スタッフが美味しくいただかないのが正しい世界線で試食する
テレビ番組で食べ物を使った創作が登場すると、画面の隅に「スタッフが美味しくいただきました」という注釈が入る。
極端にメガな料理や、食品を使ったアート作品などが登場すると注釈される。一昔前だと、長ねぎや大根で殴り合うコントみたいなのもあったか。
ユルかった時代でさえも、食べ物を粗末にすることは絶対悪であり、炎上リスクがあるから、注釈が入っていたのだろう。
制作の過程で作られる料理
テレビ番組よりもだいぶショボい話になるが、そこらへんの会社でも事業活動の一環として、創作のための料理が作られることがある。
例えば、作り方を説明する動画だったり、レシピ写真だったり、調理器具の宣材写真だったり、オンラインイベントの実演だったり。

食レポではないので、役目を終えた料理は食べても食べなくても成果物には影響ない。でも、それを廃棄するのは人の道に反するやろと思う。
私の胃袋が許す限り、私が撮影した料理はモリモリ食べている。食べきれない場合には、応援を呼んだり、こっそり持って帰ったり。

会社としては廃棄するのが正しい
企業の制作活動は、炎上リスク対策やら、ふてほど対策やらで、世に出るまでに様々な指摘をくぐり抜け、これでもかと言うくらい注釈が入る。
ある時に「スタッフがおいしくいただきました」表現を盛り込んだら、それに対して「会社としては廃棄するのが正しい」という逆のご指導があった。
理由が2つ挙げられた。1つ目は安全衛生的な観点によるもので、食中毒などの事故を避けるため。2つ目はコーポレートガバナンスの観点によるもので、予算で私腹を肥やすのは(比喩ではく文字通りでも)許さんというもの。

なかなかナイーブな問題ではある。インハウスの制作陣に「俺のために味噌汁を作ってくれないか?」という権限はないにせよ、案件多くてどれか断る場合に「まかないあるよ!」と言われた方を請けたくなる気持ちは否定しきれない。
キッパリ線引きして「撮影後は速やかに廃棄しました」とテロップ入れるのは、それはそれで問題ありそうだ。仕事に使うものを「後で食べる人が自腹で出せ」というのも、労基あたりに怒られそうな気がする。
この話題に触れた時点で負け確じゃないか。でも、制作に料理が登場する時点で、避けて逃げられない論点ではある。
それでも私は試食する
どう考えても私には、撮影後の料理を完食するのが正しいように思えてならない。
禅問答みたいになるが、「まかない」ではなく「試食」をすることにした。食材に対しては命をいただくことを全うしつつ、予算に対しては事業への貢献を全うする。
お味の感想を開発者にフィードバックしたり、レシピへの但し書きを進言したり、感想をコンテンツ制作に活かしたり。これによって、事業に貢献する試食をする。
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