【逆転快活】ねいろ#6 射抜く
前の話
本シリーズは「完全フィクション」です。実在の人物とは一切関係ありません。
性別転換で快活女性となった「ねいろ」。
半年間の快活女性経験を積んでみるために、エルフ旅団(De・リーヘル)の入団面接を受け、体験入店をすることに。二人目の客「棚加(タナカ)」はとんでもない客だった…
=====
「〇れていい?」
来た。
初遭遇である。
ただ、私は方針も対策も考えている。
なぜなら、私は男であったときから、「どうあるべきだろうか?」を考えていたからだ。
結論から言おう。
「私は鋼の鉄梨嬢だ」
ただ、それじゃーあまりにも芸がない。
おそらく、こんなことはこれからもたびたび起こるのだろう。
こんなことを言ってくる男もなんとかこちらの土俵にひきずりこんで勝負する努力をする。
それが快活女性となった私の果たすべき矜持なのだ。
「やだ」
切り返す言葉はシンプルに。そして、「いや」とか「ダメ」ではない。
プレイの一環になりかねない言葉の選択を避け、それでいてかわいい言葉。
それがこの言葉なのではなかろうか。
「みんなやってるし、この世界そんなんじゃ指名とれないよ?」
妙に饒舌になり始めた棚加。本性を現したか?
「ううん。ルールを守れないのって私、やだ。それに、そんなこと言う人も、やだな。」
「そんなこと言ったって、もう止まれない。こんなになっちゃって。ねいろちゃんもだろ?」
むっ。引き下がらないな。
最悪の可能性を想定…する前に、この技の出番だ。
「いやだと言ってるのに…棚加さんは、するの?」
相手の目を見て、射抜く。
人の心が少しでも残っているのなら。ここで止まれ。
「……わかったよ」
「ありがとっ。棚加さん優しいね。」
ぎゅっとしてやる。
普通の男女であれば、もうこの日はオシマイであろう。
だが、ここは快活の場。
求められればルールの中で演じきらなければ。
棚加もそのつもりのようで、そのまま正常位す〇たの体制へ。
事故が起こらぬよう右手の指をあてておき、手のひらと下腹部で形成した
”疑似ねいろ空間”でしっかりと包み込んであげる。
そうしながら、フィニッシュへ。
良かった。私の演技はもうダメダメだったと思うのだが、刺激だけで昇天してくれた。
棚加とはその後も会話が進まず、私も無理に話しかけたりはしないので気まずい感じのまま終了となった。
…疲れた。
なぜ?という思いが湧いてくる。
こちらは何も悪いことはしていない。ルールの中で全力で相手をしようとしていたと思う。
それなのに、要求に応えなかったから雰囲気が悪くなるというのは、あまりにもひどいではないか。
自分でその立場になってみて初めて分かったが、こうなるのが面倒で、消極的OKしてしまうという選択肢も人によってはある。そして、快活女性がその選択をしていたとしてもあまり責められるようなものではないのかもしれない。
悪いのはルールを外れる者たち。
もちろんグレーゾーンはあるだろう。OKである人たちもいるのだろう。
全てのものごとがルールで決めうるかといえば、おそらくそうでもないのだろう。
ただまぁ、私はそれを守って楽しく過ごそうという人を大事にしようと思った。
大事にしてくれる人を大事にするのは、至ってシンプルな”循環”だよね。
お店と連絡を取る。
次の宿屋が指示される。
続くというのはいいことだ。だけど、こういう時も次があるというのはなかなか大変だな…。
つづく
作者あとがき:
いやー、書いていて疲れました…!
そして、自分で書いていて、発見もありました。
そう簡単に割り切れるもんじゃねぇっすねー!
というのが、なり切ってみた感想です。
当初は、”疑似挿入”主義(つまり、しない)の私ですから、
鉄梨のナシ、さくっと撃退。
なんなら武力排除もするよ?みたいなことを考えていたのですが
(男時代は柔道二段、そして、ねいろも柔道の強者という設定が存在します笑)
そうじゃねぇよな…と。
ちょっとうんうん唸った末に、こんな感じに書きました。
さて、どうなんでしょうかね?
これだけはいえること。
そんな不確実な世界に生きている快活女性には感謝しかないですな。
という気持ちを日々更新して、これからも快活に励もうと思います。
