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ダニエル・ロドリゲスがリッテワダを下して、2年ぶりトーナメント制覇~2024年12月14日のRWS➁

2024年のRWS(ラジャダムヌン・ワールドシリーズ)トーナメントの、女子バンタム級、男子フェザー級、男子スーパーウェルター級、三階級の決勝戦が、12月14日にラジャダムヌンスタジアムで行われた。

女子バンタム級では”アナコンダ”バーバラ・アギラー(ブラジル)が”ザ・ティーチャー”クワンチャイ・クワンチャイムエタイジムを下して優勝した(既出レポート)。

そしてファン注目のスーパーウェルター級ではダニエル・ロドリゲス(ドミニカ/スイス)が、リッテワダ・ペットインディーアカデミーを下し、フェザー級ではチャイラー・ポー・ラクブーンルアチ・ゴートン(イスラエル)を下し、それぞれが優勝を決めた。

RWSトーナメントは各階級で選抜された8人の選手が、優勝賞金300万バーツを掛けて、半年にわたって争う。8人は4人ごと2つのグループに分かれ、グループ内で総当たり戦(3回戦)を行い、上位2名づつが準決勝に進み、準決勝(3回戦)を勝ち抜いた2人が12月の決勝(5回戦)で対戦した。

12月14日に行われたスーパーウェルター級、フェザー級の決勝の詳細については、次の通り。


スーパーウェルター級決勝・ロドリゲス対リッテワダ

今年のRWSスーパーウェルター級トーナメントは、2023年の同級トーナメント優勝者のタナンチャイ・シットソーンピーノン、2022年の同級トーナメント優勝のダニエル・ロドリゲス、2023年のウェルター級トーナメント優勝のリッテワダ・ペットインディーアカデミーと豪華な顔ぶれが参加し、「ダニエルと戦うためにスーパーウェルターに階級を上げた」とコメントしていたリッテワダが全勝でリーグ戦を勝ち進み、準決勝でタナンチャイを下し、決勝で念願のロドリゲスと対戦することになった。

リッテワダは元ルンピニースタジアム認定スーパーライト級王者で、これままで量産していた一撃必殺のKO劇も、階級を上げたスーパーウェルターでは、ややパワー不足なのか、今回のトーナメントでは勝利を収めるも判定勝ちに落ち着くパターンが増えている。(ペッチマイ戦、タナンチャイ戦)一方のロドリゲス、昨年まで不敗の43連勝を記録していたかつての絶対王者は準決勝でルシアン・ナガエフ(タジキスタン)に判定勝ちも、初回に右フックでダウンを奪われ、右目を腫らすなど不安を残した。現ラジャダムヌンスタジアム認定スーパーウェルター級王者でもある。

試合予想は、47戦して僅か1敗(46勝1敗)のロドリゲスの勝利を推すものが多いが、これまで90勝16敗5分のリッテワダのKO劇にも期待が高まる。リング上でえは、ロドリゲスは185センチ、リッテワダは180センチと共に長身だが、ロドリゲスが体格もリッテワダよりひと回り大きく見える。ゴングが鳴ると、リッテワダは右ジャブからの左ストレート、左フックを思い切り打ち込み、左ローキックも威力を感じさせる。ロドリゲスの左ローキック、ミドルのほうがより的確にリッテワダを捉えているか。フットワークもロドリゲスのほうが柔軟で、リッテワダの攻撃を避け続ける。初回、ジャッジは三者ともロドリゲスを支持した。

サウスポーの両者、RWS戦績は、ロドリゲスが13勝1敗、リッテワダが10勝1敗
アマチュアボクシングの強化選手だったこともあるリッテワダ、ボクシング色の濃いスタイル

二回の開始ゴングが鳴ると、リッテワダは左右エルボーを振り回してロドリゲスに迫るが、ロドリゲスはフットワークでこれをかわす。初回と同じように右ジャブからのビッグパンチを振るうリッテワダ、二分過ぎには左ストレートが軽くロドリゲスの顔面を捉えるも、ロドリゲスは舌を出して挑発する。攻め続けたリッテワダがポイントを取った。

三回はロドリゲスがペースを取り戻しに、攻撃の圧を増す。近い距離でのショートのパンチ連打、組みヒザなどでリッテワダに迫る。リッテワダはやや手数が減るも、まだパンチの威力は落ちていない。終盤、パンチとヒジの打ち合いで両者共にもらうも、リッテワダはラウンド終了のゴングが鳴るとガッツポーズを見せる。ジャッジは二者がリッテワダ、一者がロドリゲス。

四回、ポイントで1‐2と負けているロドリゲスが、前に出てパンチを中心に攻撃、リッテワダが下がりながらビッグパンチを振るって迎え撃つ。途中でパンチをまとめられたリッテワダが眉間から出血する。後半にロドリゲスのパンチが連続でクリーンヒットし、ややグロッキーのリッテワダ。距離を詰めて、パンチとヒジの連打で倒しにかかるロドリゲス、リッテワダは効きながらも最後の一発は回避し、時折パンチやヒジを返して、なんとかこのラウンドを生き延びた。ジャッジは三者ともロドリゲス。

必至にエスケイプするリッテワダ。ロドリゲスは準決勝で見せたような「隙」はなかった。

五回は、リッテワダが逆転を狙ってパンチ、ヒジを振るうも着弾せず。ロドリゲスにかわされて、逆にクリーンヒットをもらう。終盤はロドリゲスがフットワークで逃げ切り、判定勝ち。ロドリゲスが、2024年のRWSスーパーウェルター級トーナメント覇者となった。

ロドリゲスはタイのファンからは、ONEチャンピオンシップで連勝を続けるONE世界ムエタイフェザー級王者のタワンチャイ・PKセンチャイとのドリームマッチを望まれている。しかし、RWSとONEの間には壁があり、ロドリゲスがRWSを離脱しない限りは対戦は実現しないだろう。ロドリゲスはオープンフィンガーグローブのムエタイよりも、RWSのような、オーソドックスなムエタイに適正があるように見える。階級の壁に拒まれた感のあるリッテワダ、スーパーウェルター級に留まり、ロドリゲスとの再戦を目指して行くのか、ウェルター級に戻るなど別の道を探るのか引き続き注目していきたい。


フェザー級決勝・チャイラー対ゴードン

これまで63勝12敗1分のチャイラー・ポー・ラクブーンと14勝6敗のルアチ・ゴードン、チャイラーは元ラジャ王者の25歳のサウスポー、ゴードンはイスラエル出身でタイに長期滞在する21歳、入場時にはユダヤ教徒の帽子を被っている。最近の情勢からか、会場は歓声と共にブーイングも多い。しかし、普段はイスラム系の国の選手もRWSに出場するが、この日は被らないよう出場はなく、配慮されている様子だ。※そしてタイはイスラム教徒が人口の4%を占める。

チャイラーの鋭いハイキックがゴードンを襲う

オーソドックスのゴードンは身長170センチ、サウスポーのチャイラーは167センチだが、リング上で向かい合うと、ゴードンのほうがひと回り以上大きく見える。試合は初回はややゴードンの印象、鋭いミドルやハイキックの交換がされるも、距離が長い分、遠くからのゴードンの攻撃が到達している。しかし、ジャッジ三者ともチャイラーを支持。二回以降は各ラウンド、ジャッジの判断が分かれる。チャイラーとゴードンが分け合い、勝敗が見えない展開となっていく。ゴードンは、とても20戦の戦績とは思えない。50戦、100戦を経験した熟練した選手のようでもある。「過去に同じジムでチャイラーと練習していた。その頃からチャイラーは私のアイドル、あこがれの先輩だった。決勝でチャイラーと対戦できるのは光栄です」と話していたゴードン、先輩チャイラーにあと一歩と迫ったが、判定はチャイラーを支持した。

勝利者インタビューに答えるチャイラー
2024年のRWSトーナメント覇者の面々

12月7日には男子スーパーライト級、ウェルター級の決勝戦が行われ、スーパーライト級ではペッチトンチャイ・ソーソンマイ、ウェルター級ではハーキュリス・ワンコンオークMBKが優勝を決めていた。ハーキュリスは昨年のトーナメント決勝で、リッテワダにKO負け、優勝を逃していたが、2年連続の挑戦で悲願を果たした。

※ラジャダムヌンスタジアムで現地観戦、写真は著者撮影のもの。

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