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ゼロ金利の終焉?:元日銀マンと伝説の投資家が示す「新しいお金の羅針盤」と3つの航海術

結論:日本の「ゼロ金利」という大航海時代が終わりを迎え、私たちは未知の海域へと漕ぎ出そうとしています。

理由:国内の物価上昇と、海外の投機筋からの強烈な圧力が、日本の金融政策を歴史的な転換点へと押しやっているからです。

今回は、この転換を読み解く2人のキーパーソンと、私たちが備えるべき3つの航海術を紹介します。


こんにちは、文翔です。

先日、子供の頃にもらったお年玉を貯めていた古い銀行の通帳を見つけました。何十年も預けていたのに、利息がうまい棒1本分くらいしか増えていなくて、思わず笑ってしまいました。

私たち、特に平成生まれ以降の世代は、お金を銀行に預けても全く増えないのが「当たり前」の世界に生きてきました。

しかし、この「当たり前」の終わりを、内部から、そして外部から予見し、世界に警鐘を鳴らす人物たちがいます。

提唱者について

中曽宏(なかそ ひろし)/1953年生まれ
出典:日本銀行

中曽宏氏は、元日本銀行副総裁であり、現在は大和総研の理事長を務める、日本の金融政策を知り尽くした人物です。

彼は1978年に日本銀行に入行して以来、金融危機対応の最前線に立ち続け、「ミスター日銀」とも呼ばれました。

彼は、ゼロ金利や量的緩和といった「非伝統的金融政策」の導入から運営まで、その歴史のすべてを内部から見てきました。

そんな彼が近年、講演や著書で繰り返し述べているのが、「出口戦略」の重要性です。つまり、異次元の金融緩和を「いつ、どのように終わらせるか」という問題です。

彼は、性急な政策変更のリスクを指摘しつつも、経済が正常化に向かうのであれば、金利もまた正常化する必要があるという考えを示唆しています。

彼の発言は、日銀の元最高幹部として、金融政策の「中の人」が抱える葛藤と未来への視座を示すものであり、市場関係者から絶えず注目されています。

ジョージ・ソロス(George Soros)/1930年生まれ
出典:Wikimedia

ジョージ・ソロス氏は、ハンガリー出身の投資家であり、「イングランド銀行を潰した男」の異名を持つ伝説のヘッジファンドマネージャーです。

彼は、国家間の経済の歪みや矛盾を見つけ出し、そこに巨額の資金を投じて利益を上げる「グローバル・マクロ戦略」で知られています。

1992年、彼はイギリスの通貨ポンドが過大評価されていると判断し、猛烈な売り浴びせを行ってポンドを暴落させ、莫大な利益を得ました。

近年、彼のような海外の投機筋がターゲットにしているのが、日本の「金利」です。

世界中の国がインフレ対策で金利を上げているのに、日本だけがゼロ金利を維持している。この「歪み」は、彼らにとって絶好の攻撃対象です。

彼らは日本国債を売り浴びせることで、日本の長期金利に上昇圧力をかけ、日銀にゼロ金利政策の修正を迫ります。

ソロス氏自身が直接言及せずとも、彼の哲学を受け継ぐ多くの投機家が、日本のゼロ金利の「終焉」に賭けているのです。

日本のゼロ金利政策は、世界の高金利圧力の煽りに
晒されながらも必死に防衛しつつ出口を探しています。

なぜ、日本の金利は「内」と「外」から揺さぶられるのか


結論として、国内の「インフレの芽」と、海外の「投機家の圧力」という、二つの巨大な力に挟まれているからです。中曽氏のような国内の専門家は、物価と賃金が安定的に上昇する良いインフレが定着すれば、金融政策を正常化できると考えています。

しかし、そのタイミングは非常に繊細で、間違えれば経済を失速させかねません。まるで、爆弾処理班のように、どのコードをいつ切るか慎重に見極めている状態です。

一方、ソロス氏に代表される海外の投機家は、そんな日銀のお家事情を待ってはくれません。

「日本の金利は低すぎる、いずれ上がるはずだ」と見越し、日本国債を空売りします。これは、日銀に対して「早く金利を上げろ」と迫る、いわば金融市場の黒船来航です。

この内外からの圧力によって、日本のゼロ金利という長年の「鎖国」状態が、終わりを迎えつつあるのです。

国内事情と海外からの圧力という、
二つの力の綱引きの真ん中にいます。


「金利のある世界」を生き抜く3つの航海術

この歴史的な大海原を航海するために、私たちはどんな羅針盤とスキルを持つべきでしょうか。

自分の「財務諸表」を作る

まず、家計簿アプリなどを使い、自分の資産(何を持っているか)と負債(ローンなど)を一覧化します。金利が上がると、資産と負債の両方に影響が出ます。

特に、住宅ローンなどの「負債」の金利タイプ(変動か固定か)を把握しておくことは絶対です。これは、航海に出る前に、自分の船のどこが頑丈で、どこに修理が必要かを確認する作業です。自分の財務状況を客観的に知ることが、すべての備えの第一歩となります。

「時間」を味方にした積立投資を検討する

次に、金利変動のリスクを平準化するため、NISAなどを活用した長期・積立・分散投資を検討します。金利が上がれば、短期的には株価が下がることもあります。しかし、ドルコスト平均法を用いた積立投資なら、価格が安い時には多く、高い時には少なく買うことになるため、時間とともにリスクを抑える効果が期待できます。これは、荒波の中を一度に突っ切るのではなく、波の満ち引きを利用しながら少しずつ進む、賢い航海術です。

投資において、時間は最大の見方になります。
焦らず、じっくりと資産を育てましょう。

計経済ニュースを「自分ごと」として読む


最後に、日銀の政策決定会合や、海外の金利ニュースを、他人事ではなく「自分の生活に関わる物語」として読み解く習慣をつけます。

「日銀が長期金利の上限を修正」というニュースが出たら、「自分の住宅ローンの金利に影響があるかも?」と考える。

「アメリカが利上げ」と聞いたら、「円安が進んで、輸入品の値段が上がるかも?」と想像する。この「自分ごと化」の習慣が、変化の激しい時代を生き抜くための、最も強力な羅針盤になります。

まとめ


ゼロ金利の終焉は、元日銀幹部のような内部の専門家と、海外の投機家という外部からの圧力によって進んでいます。

この変化の時代を乗り切るために、私たちは

①自己の財務状況の把握、
②時間を味方にした投資、
③経済ニュースの自分ごと化、

という3つの航海術を身につける必要があります。

これまで「思考停止」で銀行に預けておけばよかった時代が、終わりを告げようとしています。

それは面倒で、不安なことかもしれません。しかし、自分のお金と真剣に向き合い、知恵を絞って航海する、エキサイティングな時代の幕開けとも言えます。

伝説の投資家や国のトップだけでなく、私たち一人ひとりが、この物語の主人公なのだと感じています。

今日からできること

1.住宅ローンを組んでいる人は、契約書を引っ張り出して金利タイプを確認する(5分)

2.証券会社のサイトで、全世界株式インデックスファンドがどんなものか調べてみる(10分)

3.今日のニュースで「金利」という言葉が出てきたら、その記事を最後まで読んでみる(3分)



いつも読んでくださって、本当にありがとうございます。もしこの記事が、新しい時代の羅針盤のひとかけらになったと感じたら、ぜひ「スキ」と「フォロー」で応援していただけると、私の取材の船も前に進むことができます!

参照元:
•Reuters, "Ex-BOJ deputy gov Nakaso says BOJ must communicate well on exit" (https://www.reuters.com/markets/asia/former-boj-deputy-gov-nakaso-says-boj-must-communicate-well-exit-2023-02-15/)
•Bloomberg, "Soros Fund’s Fitzpatrick Sees BOJ Policy Shift as Question of ‘When, Not If’" (https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-01-18/soros-fund-s-fitzpatrick-sees-boj-policy-shift-as-question-of-when-not-if)

出典:
•日本経済新聞, 「中曽宏氏の講演・論文」 (https://www.nikkei.com/)
※具体的なURLは講演ごとに異なります
•The Guardian, "The life of George Soros" (https://www.theguardian.com/business/2018/oct/11/the-life-of-george-soros-conspiracy-theories)
•日本銀行(Bank of Japan)公式ウェブサイト (https://www.boj.or.jp/)


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