混じって、義兄のロッタンの姿もある。160センチの両者だが、タウンゼントのほうが大きく見える。

107ポンド(48.5キロ)ムエタイ3回戦で行われたこの試合、初回は、タウンゼントのパンチをもらうドゥアンダオノーイ。パワーに押される。組んでも互角かタウンゼントやや有利か。ドゥアンダオノーイ得意の肘はなかなか当たらないが、ラウンド終了直前に縦ヒジが額の生え際に入った。
2回開始時より、初回の縦ヒジを入れられたタウンゼントの額から出血、ストップされることを見据えて、タウンゼントは焦った様子で勝負を急ぐ。タウンゼントが圧力を掛けるが、ドゥアンダオノーイは下がりながらこれをコントロールする。タウンゼントの顔は鮮血に染まる一方、ドゥアンダオノーイは余裕が出てきた。
タウンゼントにドクターチェックが入るが、試合は継続、ジャンプしてからの肘攻撃など、トリッキーな攻撃も魅せるドゥアンダオノーイ、首相撲でつぶしにくるタウンゼント、そしてドゥアンダオノーイの左ストレートがカウンターとなり、タウンゼントはダウン。しかし、すぐに立ち上がり、ダメージは少ないようだ。
タウンゼントは挽回を期して前に出てくるが、ドゥアンダオノーイは肘攻撃を狙う。前蹴りで前進を止め、下がりながらキムをコントロール。
3回も嵐の中に招き入れようとするタウンゼントだがドゥアンダオノーイは乗らない。ドゥアンダオノーイはアウトボクシングで攻撃をかわす。パンチの精度もドゥアンダオノーイのほうが上に見える。
判定はジャッジが3者ともドゥアンダオノーイを支持、ONEチャンピオンシップ初戦を勝利で飾ると共に、タウンゼントに9年越しのリベンジを果たした。



※試合動画~タイ国外では見られない可能性あり。
🔴センアーティット対アリー
センアーティット(セーンアティット、サンガルティット)は21歳、幼少期よりムエタイのリングに上がり、MMAグローブムエタイの元祖であるMXムアイ・エクストリームにも参戦していた。プロボクシングでは元WBAアジアスーパーライト級王者で世界ランカーとなり、19戦19勝(10KO)の戦績を残した。WBAアジアのベルトを返上してアメリカでのプロボクサー活動を試みたが、試合がなかなか組まれず、1年以上のブランクとなった為、ONEへの参戦に切り替えた。3月にはキックボクシングルールで行われたONEデビュー戦に判定で勝利したものの、6月の2戦目のスアブラック戦はダウンを奪われ、まさかの敗戦。
それから3か月、9月26日のONE Friday Fights 126にて、センアーティットの再起戦が組まれた。対戦相手はトルコの24歳、アリー・コユンチュ。ONEでは1戦、今年3月に重森陽太に判定勝ちしている。この日のONE FF126は特別興行でスター選手が軒並み顔を揃え、前戦で対戦したスアブラックは古豪セクサンと対戦するなど、注目カードが続くなかでの一戦となった。

140ポンド(63.5キロ)キックボクシング3回戦で行われた試合は荒れた展開となる。初回はまだ静かだったものの、2回にセンアーティットがダウンを奪ってから雲行きが怪しくなる。
2回開始20秒、センアーティットが右ストレートでダウンを奪う。再開後にアーリーは、テコンドー仕込みというスピードの乗った左右ミドルから左右フックを放つ。するとアーリーは股間を押さえ、ノーファウルカップが外れたとレフェリーにジェスチャ―。セコンドがカップを固定している紐を結び直し、試合は1分以上の中断。
試合再開後、アーリーはジャンプキックを放ち、そしてまたノーファウルカップがずれたと出張、ハイキックに後ろ回し蹴りとトリッキーすぎる動きに、カップもずれやすいと推測する。
ラウンド中盤、センアーティットの右フックがカウンターで当たると、効いた様子のアーリーがクリンチするが、センアーティットはアーリーをリングに投げる。投げた際に右ヒジが顔面に当たったとアーリーは主張。試合再開後もすぐにコーナーでセンアーティットに押し倒され、アーリーはレフェリーに反則アピール。
3回も、トリッキーに勢いよく攻め込むアーリー、オープンブロー気味の左右フック、ミドルを繰り出すが、またノーファウルカップがずれて中断する。そして、1分30秒、左フックを避けてダッキングして右に回り込んだアーリーの態勢が低く、そのまま膝をつくと勢いが収まらないセンアーティットの左ヒザがアーリーの顎に直撃する。
ダメージを追ったアーリーに休憩タイム。再開後、ラビットパンチ気味の右でヒザをついたアーリーの顔面に右フックを見舞うセンアーティット、レフェリーはダウンを宣告、カウントを開始するが、アーリーはファイティングポーズをとる。
レフェリーはセンアーティットにもダウン後の攻撃を注意するも、試合再開後、興奮した様子のセンアーティットhジャンピングニーをアーリーに見舞う。さらに、制止するレフェリーを無視してアーリーに右フックを放つ。
ここでレフェリーはイエローカードをセンアーティットに提示した。キックボクシンググルールでは、ムエタイと異なり、ヒジ、ヒザ攻撃は反則となる。試合結果は、2度のダウンを奪ったセンアーティットが判定勝ち。勝利したものの、センアーティットにとっては、前戦のスアブラック戦と同様に不本意なファイトとなった。次戦以降で大器が花を咲かせていくのか、注目していきたい。




※試合動画~タイ国外では見られない可能性あり。
🔴ザイダニア対シュー・ミンメイ
ルークサイゴンディン16人兄弟姉妹の15番目、19歳のザイダニアは10月11日のRWSに登場、39歳の中国人ファイター、シュー・ミンメイと112ポンド(50.8キロ、フライ級)3回戦を戦った。
ザイダニアは戦績では、35勝20敗5分と、16勝5敗1分のシューを上回り、内容も危なげなく、2回には右のバックハンドブローでシューからダウンを奪い、終始試合を有利に進めた。
試合後にザイダニアは「(ラジャミニマム級王者の)モンクンペットに挑戦し、姉のドゥアンダオノーイの代わりにリベンジしたい」とコメントしているが、次戦は12月7日にマレーシアで、WWCインターナショナル・ムエタイ、フライ級王座決定戦となる見込み。
現在、16人兄弟姉妹の中で活発に活動しているのは、ドゥアンダオノーイ、センアーティット、ザイダニアの3名である


※試合ハイライト動画 (RWS)
※記事についてはChannel 7 、Workpoint TVなどのYoutubeでの観戦、写真もYoutube映像から ( photos from Youtube channel of ONE Championship and RWS )
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