aespaは紅白歌合戦を辞退すべきなのか?
紅白歌合戦初出場が発表された韓国のK-POPグループのaespaのメンバーの過去の行動に対しネットが騒がしくなっている。
ことの概要
aespaの中国人メンバーであるNINGNINGが2022年に自身のSNSに原子爆弾のキノコ雲を想起させるようなインテリアランプを購入した事を投稿し、それを「不謹慎だ」などとネット民が掘り起こし「紅白歌合戦は辞退すべき」などという声に発展しネット署名の運動が行われることになっている。
また昨今の日中問題とも絡めて「中国人が出演するのは適切ではない」などという声まで上がりだしている状況である。
思い出される星野源の件
今回の件を受けてまず思い出されるのが昨年2024年の紅白歌合戦で急遽披露曲を変更させられた星野源である。
星野源は自身の闘病経験をもとに作曲した「地獄でなぜ悪い」という曲を披露する予定だったが、2022年4月に性加害疑惑が報じられた映画監督の園子温氏が監督した同名映画の主題歌でもあったことから、SNS上で「性加害を連想させる」といった声が上がったため、直前になって披露曲を変更する事態となった。
結局”ネット民の声に負けた”形となったのだが、当日の星野源は明らかに不服かつ不機嫌そうで、まるでお通夜を連想させるような重く暗いパフォーマンスだったのを覚えている。
「地獄でなぜ悪い」という曲が性加害を連想させるという理論があまりに無茶苦茶だと思ったのをこれを書いていて思い出した。
これを批判してよいのは園子温から性被害を受けたとされる女性だけであり、おそらく当人は園子温とは関わりたくないため「地獄でなぜ悪い」の曲の存在すらも知らないのではないか。
何も事情を知らない第三者のネット民が上げた声の束に負けて方針を変えたNHKの判断は大失敗だったと今でも思う。
今回の件に対する私見
私はaespaは辞退する必要はなく、NHKは毅然とした態度で臨めばよいという意見である。
NINGNINGが根っからの反日主義者で、日本国及び日本人を卑下するような言動を繰り返している人物であれば出場が相応しいとは思わないが、日本や被爆者を卑下する意図はなく「たまたま何となくよさそうなデザインの物を買ったら、誰かを不快にさせる物だった」というだけではないか。
星野源の件と同様に原爆被害者が直接声を上げているならまだしも、戦争も体験したことのないネット民が「戦争被害者に配慮せよ」というのは誰かを叩くための単なるこじつけでしかない。
近年の政治的なやり取りも含め、いまだ嫌韓の思想が国民に根付いているため「日本の音楽番組にK-POPは不要」という声も上がっているが、もし今年大ヒットした「APT.」を歌ったBLACKPINKのROSÉが出場するとなっても「韓国人は出るな」となるのだろうか?これはこれで「アーパツ、アパツ」などと言って大歓迎するのではないのか。
K-POPを含む”嫌韓の思想”
aespaの活躍を知らない”自身の無知”
たくさん”いいね”がもらえそうな格好のネタである
結局のところ、これらを総合した”個人的な”認知の範囲や好き嫌いの価値観をごちゃ混ぜにした感情を「国民の総意」と自分に都合のいいようにすり替えているに過ぎない。
「戦後80年の年に~」とか「被爆地の広島出身の有吉が司会なのに~」なんて言っている人間もいるが、戦後何年とか広島出身者が司会とか関係あるのだろうか?
戦後何年であっても原爆や戦争の恐ろしさは変わらない。
単に叩くための枕詞欲しさに「戦後80年」という言葉を気安く使っている方が被爆者に失礼なのではないか。
NHKは今回の件に対し、
「ご指摘の事案は承知していますが、所属事務所には、当該メンバーに原爆被害を軽視、揶揄する意図がなかったことなどを確認しています」
というメッセージを出し、今のところ出場を見直すといったことは行っていない。
NHKは昨年の星野源の件で大失敗をしているのだから、たとえこれ以上ネットの声が大きくなろうとも「ランプの件は問題なし」と判断したのならその信念を貫くべきだと思う。
たとえaespaが出ようが出まいが、署名活動をしている人間の大半は紅白なんか観ない「ネット警察ごっこ」をしたいだけの人達だろうし過敏に反応しすぎるのは良くない。
日本国民は何度同じことを繰り返せば気が済むのか?
星野源の件もしかり今回の件もしかり、日本国民は100%クリーンな人間しか表舞台には出てくるべきではない。という事なのだろうか?
であれば、フジテレビの女子アナと不適切な飲み会を繰り返し行っていたとされる福山雅治は何故お咎めなしなのだろう?
2022年と3年も前の投稿を掘り起こすのであれば、2023年に表面化したジャニーズの性加害問題はまだまだ禊は済んでおらずKing & PrinceやNumber_iを見ただけで性加害を連想する人もいまだに多いのではないか?
度重なる薬物犯罪で逮捕されている兄を持つSixTONESの田中樹は不謹慎ではないのか。
福山やジャニーズの件を「無理やり理由をつけてこじつけてるだけ」と感じたなら、NINGNINGの件も同様にこじつけてるに過ぎないことを自覚すべきだろう。
aespa出場反対派で「原爆ランプのaespaはダメで、不適切飲み会の福山雅治と性加害や薬物犯罪を連想させる旧ジャニーズのグループはOKな理由」をちゃんと説明できる人は居るのだろうか?
結局のところ”叩きやすい人間”を寄ってたかって袋叩きにして「世直しをした」という自己顕示欲を高めたいだけの”いじめの構図”と何一つ変わらない。
署名活動をしている12万人の人間は生まれてから今まで一度たりとも他人を不快にさせたことが無い”聖人”の集まりなのか?
日本をマーケットとして活動するプロとして配慮が足りない点や事務所の教育が足りなかった点はあっただろう。
しかし2022年当時、若干20歳の若者であったNINGNINGが他国である日本の歴史や日本国民の心情まですべてくみ取れというのも無理があるのではないか。
ネット上の”叩き”を100%否定するつもりはないが、物事の善し悪しを冷静かつ客観的に判断する能力に乏しく、意図していない間違いやミスの一つも許せない心の狭い日本人があまりに多いように思う。
この件に乗じて週刊誌やマスコミは閲覧数を稼げる格好のネタとばかりに、関係のない話まで持ち出し火に油を注ぐかのごとく毎日のようにaespaに対するネガティブキャンペーンのような記事を出しているが、情報の取捨選択は正しく行っていってもらいたいものである。
ネットの意見に振り回されすぎず、上手な付き合い方をしていかなくてはならないと改めて考えさせられる一件である。
