2026年相場の主役はフィジカルAI 人手不足時代に伸びる注目テーマと2銘柄
いきなり加速する日本株相場。2026年に注目したい「フィジカルAI」というテーマ
2026年に入ってからの日本株市場は、年初から驚くほどの盛り上がりを見せている。
日経平均株価は大発会から大きく上昇し、節目となる5万円を突破。TOPIXも連日で高値を更新し、市場全体に強い資金流入が見られる状況だ。
長く株式市場を見てきた投資家ほど、「さすがに上がりすぎでは?」と感じているかもしれない。一方で、金利上昇やインフレ定着を背景に、これまでとは違う相場環境に入ったと捉える向きも多い。
こうした中で重要なのは、
「相場が上がっている理由=どのテーマに資金が集まっているのか」
を見極めることだ。
2026年相場で注目されているテーマのひとつが、フィジカルAIである。
フィジカルAIとは何か?生成AIとの違い
AIと聞くと、ChatGPTのような文章生成や画像生成を思い浮かべる人が多いだろう。
それらはいわゆる「生成AI」で、デジタル空間の中で価値を生み出す技術だ。
一方、フィジカルAIは少し性質が異なる。
産業用ロボット
自動運転車
建設・物流・鉱山機械
医療・介護ロボット
など、現実世界(フィジカル空間)で自律的に動くAIを指す。
日本は慢性的な人手不足に直面しており、労働力を補完する技術への需要は今後さらに高まる。
この点で、フィジカルAIは日本社会との相性が非常に良いテーマだと言える。
特に注目されているのが、自動車分野を中心としたフィジカルAIの進化である。
自動運転・EVがもたらす変化
自動車は、フィジカルAIが最も分かりやすく実装される分野のひとつだ。
近年は、車載OSの進化やセンサー技術の向上により、クルマ自体が「走るコンピューター」へと変貌している。
自動運転技術はすでに高速道路など限定条件下では実用段階に入りつつあるが、
今後の普及には、
センサーの高精度化
AIによる判断精度の向上
法制度やインフラの整備
が欠かせない。
この流れの中で、フィジカルAIを支える企業が再評価され始めている。
注目銘柄① ソニー(6758)|エンタメ企業の顔を持つ技術中核企業
フィジカルAI関連でまず注目したいのが、ソニーだ。
ソニーというと、ゲームや音楽、映画といったエンターテインメント企業のイメージが強い。しかし実際には、イメージセンサーを中心としたデバイス事業が、同社の技術的な屋台骨となっている。
自動運転や先進運転支援システム(ADAS)では、
「クルマの目」となるカメラやセンサーの性能が極めて重要だ。
ソニーのCMOSイメージセンサーは、スマートフォン向けだけでなく、車載用途でも高い評価を受けている。
さらに、ソニーはEV分野にも踏み込み、米国で自動運転EV「AFEELA(アフィーラ)」の発売を予定している。条件付き自動運転(レベル3)を視野に入れた設計であり、フィジカルAIの実証フィールドとしても注目される存在だ。
業績面を見ると、2026年3月期は増収増益基調が続いており、通期予想も上方修正された。
株価はすでに一定の評価を受けているものの、フィジカルAIという中長期テーマを考えれば、押し目での注目余地は残されているだろう。
注目銘柄② 京セラ(6971)|地味だが本命になり得るセンサー企業
もうひとつ注目したいのが、京セラだ。
電子部品大手として知られる同社は、近年、高性能センサー分野に力を入れている。
特に、鉱山機械や産業機械の自動運転向けセンサー技術は、フィジカルAIの進展と強く結びつく分野だ。
フィジカルAIの世界では、
過酷な環境でも正確に動作すること
長期間の耐久性
安定した品質
が求められる。
この点で、素材・部品技術に強みを持つ京セラの存在感は大きい。
足元の業績も回復基調にあり、自動車向けカメラやデータセンター関連が好調だ。
株価は上昇してきているものの、PBRは依然として1倍を下回っており、評価余地を残している。
派手さはないが、フィジカルAIという長期テーマを考えるなら、
「堅実に拾われる銘柄」として注目に値する。
2026年相場をどう捉えるか
2026年の株式市場は、インフレ・金利上昇・技術革新という複数の要因が絡み合う、非常に難しい相場になりそうだ。
その中で重要なのは、
短期の値動きに一喜一憂するのではなく、どのテーマが社会構造の変化と結びついているかを見ることだろう。
フィジカルAIは、
人手不足
高齢化
生産性向上
安全性の向上
といった、日本が直面する課題を解決する可能性を秘めたテーマだ。
相場が過熱気味に見える今だからこそ、
テーマの本質を理解し、腰を据えて向き合う姿勢が求められている。
2026年相場の波に乗るためのヒントは、
すでに「フィジカルAI」という形で、静かに示されているのかもしれない。

