見出し画像

下半期イチ落ち込んだ|立ち上がれずに泣いた日|思いもしない結末へ

*この記事の文字数:約2800文字*
鍵がない。
いつもと同じ時間に、家を出て出勤しようとしたら、鍵がない。
なんで・・

昨晩のことを思い出す。
バスケの練習から自宅へ戻り、先に長男を玄関先で下ろす。
長男が鍵を開けたはず。
元に戻さない悪癖がまた出たのだと直感した。

玄関からリビングにかけてソファーの下も這いつくばって鍵を探す。
長男が座った椅子、ダイニングテーブルに目をうつすも見つからず。

きっとないとは思った。
けれど、バスケ用のバッグを確認せずにはいられなかった。
中身をひっくり返す。

すると、空になったペットボトルが3つ
使用済みのタオルが3枚
汗をかいた昨日のTシャツ。
いつ行ったか忘れてしまった遠征の移動着が出てきた。

鍵を探す焦りの心に、別の角度からの苛立ちが重なる。

そうして探していくうち、見つけてしまったあるものに、わたしは膝から崩れた。

それは、数ヶ月前の返したはずのチームのビブス(ゼッケンのこと)。
当時、自分のビブスを練習に忘れ、チームのものを借りたは良いが、返却するのを忘れていた長男。
その時も、きっちり叱って、「コーチに謝ってから返してね」とジップロックに入れて渡したはずのビブス。
返したと聞いていたのに今、リュックから出てきた。

鍵を探していたはずなのに、心は情けなさと怒りでいっぱいになる。
もぉぉっと大きな声も出る。
しかしまだ鍵は出てこない。

3階の長男の部屋に、ためらうことなく入る。
長男の部屋には「絶対に入るな」と手書きで書いてある。
知ったことではない。

部屋を開けると同時に目を覆いたくなるような荒れ果てた部屋。

そして、また、見つけてしまった。

学校から支給される給食当番のエプロン。

日曜日に洗濯してきれいに畳んで渡した。
次の人が着るように、月曜日に持って行ったはず。
今日はもう木曜日。
なぜ床に落ちているのだろう。
今週使う予定だった人は何を来たんだろう。
長男は何も思わないのか。

あぁ、ただ鍵を探していただけなのに。
悲しい。
涙が出る。
"人に迷惑をかけたらあかん"と、わたしはこれまで伝えて来たつもりだったのに。

ドアの「絶対入るな」を引きちぎってぐしゃぐしゃ丸めて部屋に投げつけた。

探しはじめて約20分。
全く出てくる気配がない。
しかし、仕事に行かねばならない。

もう覚悟を決めて、中学校へ鍵をとりに行きたいと電話をした。
教頭先生が快く対応してくださった。
家を出る時、鍵をかけずに出ることには抵抗があったが、仕方がない。
そうして、乗り込もうと開けた車の運転席。

まさか。

よく使い込まれた赤のレザーのタッセルがついた、なじみのある鍵が運転席のドアから見つかった。
わたしの鍵だ。

昨日、わたしは長男に鍵を渡さなかったらしいという事実が唐突に現れた。

わたしは何も思い出せない。
わたしの脳はどうなっているんだろうか。
半ばパニックで、とりあえず学校へ連絡し、鍵があった旨を伝える。
申し訳ないとひたすら謝る。

わたしは一旦ソファに腰掛けた。
放心状態になり、しばらく立ち上がれなかった。
自分の行動にも呆れた。

でも、やはり人様に迷惑をかけた2点だけはどうしても許せなかった。

思い出し、情けなくて、また泣いた。

しばらくメソメソして、心を整えた後
職場へむかった。
向かう場所がある事はありがたい。

職場では、20代女子、同じ年代の母、孫のある人もそれぞれ話を聞き、慰めてくれた。

"そんなこともあるよ、かわいいやん"と言ってくれたことで、長男が半ば軽犯罪で捕まったくらいに落ち込んでいたけれど、たいしたことじゃない、また気を取り直して話をしようというメンタルまで持ち直した事に、感謝しかない。

長い1日、帰宅すると、わたしがリビングにひっくり返したバッグの中身は綺麗になくなっていた。
洗い物はカゴに入れられ、ゴミも捨ててあった。

おそらく、長男が現場をみて、ヤバイと思ったんだろうと推測できた。

わたしは腹を決めて長男をリビングに呼んだ。

話したいことあるから、ちょっと来て、と。
できる限り冷静に話をしよう、話せばきっとわかってくれる。
そう信じて話し始める。

今日の朝、授業中に教頭先生が教室に入って来たやろ?
大丈夫やった?

あれ何やったん?鍵あるか聞かれたけど。

ごめん。
鍵が全然見つからなくて、
仕事行かなあかんし、学校に電話して
鍵をとりにいこうとした。
でも、結局車にあって、大丈夫やったんよ。
びっくりさせてごめんね。

それで俺のバッグも探したんや。

そう。
鍵探してて。
ないやろうなとは思ったんやけど、
全部出した。
そしたら、ゴミと汗かいた服と、
ビブスが出て来た。

お母さん、百歩譲ってどんだけゴミを溜めても
いいけど、お世話になったチームに迷惑かけるのだけは、本当に許せん。
それはしたらあかん。

俺ビブス借りたの先週の金曜日やで。
前に借りたやつはとっくに返してるわ。
いつの話しとんの。

・・え・・

こないだの練習で忘れたから
コーチに貸してもらってん。
洗濯も出してたで。
借りた時ジップロックに入ってたから、
元に戻して返そうと思ってたけど、
今週コーチ練習来られへんから
バッグに入れてた。

!!!!!!

一瞬ひるんだ、ひるみ続けている。
頭が追いつかず
「ほんと?ほんと?」
と何度も聞く。
めんどくさそうに「そうやって言うてるやろ。」と長男。
でもここで追求を終わるわけには行かない。
その時にわたしができた精一杯で、時間を空けずに口を開く。

で、でも、給食のエプロンは学校に持って行かなあかんやろ!
迷惑かけたらあかん!

ああ、月曜に持って行ったんやけど、
給食委員から「今週は使わんから
また来週持って来て」って言われて
一回持って帰って来てん。
さすがに木曜日まで家には置いとかんわ。

っていうか、お母さん、
そういう可能性考えんかったん?

先生、授業始まってるのに2回も
教室まで来てくれて
俺めっちゃ申し訳なかったわ。
一応謝ったけど。
お母さん、人に迷惑かけたらあかんで。


たった一日で、怒りの火山から悲しみの沼、癒しの広場を巡りましたが、わたしのこころの旅は、ようやく終焉を迎えました。

結果として、全てがわたしの一人芝居。
ご迷惑をおかけした方たちに、心から謝罪いたします。
大変申し訳ありませんでした。


最後に、なんとか、
「でも、ゴミはちゃんと捨ててよ」
とかすれ声で伝えましたが、後の祭り。

「どんだけゴミ溜めても良いらしいもんなあ」
とニヤニヤする長男。

話終わったんやったら、
おれ、勉強するわー。
ご飯できたら呼んで。

と、さっさと自分の部屋へ帰って行きました。

わたしはぽつんとリビングに残され、その日2回目となる、"ソファからしばらく立ち上がれない"を経験しました。

一日で、怒って、落ち込んで、泣いて、笑って。
感情が好き勝手に暴れ回った日でした。

状況だけを見て決めつけて、何ひとつ正しくなかった。
今日いちばんの反省です。

でも、息子には、「人に迷惑をかけたらあかん」ということは、ちゃんと伝わっていました。

だからこそ、これからのスローガンはこれ。
「疑うべきは、息子より、まず自分。」


読んでくださり、スキ、コメント、本当にありがとうございました😭

2025.11.17

いいなと思ったら応援しよう!

のぞみん|揺れる乙女、45歳 いただいたチップは、創作活動に使わせていただいております。 その活動をまたnoteにも還元しています。 いつも温かい応援をありがとうございます🤗