ひどいアニパロ大戦 未完のローズジェネレーター
マリネラ王宮
元日に泉こなたが頼んだ魔法少女支援アイテムが音沙汰がないので、黒木智子と共に顔を出してみた。
「ごめんくださーい」
「パタちゃん、いないわよ」
そこにはミンキーモモがいた。
「うわっ、モモちゃん」
「ハローエブリバディ」
こなたと智子はぎこちなく返した
「はろーえぶりばでぃ…」
「えぶりばで…」
「ああ、モモちゃんパタちゃんに頼んだ魔法少女のやつ…」
「あれまだ未完成よ」
そうこうしていると、へボットも出てきた。
「パタリロは逃げたヘボ」
こなたと智子は顔を合わせた
「逃げたって…」
「原稿落とした漫画家かよ」
「魔夜先生は『パタリロ!』の原稿落としたことないのに…」
モモが言った
「とりあえず朝ごはんでも食べたら?」
気付くと小さなキッチンにホットケーキの元とワッフルメーカーがある。
こなたはつい聞いてしまった
「モモちゃん住み込みなの?」
「そう言うわけじゃないけど、たまに泊まるから」
へボットが言った
「あいつケチだから自炊するヘボ」
智子が
「そういえば、タマネギ部隊も食費削られてたっけ」
そこにまひろが来た
「どうしたの?」
「朝食食べようって」
「?」
パタリロは王宮内の工作室にいた。
「やれやれ…色々考えてみたがどうも上手くいかん…取りあえずロンドンにでも逃げるか…久々に転送機使おう…おや」
「すごいですわ…本物の物質転送機初めて見ましたわ」
「がらくたも凄いな…」
「お前ら誰だぁ!」
少女たちは臆面もなく言い訳をした
「マリネラ王宮に迷い込んだ小学生です」
「道がわからなくなったんだ」
だが、その手慣れた言い訳から常習であろうことが伺えた。
一方、こなたたちがワッフル焼いて食べていると外が騒がしい。
タマネギ部隊の声が漏れ聞こえてくる。
「侵入者だ…」
「女の子が二人…」
こなたたちが見に行くと、パタリロとタマネギ部隊に包囲された灯火とねむがいた。
「あ…灯火ちゃんとねむちゃん」
「あ…こなたお姉さん」
「こなたお姉さま」
「え…」
こなたも二人が明確に媚びを売るのが気味が悪い
「やっぱり、お前ら魔法少女か!」
「パタちゃん、この二人どこにいた?」
「工作室で僕の発明品を物色してたんだ!」
「ジェットジャガーの時と一緒じゃん…」
モモが口を挟んだ
「ちょっと待って、この子達パタちゃんの作ったものが解るの?」
へボットも
「ぶっちゃけヘボもなんだか解らないヘボ」
まひろが言った
「この子達天才だから、二人揃えばパタリロと同じくらいなんじゃないかな」
智子が
「ねむちゃんが文系で灯火ちゃんは理系」
へボットが
「パタリロの半分ヘボ?」
というが、こなたは
「いやあ十人束ねてもパタリロには普通追い付かないでしょ」
それを聞いたパタリロがなにか閃いたようだ。
「あー、灯火とねむちゃんだか…試験的に作ったものがあるから見るかな?…見たいよな」
パタリロが先ほどモモたちがいた部屋に灯火たちを連れてきた。
モモが2人にワッフルを出してる。
「君たちは魔法少女だったな…」
パタリロは薔薇の紋章がついたネクタイピンのようなものを出した。
「これはローズジェネレーター、泉こなたに頼まれて試作した魔法少女をソウルジェムを介さないで変身させるアイテムだ」
灯火とねむは驚いた
そして、こなたの方に視線が向いた
「これを…こなたが…」
「実現すれば画期的だ」
こなたも照れながら
「いやあ…ソウルジェムが濁るのも大変だろうし」
まひろも
「これができればみんな楽になるんじゃないかな」
二人の尊敬の念はこなたたちに向いていた。
想定外の状況にパタリロが口を挟んだ、
「まてぃ、これを作ったのは僕だぞ!」
「でも、未完成だって」
こなたがそう言うと早速ねむが胸に付けて色々試す。
薔薇のエンブレムに見える部分がマイクロマシンで起動しているようではあるが…
「効果がないな」
「ぬか喜びでしたわ」
モモも
「私も試したけど…全然だめ」
「君も魔法少女か」
「…あ…一応」
一応どころか大ベテランなのだが、そこは空気を読んだ。
そこで、こなたがローズジェネレーターを着けてみた
「バルイーグル!」
すると、こなたは鷹のエンブレムの赤いヒーローに変身した。
一同驚く
智子もこなたからローズジェネレーターを受け取ってみた
「バルシャーク!」
智子は鮫のエンブレムの青いヒーローに変身した。
今度はまひろが
「バルパンサー!」
まひろは豹のエンブレムの黄色いヒーローに変身した。
「太陽戦隊サンバルカン!」
三人はヒーローのポーズを決めていた。
パチパチパチ…
なぜだか上がる拍手。
だが、その隙に灯火がそれを見て、ローズジェネレーターを奪って逃げた。
ねむも一緒に逃げて、空間に二人は消えた。
パタリロが
「うわああああ!僕の発明品がぁ奪われたあああああ」
そこに長門有希が来た。
「いま、マギウスが空間に消えたな」
バルイーグルのこなたが
「パタリロが作った支援アイテムがとられたんだ」
「僕の発明品があああ、僕の苦労が…」
「わざと盗ませたんでしょ」
モモに指摘される
「ああ…マギウスに完成させて、あとから回収するの?」
まひろが気づいた。
「でも、私たちが変身しなかったら、取らなかったかもね」
というこなたにモモが
「そうかもね、変身を成功させたのこなたちゃんが初めてだから」
智子がバルシャークになった自身をみて
「ひょっとして、これで戦える?」
パタリロは智子のマスクをこんこん叩いて
「これ自体はただのコスプレと変わらんぞ」
まひろもバルパンサーのスーツを見て
「じゃあこれ、ただのジャージなんだ」
「でも、試作品が取られたらこの変身も検証できないねえ」
とこなたがいうと
パタリロが
「いや、ローズジェネレーターはまだまだあるんだ、まああいつらがもっていった奴は後から回収して…」
長門が言った
「マギウスは完成と共に量産化するかもしれない、時空移動機も既に自分達で作っているんじゃないか」
「え…」
「マギウスから量産型を融通してもらった方が早くない?」
とこなたがいうと
「もうパタリロいらないヘボ」
「え…」
「発明パタちゃんの看板ももう…」
「え」
パタリロは黙り込んで、翌日「遠くへ行きます」の書き置きを残して姿を消した。
みんなはよくあることだと気にも留めなかった。
一方
ねむと灯火は本部の自分たちの部屋で持ち帰ったローズジェネレーターを見ていた
「普通の人間のこなたたちが変身できたなら…微調整で使えるようになりますわ…」
「魔法少女でなくても変身できるなら…普通の人間か…」
「私たちは普通ではなくなりましたね」
「ああ…この命はもう普通ではない」
そう言って、ねむは自分のソウルジェムを見た
「考えてみたら、僕たちの光もモグラからもらったものだな…」
「そうですわね…」
「…そういえば、こなたはソウルジェムのことを気にしていたな…」
「彼女は本当に私たちと一緒に終わりのない迷路に飛び込む気なのかしら…」
「…僕たちはすくなくとも彼女が健在であることに安堵した」
「そうですわね」
そこに、みふゆが飛び込んできた。
「例のパスワードでようやく侵入できました」
別の部屋のマギウスのPCをみふゆが灯火とねむに見せた。
「アリナがアクセスした、ネットワークです」
そう、アリナ・グレイはマギウスを去る前にネットにアクセスした形跡があり、不可解に思ったが、途中から追跡できなくなった。
灯火とねむですらたどり着けなかったが
みふゆが言った
「言われた通り、アーキタイプの物理構造をテキスト化して入力して開いたんですが、入力に3日かかりました」
灯火はある推測を口にした。
「アリナのキューブは私たちが怪獣の世界で見つけたアーキタイプと酷似するから、アリナは魔法でキューブをPCにスキャンさせて侵入したとのだ思うわ」
みふゆは呆れた
「力業過ぎます…」
灯火は未知のネットワークを画面を通してみている。
ねむは
「君の予想通りか?」
「このネットワークはさまざまな平行世界と繋がっていて…」
みふゆは灯火の想像を越える話に身構えた
「というより、世界そのものを演算回路にしているんじゃないかしら」
「そんなものはあの怪獣の世界にしかないんじゃないか」
「何らかの形でアーキタイプを基盤にしたスパコンがあっちにあるのだと思うわ」
みふゆが頭を絞って聞いた
「アリナはひょっとして、ここから異世界のテロリストに繋がった…」
ねむが答えた
「間違いない」
「とは言え、平行世界を俯瞰できるのは都合がいいのですわ」
「泉こなたが繋いだ世界もかなりあるんだろうな。
考えてみたらこなたは不可解だ、外の世界の人間というだけであのときも怪獣を退けたじゃないか、変身出来たのも…」
「泉こなたと黒木智子、緒山まひろの三人は自覚がない異能者ですわ、世界をどんどん変えていく」
灯火とねむは再び部屋に戻った。
ローズジェネレーターを見てねむは言った
「彼女たちの秘めたる未知を信じて、僕たちが助けを求めてみるか?」
「『世界を変える力』に縋るのも無意味ではないのかもしれませんわね」
