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「先のことは考えない、今が大事」に隠された脳の罠

先日
「将来のことを考えて不安になるより、今この瞬間を大切にしよう」
「先のことは考えず、自然の流れに身を任せるのが一番」
といった記事を目にしました。 

これはストレスを抱えた忙しい現代人の心に深く染み渡る言葉ですね。
実際に心が軽くなった経験がある方も多いのではないでしょうか。

でももし
「独立して好きなことをして食べていきたい」
「人や動物を助ける活動団体を立ち上げたい」
など、現状を変えたいという願望があるなら話は別です。
ただ盲目的に今を生き、流れに身を任せるだけでは、人生は現状維持のまま特に進歩もない未来に行く可能性が高くなってしまいます。

ではなぜ、今を楽しみ、将来の不安から解放されることが、自分の進歩を止めてしまうのか。

その理由を、脳科学の視点からお伝えしたいと思います。

その鍵を握るのが、脳の仕分けシステムである
RAS(ラス)です。


1. なぜ「今を生きる」は支持されるのか?

まず、なぜこの生き方がこれほど支持され、救いになるのかを整理します。

理由はシンプルで、脳のエネルギー消費を抑え、一時的な最強の精神安定剤として機能するからです。

私たちの脳は、まだ見ぬ未来への不安や、過去の失敗への後悔といった「情報空間のゴミ」で常にパンク寸前です。
「未来を見なくていい、今だけでいい」というメッセージは、こうした過剰な情報処理をストップさせ、脳をリラックスさせてくれます。

つまり、不安から解放されてホッとするからこそ、多くの人に支持されているのです。これ自体は、メンタルヘルスにおいて非常に有効なアプローチです。

2. 認知科学(RAS)から見た「流れに身を任せる」の致命的な問題点


ここからが本題です。
癒やしにはなっても、人生を変えたい、願いを叶えたいという場面においては、これはブレーキにもなってしまいます。

人間の脳には、RAS(網様体賦活系)という情報フィルターが備わっています。
脳がパンクしないよう、世界の99.9%以上の情報を勝手に捨て、
自分にとって重要な0.1%の情報だけを脳内に映し出す仕組みです。

街を歩いていても私は珍しい外車や動物たちが目に入りますが、子供のいる友人は同年代のお子さんを見ているし、消防士の友人は消防設備を、設計士の友人はマンションやビルの設計を見て歩いています。

誰一人として、同じ世界を見ていません。


ここで重要なのは、RASが何を「重要」とみなすかの基準は、すべて自分の過去の記憶や信念(思い込み)だという点です。

明確な未来のゴールを設定せずに、ただ「今ここ」や「やってくる流れ」に身を任せた場合、脳の中では次のようなことが起こります。

① 過去の延長線上の情報しか見えなくなる
理想の未来(目的地)がないため、RASは過去のデータをもとに情報を仕分け続けます。
結果として、世界にどれだけ新しいチャンスや出会いが溢れていても、それらをすべて「不要な情報」としてゴミ箱に捨ててしまいます。

② 心地よい現状維持から抜け出せない
脳には、今の状態を維持しようとするホメオスタシス(恒常性)が働いています。 ゴールがない状態での「心地よい流れ」とは、脳にとって一番エネルギーを使わない、慣れ親しんだいつもの現状(コンフォートゾーン)に他なりません。

つまり、未来を見ないまま流れに身を任せるのは、前に進んでいるようでいて、実際は過去の記憶で作られたレールの上をただグルグルと回り続けているだけ(強制的な現状維持)になってしまうのです。


3. 現状を打破するゴール設定と「今」の融合


人生をダイナミックに変えていくためには、未来のゴールと今現在の2つを正しく融合させる必要があります。

新しい道を切り拓く2つのステップ
ステップ1:現状の外側にゴール(未来)を設定する
まずはここから。
今の自分には到底無理だと思えるようなゴールを設定します。
わからなければ理想の世界にいる未来の自分を意図するだけでも大丈夫です。
目的地が決まると、脳のRASの基準が過去から未来へと切り替わり、今まで見落としていたチャンスや情報が、量子が物質化するように次々と自分の世界に現れ始めます。

ステップ2:やってきた流れに乗り、今ここに没頭する
ここからが行動のフェーズです。
未来のゴールで夢がすでに叶っている状態を前提とするからこそ、設定したゴールのあとにやってくる流れに乗り、チャンスに直感で飛び込めるようになります。

情報空間でゴールを設定するということは、私たちは「すでにそこに向かって進んでいるプロセスの中にいる」ということです。

もし自分のゴールが「最高に幸せな未来」であるなら、そこに向かって進んでいる「今この瞬間」も、すでに幸せなプロセスの一部に他なりません。

ここが本当に見落とされがちなポイントなんですが、
本来ならゴールを設定した上で、味合わなくていいはずの不安や苦しみを、自ら深く抱え込んでしまっている方が多いのです。
これでは目の前の現実という「低い抽象度(目の前の狭い視野)」に縛られたままになり、ゴール(未来の自分)へのホメオスタシス同調も起こりません。
現状から這い上がるエネルギーもわかなくなります。

情報空間でゴールを設定するということは、私たちは「すでにそこに向かって進んでいるプロセスの中にいる」ということです。
もし自分のゴールが「最高に幸せな未来」であるなら、そこに向かって進んでいる「今この瞬間」も、すでに幸せなプロセスの一部に他なりません。 

だからこそ、今何があっても「これはゴールのための出来事だ」と捉えて心地よく過ごす。
これこそが、本質的に「今を大切に、心地よく過ごす」ということです。

自分の脳は、どこに向かっていますか?


「将来のことはわからない、今を生きることに集中しなさい」
という言葉は、疲れた心を癒やすためには良い薬です。
でも、ゴールがないまま流されるだけでは、過去のデータで動くRASに支配された、現状維持の未来へと回収されてしまいます。

私たちが実践している「現代気功」も、現状を変えたいからこそ行う技術です。
だから気功技術を行う際にもゴール設定は必須であり、むしろ「それがすべて」と言っても過言ではありません。

そしてこのゴールの臨場感が強ければ強いほど、物理空間の書き換え(現実の変化)も圧倒的に早くなります。

未来のゴールを設定したその瞬間から、私たちのRASは未来へと繋がるまったく新しい景色を映し出し始めます。

なぜなら、脳のホメオスタシスが、過去ではなく「未来のゴール側の世界」と同調し始めるからです。


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