ひどいアニパロ大戦 恋人の証
日滝原の公園のベンチで、まどかは小さな箱を手に持っていた。中には、昭和のカップルがよくつけていたような、割れたハートのペンダント。二つを合わせると完璧なハートになる、あのタイプだ。
「ほむらちゃんとつけてくださいって……カヲル君から届いたの」
こなたは箱を覗き込み
「センスが昭和過ぎる……ダサいというか……」
まひろも辛辣な意見をのべた
「カヲルくん、シンジと良い仲になったら、碇くんにこれをあげよう、とかやるつもりだったのかな」
「最後のシ者がそれやったらひくわー」
「でも、エヴァって昔の歌よくながれていたよね、相応じゃない?」
という智子に
「いやあ『さよならジュピター』なんかだれも知らねえよ」
といってこなたはこう続けた
「ほむらちゃんにあげてみる?」
まどかは神妙な面持ちになるが、そこへ杏子がやってきた。
「じゃあ、それをあげるところを撮影して、ほむらがドン引きしたら『ドッキリカメラ』の看板だすんだよ」
「杏子ちゃんもベタベタに昭和だね……」
こなたもどうかなあという感じだが、智子が
「でも、面白そう。思い出になるよ」
「なるかなあ……」
まどかは乗り気ではないが一大プロジェクトがスタートした。
しばらくあとのこと、
みんなは木陰に隠れ、まひろがスマホを構えて待機。
まどかはほむらを呼び出した。
「ほむらちゃん……これ」
ほむらは箱を開け、ペンダントを見た瞬間、瞳を潤ませた。
「……ありがとう……一生大事にするから」
ほむらは泣いていた、涙をぽろぽろこぼしながら、自分の首にペンダントをかけ、まどかの分もそっとつけてあげた。
隠れているみんなは固まった。
「全然想定した反応じゃない……」
スマホのカメラを構えるまひろは驚く
「看板もって出れない……」
智子も狼狽する
「だれだよドン引きって言ったの」
「杏子ちゃんでしょ」
杏子の責任転嫁をこなたが咎めるが反応で茂みもガサガサいっている。
ほむらは何度も二つのペンダントを合わせてハートを作り、小さな声で喜びを繰り返す。
「まどか……見て……ハート……」
まどかは目で助けを呼んだ。
仕方なく、こなたが木陰から出て行った。
「ほむらちゃん……」
ほむらはこなたにもペンダントを見せ、嬉しそうに笑う。
「見て、泉さん……ハートになるの」
こなたはさりげなく手で✕を作った。
茂みの奥でまひろは呟いた
「ほむらちゃん時々ボケやるから……」
「確かに……」
杏子も同意するが
「ほむらちゃんが幸せなら良いんじゃないかな」
と、智子が達観するようにいうが、実際それはいちばん無難なまとめになった。
まどかはほむらの喜ぶ顔を見て、静かに微笑んだ。
「……まあ、これでいいよね」
ペンダントのハートが、二人の首元で小さく光った。
