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読めるのに、書けない

最近、漢検10級の過去問を解いている。
息子は本をよく読む。
図書館で借りた小説も読むし、サバイバルシリーズも好きだし、ポケモンの本も読む。
学校の教科書はもちろん読めるし、テレビの字幕もかなり読める。
だから私はずっと、
「漢字で困ることはないだろう」
と思っていた。
むしろ苦手なのは、書く量や面倒くささの方だと思っていた。

でも実際は違った。
先日解いた漢検の過去問では、いくつか間違いがあった。
漢字を知らないわけではない。
問題の意味も分かっている。
でも、書くと違う。
「木」と「水」が似た字になったり、
「未」と「末」が同じようになったりする。
私は最初、
漢字を覚えていないのだと思っていた。

例えば「火」。
漢検の過去問で間違えた。
私が見るとすぐに違和感があった。
でも息子は、
「できた!」
という顔で持ってきた。
書き順を確認すると、人のような部分を先に書いていた。
「ここはこうだよ」
と説明すると、
「あー、そうか」
と言う。
怒られた顔でも、納得していない顔でもない。
本当に気付いていなかったらしい。

正直、私は何度も説明しているのだから分かっていると思っていた。
だから同じところを間違えるたびに、
「また?」
と思うこともあった。
怒ったこともある。
でも見ていると、
息子は分かっていて間違えているのではなかった。
読めないわけでもない。
覚えていないわけでもない。
ただ、知っていることを正しく手で再現するのが難しいらしかった。

息子は時々、
「こんなに書くのー?」
と言う。
そして続けて、
「形は分かってるよー」
とも言う。
最初は言い訳だと思っていた。
でも今は少し違う。
本人の中では、本当に分かっているのだと思う。
ただ、その形を正確に書くところで崩れてしまう。

それでも、字を書くこと自体は嫌いではない。
これは少し前に息子が書いた風船だ。

息子から度々もらう、風船お手紙


「大」の字がたくさん並んでいて、思わず笑ってしまった。
この頃も字はまだ不安定だった。
でも本人は楽しそうだった。
振り返ると、字を書くことが嫌いだったわけではないらしい。

最近は『まほうの漢字ドリル』を使っている。
毎日たくさんではない。
1文字だけの日もある。
すぐ消せるペンでなぞりながら、
止める場所や線の長さを少しずつ確認している。
普通の漢字ノートに書かせると、まだ間違えることも多い。
それでも以前よりは、
「ここで止める」
を意識するようになった気がしている。

字が上手な子の話になると、
息子は
「公文でたくさん書いてるんだって」
と教えてくれる。
そして、
「僕も練習したら上手くなるから」
と言う。
でも実際には、
「こんなに書くのー?」
と文句も言うし、
漢字練習で私に怒られることもある。
練習が好きなわけではない。
それでも、
上手くなれないとは思っていないらしい。

今日も私は漢字の丸付けをしていた。
その横で息子は、いつものように本を読んでいる。
私はずっと、
読めるなら書けると思っていた。
でもどうやら違うらしい。
最近は、
「どうしてできないの?」
よりも、
「どこまではできているんだろう?」
を見るようになった。
漢検まであと少し。
結果は分からない。
それでも以前より、
息子がどこでつまずいているのかは少し見えるようになった気がしている。

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