【ヤクザ用語の】龍が如く・日本統一・OUTを楽しむために【基礎知識】
筆者はコンテンツ業界での仕事もしているが エンタメ分野で昔からの人気ジャンルに「ヤクザもの」がある 最近では映像分野「日本統一シリーズ」や ゲーム分野「龍が如く」 漫画作品では「OUT」 また北野監督の一連の映画は海外での評価も高い
それに関しては別稿で記事を立てようと思っているが 特殊な業界なので専門用語も多い また業界では普通に使用されている用語でも 一般の方が想像もつかないような用語もある
筆者はたまたま知る機会があったので その辺りの用語に関して記事を書いてみようと思い当たった 楽しんで頂けると幸いである
そもそもヤクザについて
ヤクザとは「八九三」と書く これは花札の「オイチョカブ」のルール(三枚の札の合計を取り十の位を省き一の位の大小で勝負をする)で 八九三は合計二十でブタ(ドボン,バカ,トン,ブッツリ,ブウツウ,ブツともいう)で0点となるところから 「役立たず」となるので 暴力団構成員を指す隠語となった
では昔はというと江戸時代は「旅人(たびにん)・渡世人(とせいにん)」と呼ばれていた これは一説によると「世渡りをするのに根無し草の様だから」と言われている 別名を無宿人とも言った 基本的には人別帳に載らないような生き方を選んで 一般社会と関係ない生き方を選ぶ輩を指す
基本的には名詞ではなく形容詞で「ヤクザな人間」「ヤクザ渡世」「ヤクザな生き方」の様に使用されるのが常だ 一般社会から隔絶されていて何の役にも立たない 少なくとも正業ではない という意が強く込められている ただ一般社会の構成員になれなかったものに対する呼称が必要だったので こういわれるようになった(被差別階級とは違う)
暴対法を説明しよう
さて法律上の正式名称は「暴力団員」となる 彼らを取り締まるのが「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(通称:暴対法)」だ これには明確に「指定暴力団」があり「主要4団体 山口組・神戸山口組・住吉会・稲川会」とその配下の暴力団で2025年4月時点で25団体が登録されている
ヤクザは江戸時代までは様々な日常的でない仕事 「賭博」「祭りでの物品販売」「争いごとの仲裁」などを行っていた 戦前までは ある意味社会の一部として機能していたのだが 戦後大きく変わることになる それが「民事介入暴力」と「薬物の販売」だ
警察は基本的に「民事不介入」なので 「力で揉め事を解決する=暴力団に依頼する」という構図が出来上がってしまった 利権絡み・契約絡み・危険な仕事の仲介斡旋等々 暴力団の出番は多かった 今でも原発関係の労働者の斡旋は 暴力団が手掛けていると言われている
結構細かく分かれている呼称の話
以下に暴力団に対する呼称と主な職種による自己認識の違いを説明しよう
博徒:これはある意味尊称でもあり 本業の博打を渡世とする者
的屋(テキヤ):別名神農 商業の神であることから転じた物品販売者
総会屋:企業の株主総会の円滑な進行を請け負う 経済研究所を名乗る
興行師:入場券の販売から会場の警備まで地方での芸能興行の面倒を見る
口入屋(くちいれや):原発作業者から売春芸能詐称まで普通でない斡旋
ペテン師:頭脳犯罪(てっぺん)者 最近では「トクリュウ」とも称する
愚連隊(ぐれんたい):道にはずれた暴力的な行いをするもの=蔑称
不良(ふりょう):愚連隊ではないが不道徳な行いするもの=蔑称
侠客(きょうかく):強きをくじき弱きを助ける筋を大事にする=尊称
極道(ごくどう):本来は仏教用語 侠客の道を究めた者=尊称
渡世人(とせいにん):生きていくために普通でない仕事に就業する者
グレ者(ぐれもん):道から外れた渡世人=蔑称
*グレ=愚連は「ハグレル」を語源とする 一般的な生き方をする庶民から逸れてしまいヤクザな生き方をしなければならなくなったという運命的(他責型認識)な解釈が彼らの中に存在する
右翼団体は暴力団ではない
博徒はテキヤや総会屋を「稼業違い」と呼び 一緒にされることを嫌う
また上には書いていないが 「右翼団体」というものもある 右翼団体の多くは 日本に定住した朝鮮半島出身者を起源とする これを意外と思う人 もいるだろうが 朝鮮戦争中でも「皇民」であることを誇りに思う半島人は 大変多かったのだ それで戦後右翼団体を立ち上げるになった
反日は恥:元韓国空軍大佐が語る 日本は奇跡の国 反日は
主な朝鮮半島出身の日本軍人
朝鮮戦争を戦った旧日本軍朝鮮兵
秘密裏に参戦した旧日本軍の存在 韓国朝鮮半島の歴史
また在日二世であった町井久幸氏(鄭 建永氏)が立ち上げた東声会(東亜友愛事業組合)は 指定こそ受けていないが主要団体と強い縁がある
頻出するヤクザ用語の解説(縁続き編)
盃(さかずき):これは縁を結ぶ際に用いられるもので 現在では素焼きの白いものを用いる 縁を結んだものは それを懐紙で包んで懐中深く収めることになる(式の時には和服を着用する)
親子:親分・子分の縁を結んだ同士を指す これは民俗学的にはオヤカタ・コカタから来ているとされる 基本的にはヤクザ組織は「擬制家族制」なので 互いの呼称は「親父」「叔父貴」「兄貴」「弟」となる 「親父さんの妻」は親子さかずきしていないので 「母」ではなく「姉(あね)さん」と呼ばれる またヤクザ社会は女性蔑視なので 組長の妻が自称する場合は「厄介者(やっかいもの)」となる
舎弟:一般社会では「実弟」の事を指すが ヤクザ社会では「弟分」の正式な呼び名である 自分が子分である場合 組長の舎弟は「叔父貴」となる 兄弟分には上下があり 対等な場合を「五分」 上下がある場合「四分六」「七三」などと格付けをする
まわり兄弟:自分の兄弟分が 別に舎弟または兄貴分を作った場合 その相手は自分から見て「まわり兄弟」となる この場合自分の兄弟分と同等の扱いを しなければならない
叔父貴:自分の親分の兄弟分
若者(わかもの・わかいもん):組長から見た子分の総称 若衆(わかしゅう)とも呼ぶ このリーダーが「若頭」(わかがしら)「若者頭」(わかものがしら)端に「頭(かしら)」と呼ぶ場合もある
頻出するヤクザ用語の解説(身分編)
舎弟頭(しゃていがしら):これは兄弟分の中の最高位である 別名を「代貸(だいがし)」とも呼ぶ また関東ではシマ持ちの貸元を指す
貸元(かしもと):博徒である場合に 賭博場の経営者をこう呼ぶ 負けた客が持ち合わせが無い場合「貸し」になるわけだが この貸金を出すから貸元である これは大抵高利で「十一(トイチ=十日で一割)」「十三(トサン=十日で三割)」「十五(トゴ=十日で五割)」「カラス(日に一割)」「日三(ヒサン=日に三割)」などアコギなものである
会長:組の集合体の「会(かい)」がある場合 そのトップを指す
理事長:会のナンバー2を指す
本部長:会の中心である組=本家の諸事万端を取り仕切る役
事務局長:会の執行役の最下位 裏方
顧問・相談役:筋目は正しいが 執行役に選ばれなかったものがなる
秘書:ボディガード 兼組長の相談役 子飼い
組長付き:ボディガード 武器は所持できないので防刃・防弾衣着用
部屋住み:最下位の子分 無給で小遣い制
上記は組織によって呼称が違ったりします
仁義の切り方
仁義を切る:初対面の相手に挨拶をすること 必ず下手(したで)に出て挨拶する また 敷居を跨ぐのは礼を失するので 必ず戸口の前で挨拶を行う
自:軒下三寸の仁義 失礼さんにござんす お控えなすっておくんなせえ
先:まずはお兄いさんからお控えなすって
自:手前 旅中のものにござんす 是非ともお兄いさんからお控えなすって
先:それではお言葉に甘えまして 控えさせていただきやす
自:手前 昨今駆け出しの未熟者ゆえ 後先間違いましたらお許し願います
自:手前 生国と発しますは 〇〇でござんす
自:〇〇で一家を構える△△に従います 若いものにござんす
自:姓は〇〇 名は△△
自:人呼んでXXと発します
自:ご覧の通りの若輩者にござんす
自:以降面体見知り置かれまして 宜しくお引回しの程お願いしやす
先:これはご丁寧なご挨拶恐れ入りやす
先:手前 当家の〇〇に従います若い者にござんす
先:姓は〇〇 名は△△ と申します
先:以降お見知り置きをお願い致しやす
自:ご丁寧なご挨拶いたみいりやす
自:では兄さんから お手をお上げなすって
先:先に控えさせて頂きましたのに それでは筋が通りません
先:まずは兄さんから お手をお揚げなすって
自:では ご一緒にということで
最初の譲り合い「御ひけぇなさっておくんなさい」というやつだが 控える側は腰を下ろすので 「先にお楽に」の意 最期の譲り合いは 仁義を切る場合 素手であることを示すため利き手を前に出しているので「お先に御手をお上げなさっておくんなさい」とする これは同時に手を引っ込めるのが常道である しかし 最近は暴力団も名刺を携帯しているので(フロント企業があるから)名刺交換となっている
頻出するヤクザ用語(トリビア編)
太郎(たろう):正しくは「懲役太郎(ちょうえきたろう)」 すぐに事件を起こし頻回に懲役に行くものを指す 昔 山田太郎という歌手がいて「僕の名前を知ってるかい 朝刊太郎というんだよ」という 新聞少年の歌を歌った そのもじり
ナガムシ:長めの懲役刑のこと 「ナガムシを食らう」の様に用いる 「長くムショにいる」を略して「ナガムシ」となった
ションベン刑:短い刑のこと 小用は便所に入ってもすぐ出て来るから「入ってもすぐに出る」を意味してこうなった
ポン中:ヒロポン中毒から来ている 覚せい剤中毒者の事 シャブ中ともいう 肘の当たりを摩る動作でも表せる
アッパー・冷たいやつ・粉・白いの・雪ネタ・アレ:覚せい剤のこと
ダウナー:ヘロイン・睡眠薬・マリファナ等眠くなる系の薬物の総称
ポンプ:覚せい剤を打つための注射器
あぶり:覚せい剤をアルミフォイル上で熱して蒸気を鼻から吸引すること
パケ:パラフィン紙等 湿気を遮断する梱包材で包まれた 薬物一単位
混ぜ物(混ぜもん):薬物を増量するための薬品 安息香酸ナトリウム(ハイポ)等
アンナカ入り:ハイポをまぜた覚せい剤の事 安息香酸ナトリウムから
シノギ:渡世上の商売の事 幅広い 例えば観葉植物の鉢植えを高額でレンタルするとか 氷や水を高額で買わせるとか 絵を高額で買わせる等 通常の商売を装って行われる 最近では北朝鮮からの覚せい剤を卸す(中東系相手が多い)か 海外の女性に売春をさせるなどが主流 もはや暴力の時代ではない 自分たちが表に出ることは少なく 半グレや族上がり又はフロント企業を使うことが多い
ミカジメ:用心棒代
ケツ持ち:用心棒等 揉め事があった場合の処理役 トラブルが多い店や半グレ・暴走族など 揉め事が多い業種には必ずヤクザのケツ持ちがいる
マチガイ:喧嘩沙汰・刃傷沙汰等警察が出動してしまう様な事態 「矢追町3丁目の店○○でマチガイです」のように使う
シカト:無視すること 花札の鹿が十月で横を向いた図柄から鹿十と書く
ヒカリモノ:刃物の事 今時はドスやダンビラなどとは言わない
エグる:刃物で刺す その際 内臓を切断するため刃物を回転させるので抉るという 即死しなくとも出血多量で死ぬ
ガマン・モンモン・スミ:刺青の事
筋彫り・線彫り:輪郭だけの入れ墨 転じて刺青代を工面できない小物を指す
ハジキ・チャカ:拳銃の事 関東はハジキ(弾くから) 関西はチャカ(リボルバーはカチャカチャいうため)と呼ぶ
エンコ詰め:小指の第一関節を切り落とすこと しかし今時は金銭的解決を優先するので指を詰めることは無い また詰める場合も整形外科へ行く
空気を入れる:焚きつけること
シマ:しのぎを支配している縄張りのこと 新宿などは暴力団・中国マフィア・中東系等々が入り乱れているので ビルごとにケツ持ちが違っていたりする
歌う:取り調べで白状してしまうこと
刺す:密告すること チクるとも言う
ゴロ:喧嘩のこと 喧嘩をすることを「ゴロを巻く」という
ステゴロ:素手喧嘩 凶器を用いない喧嘩のこと
叩く:暴力で金銭や物品を奪うこと タタキ=強盗
ヤサ:寝場所の事 刀の鞘の倒置語
ノミ行為:中央競馬会等に替わって 公営ギャンブルの受けをすること 何故ノミ屋に頼むかと言えば 外れても一割の返還金「モドシ」があるから
トトカルチョ:関西の賭博の王道 甲子園からサッカーから点数がつく勝負なら 何でも賭博の対象になる その際は弱い方にハンディキャップを付けて(野球なら5点足すなど) いい勝負になるようにする このハンディがトトカルチョの胆なので これを決めるプロをハンデ師と呼ぶ
ベントー持ち:仮釈放で刑期が残っているモノを指す
マブイ:真夫・真婦から来ている 本来はきちんとした関係のこと 転じて上モノ・上手 「あいつステゴロマブイらしいぜ」のように用いる
まだまだあるが…
いったんここで筆をおくことにします これでヤクザ系コンテンツを味わう際により楽しめると思います 思いついたら随時追加します
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