ひどいアニパロ大戦 新年の願い
大晦日の夜が明け、正月がやってきた。
喫茶リコリコは今年、正月も営業することにした。
店先には「正月イベント 餅つき大会」の看板が掲げられ、トシちゃんときんどーさんが臼と杵を準備している。
千束が万事屋の三人の姿に気づいた
「神楽ちゃーん、明けましておめでとうー!」
「おめでとうアルー!」
「俺もいるんだけど……」
よく見ると万事屋の銀時、神楽、新八に、後から月詠も加わっていた。
「銀さんおめでとー、あれ? 彼女?」
「いやちげーよ、彼女とかじゃないしー」
グサッ!
直後、銀さんが倒れた、その背中にくないが刺さっている。
くないを投げた本人の月詠が挨拶した。
「わっちは銀時の友人の月詠じゃ、よろしく」
そこに今度は松野家の六つ子がぞろぞろ入ってきた。
「おっ、銀さんの死体だ!」
おそ松がそう言うと十四松が
「額に肉って書こうか」
すると、いつからいたのか渚カヲルが十四松にマジックをそっと渡す。
十四松は銀時の額に「肉」と書いた。
そんな二人をよそにチョロ松が
「はじめまして、そしておめでとうございます。
喫茶リコリコって実在したんですね」
「ああ、バカボンのパパから聞いてた六つ子さんね」
と千束が返すとトド松も調子よく
「おめでとうございます千束さん、よろしくー」
とチェキーしながら挨拶をする
千束も
「よろしくー」
とチェキーを返す
その後ろでおそ松と銀時が喧嘩を始めたが、お客さんはどんどん増える。
巴マミとなぎさ、まどかとほむらもやってきた。
「マミさん、まどかちゃん、ほむらちゃんと……」
「なぎさです!」
初お目見えの新人魔法少女に千束は
「なぎさちゃん、明けましておめでとー!」
と挨拶で返した。
臼と杵が用意され、ミズキが蒸した餅米を持ってきてくれた。トシちゃんが杵を振り上げる……グキョ!トシちゃんが一瞬、老人のように崩れる。
「腰が……」
みんなが驚愕するが、トシちゃんは何事もなかったように勢いよく餅をつき始めた。
テンションの高い餅つきが続く。
「ところでこなたちゃんたちは?」
千束にほむらが答えた。
「あの年越しのあと、三人で正月中アニメを見るって……」
「期待を裏切らない連中だな……」
と銀さんはおそ松をヘッドロックしながら言った。
餅つきは途中で人が変わった。
神楽が臼が壊れそうな勢いでつき、
月詠がつき、おそ松がついた。
「私もついてみようかしら」
マミも杵を握り、力強くつく。マミがカウンターに戻ると、なぎさが心配そうに言った。
「あの餅おかしいです」
「えっ」
「餅に顔が……」
「そんな馬鹿な……きんどーさんがいない……」
「お餅できましたよー」
トシちゃんがお餅を台に置いた。
ところが台に置かれた餅が、ゆっくりと起き上がった。
「私餅じゃないわよ!」
千束もたきなも目が点になった。
みんながついていた餅は、きんどーさんだったのだ。
「やっぱり……」
というなぎさに、マミは
「嘘……」
と漏らす
おそ松がきんどーさんに
「餅はどうしたんだよ!」
というと「食べたわよ!」
チュン!
たきなの銃の弾丸が、きんどーさんの足元をかすった。
「ヒィッ!」
トシちゃんも呆れる
「きんどーさんどうするんですか…」
「どうするもこうするも、お餅は私のお腹の中よ!」
ウヒョヒョヒョと笑うきんどーさんの顔の横を弾丸がかすった。
「ヒィッ!」
みんながざわつくが、裏からカヲルが現れ、別の餅を持ってきた。
「ミカさんがこんなこともあろうかと、餅つき機で作っていたのさ」
「まあ、お餅はあるから……きんどーさんには後で説教するとして……」
千束は呆れ果てた。
餅がある以上リコリコ総出でお餅を伸ばし切られる。
店内には磯辺巻き、餡ころ餅、きな粉餅が並び、みんなに興された。
こなたの部屋 ―― 正月休み
ほむらからのメールを見て、まひろが呟いた。
「喫茶リコリコのお餅美味しそう」
「飯テロだね」
と言いながらこなたが視線を移すと、長門有希とパタリロが部屋にいる。
「お蕎麦やさんの支払いで、六文銭を一枚づつ数えて…今何時だいと聞く…」
パタリロの講釈を長門は興味深く聞く。
その様子を見てこなたは尋ねた。
「パタちゃん…なんで有希ちゃんに落語教えてるのさ」
「こいつもそろそろ新しい芸をだな…」
「またか…有希ちゃんにギャグ教えるの流行ってるの?、長門有希の時そばとかいうラノベが出ても困るでしょ」
「その時には僕が育てましたと帯に寄稿する、ところで本題だ」
「別にこの話は正月でなくてもよかったんだけど」
「早い方がいいと思って来たんだぞ」
パタリロに続いて長門が口を開いた。
「こなたの魔法少女をソウルジェムの効果と関係なく変身させられるか……というのは不可能ではない。
ただ短時間に留まる上に肉体の損壊からの回復などは無理だ」
そこにパタリロが
「待て待て、仮に兵装をつくるとして使う人を守るようにつくるのであって、ぶっ壊れても戻るとかは論外だ」
「まあ、ヒーローは活動限界があるから3分持続すればいいんじゃないかな」
とオタクらしい見解をこなたは述べ、更に
「このままソウルジェムの濁りを補正しながら戦っていたら追い付かなくなるよ……」
そう、こなたは魔法少女のシステムはほぼ魔女化への自滅を前提にしているように思えた。
であるならば、それを阻止することはできないのかと考えたのだ。
こなたの改善案をパタリロは具体的にまとめあげた。
「魔法少女をソウルジェムの消耗と別にエネルギーを供給して変身させて、フィールドで本体も保護するアイテム」
「それは作れるのか?」
長門自身が強制的にそういう風に魔法少女の体を変身できるようにすることは可能だが、そのシステムを携帯可能なデバイスにできるのかは見当がつかなかった。
「まあ、試作してみよう」
というパタリロにまひろが尋ねた。
「それがあれば、ほむらちゃんたちが消耗しないで戦えるの?」
「出来てみなきゃわからん」
「今何時でぃ」
みんなが振り返った、長門が呟いたのだ。
「この言葉も出すタイミングで事態が変わる…可能性未来にかけるのは、悪くない」
智子がポテチとコーラをもって入ってきたら、パタリロがポテチを奪って食べてしまった。
「あ……」
「ちょっと、うちのポテチ!」
とこなたが言うと
「何を言おうがポテチは僕のお腹の中だ」
長門が袋からポテチを出した
「これをみんなで食べるといい」
パタリロの手が伸びたが動けない
「こんなところで能力を使わなくても…」
「じゃあ、有希ちゃんのポテチいただこうか」
こなたがそういうと三人でポテチをつまみながら、だらだらした正月が始まった。
