耳かきは今すぐやめて!米国耳鼻咽喉科学会が教える「耳のセルフケア」3つの新常識
結論:私たちが「耳垢」だと思って取り除いているものは、実は耳を守るための重要な保護膜であり、耳かきは百害あって一利なしです。
理由:耳には自浄作用があり、耳かきは耳を奥に押し込み、外耳道を傷つけ、深刻なトラブルを引き起こすリスクを高めるだけだからです。
今回は、海外の専門家が警鐘を鳴らす耳かきの危険性と、今日からできる正しい耳のケア方法を3つ紹介します。
こんにちは、文翔です。
お風呂上がりに、綿棒や耳かきで耳の掃除をする時間。あの、なんとも言えない気持ちよさ、分かります。
ごっそり取れた時の達成感は、もはや一つのエンターテイメントですよね。しかし、先日海外の友人にその話をしたら、「クレイジー!耳に棒を突っ込むなんて!」と、本気で驚かれてしまいました。
この、日本人にとっては当たり前の習慣が、海外の医学界では「絶対にやってはいけない危険行為」とされている事実。
その中心にいるのが、アメリカの耳鼻咽喉科の専門家たちです。
提唱者について

出典:Pexels
特定の提唱者というより、今回はこの分野におけるアメリカの最高権威である「米国耳鼻咽喉科学会(American Academy of Otolaryngology—Head and Neck Surgery Foundation)」の見解を紹介します。
この学会は、耳・鼻・喉の専門医たちで構成される組織で、科学的根拠に基づいた診療ガイドラインを作成し、一般市民への啓蒙活動を行っています。
2017年に更新された彼らの公式ガイドラインでは、「耳垢は、耳を健康に保つための正常な物質であり、問題がない限り、何もしないことが最善である」と明確に断言されています。
さらに、「綿棒、ヘアピン、耳かき棒など、いかなる物も耳の中に入れるべきではない」と強く警告しています。
彼らの主張は一貫しており、耳垢は「ゴミ」ではなく、ホコリや細菌の侵入を防ぎ、外耳道の皮膚を保湿する「天然の保護クリーム」であるというもの。
この「耳垢=善」という視点が、日本の「耳垢=悪」という常識を根底から覆すのです。
なぜ、私たちは「耳掃除」がやめられないのか
結論として、耳の中の「迷走神経」が刺激されることで得られる、原始的な快感が原因です。
耳の穴の奥深くには、「迷走神経」という特殊な神経が分布しています。この神経は、心臓や内臓の働きをコントロールする非常に重要な神経ですが、その末端が耳の中にも伸びているのです。
耳かきでこの神経が刺激されると、脳が「気持ちいい」と感じる、一種の反射が起こります。
これは、本来であれば危険を知らせるべき「痛み」の信号が、快感として誤って認識されてしまう、脳のバグのようなもの。
私たちは、この抗いがたい快感の虜になり、「耳を綺麗にしている」という大義名分のもと、無意識に自分の耳を傷つける行為を繰り返してしまっているのです。
それはまるで、ジョジョの奇妙な冒険に登場する、ダメージを快感に変えてしまう敵スタンドの攻撃を受けているようなものかもしれません。

「清潔」を保つ3つの方法
では、耳の不快感やかゆみを感じた時、私たちはどうすればいいのでしょうか。学会が推奨する、3つの安全なセルフケアを紹介します。
耳の「入り口」だけを拭う
まず、お風呂上がりに、湿らせたタオルやティッシュを指に巻き、耳の穴の入り口から出てきた耳垢だけを優しく拭き取ります。
これが、家庭でできる唯一にして、最も安全な耳掃除です。耳には自浄作用があり、古い耳垢は、あごの動き(話す、食べるなど)によって、自然に外へと排出されます。
その「自然に出てきたもの」だけを取り除けば十分。耳の穴の中に指や綿棒を1センチでも入れたら、それは「掃除」ではなく「耳垢の押し込み作業」に変わる、と心得ましょう。
「かゆみ」の原因を外から断つ
次に、耳がかゆい時、その原因が耳の中ではなく、シャンプーのすすぎ残しや、イヤホンの汚れにある可能性を疑います。
耳のかゆみの多くは、外耳道の皮膚の乾燥や、アレルギー反応、外部からの刺激によって引き起こされます。
耳の中をいじる前に、まずはシャンプーや石鹸をしっかり洗い流すこと、イヤホンをアルコールで定期的に消毒することを徹底してみましょう。
これだけで、多くのかゆみは改善される可能性があります。

私にとって仕事の三種の神器。
きれいに掃除しないと。。。
「聞こえにくい」と感じたら、迷わず専門医へ
最後に、耳垢が詰まって聞こえにくい、耳鳴りがする、痛みがあるといった症状が出た場合は、自分で解決しようとせず、すぐに耳鼻咽喉科を受診します。
耳垢が固まって栓のようになってしまう「耳垢栓塞(じこうせんそく)」は、自分で取り除くことは不可能です。
無理にいじれば、外耳道を傷つけたり、鼓膜を破ったりする危険があります。専門医は、専用の器具や薬剤を使って、安全かつ確実に取り除いてくれます。
「餅は餅屋、耳垢は耳鼻科医」と覚えておきましょう。
まとめ
海外の医学界の常識では、耳垢は耳を守る益虫であり、耳かきは危険な行為です。
安全なケアのためには、
①耳の入り口だけを拭い、
②かゆみの外部要因を取り除き、
③異常があれば専門医に相談する、
という3つの原則を守ることが重要です。
私自身、この事実を知ってから、長年の習慣だったお風呂上がりの綿棒をやめてみました…いや、控えました。
最初は少し物足りなさを感じましたが、数週間もすると、耳のかゆみが以前より減ったことに気づきました。
私たちは、良かれと思って、自分の体の素晴らしい自己治癒能力を邪魔していたのかもしれません。
自分の体を信じ、余計なことをしない。それこそが、最高のセルフケアなのだと、考えを改めさせられました。
今日やること
1. 今すぐ、家の耳かき棒と綿棒を、目の届かない引き出しの奥にしまう(1分)
2. お風呂から出る前に、シャワーで耳の後ろや入り口を優しく洗い流すことを意識する(1分)
3. 自分のイヤホンを見て、汚れていたらウェットティッシュで拭いてみる(2分)
※耳裏の気持ち悪さ対策に
いつも読んでくださって、本当にありがとうございます。
もしこの記事が、あなたの耳の健康を守るきっかけになったなら、ぜひ「スキ」と「フォロー」で応援していただけると、私の耳にも嬉しい情報が届きます!
参照元・出典
(参照元)The New York Times, "That ‘Clean’ Feeling? It Might Be Damaging Your Ears." (https://www.nytimes.com/2017/01/03/well/live/that-clean-feeling-it-might-be-damaging-your-ears.html)
(参照元)CNN, "ENT doctors: Don't put Qtips in your ears" (https://edition.cnn.com/2017/01/04/health/ear-wax-removal-q-tips/index.html)
(出典)American Academy of Otolaryngology—Head and Neck Surgery Foundation, "Earwax (Cerumen)" (https://www.enthealth.org/be_ent_smart/earwax/)
(出典)American Academy of Otolaryngology—Head and Neck Surgery Foundation, "Clinical Practice Guideline: Cerumen Impaction (Update)" (https://www.entnet.org/quality-practice/quality-products/clinical-practice-guidelines/cerumen-impaction-update/)
(出典)Wikipedia, "Earwax" (https://en.wikipedia.org/wiki/Earwax)
