人間の本質は、一瞬|知りたくなかったわたしの一面
昼休み、いつものようにお散歩していると、目の前で車を降りる女性がいた。
よく見ると、同期だった。
彼女が5歳くらい上。
わたしが部署異動になってから、同じ建物で働くようになった。
いつも笑顔をたたえながらスマートに仕事して、分からない事はすぐに教えてくれる彼女。
ネイルもヘアスタイルも素敵で、ふんわりいい香りもする。
女性から見ても素敵な女性なのだ。
今日は、家の人に送ってもらったんだなぁ。
そう思うと同時にわたしの下心が……
旦那さんってどんな方なんだろう。
なるべく自然に中をのぞいた。
すると、ちらりと見えた車内には、白のTシャツにサングラスでハンドルを握る男性がいた。
短めの髪で、清潔感と清涼感、若々しさが瞬時に目に入ってきた。
やば。
めっちゃイケメンやん。
やっぱり色気のある人の旦那さんって、こんなんやねんなぁ
うわぁ、素敵。
自営業って聞いてたけど、ナイスカップル過ぎる……
放っておくとどこまでも広がりそうな思考の雲を、どうにかしまってエレベーターに乗り込むと、彼女に遭遇した。

思わず、目撃したご主人について突っ込むわたし。
すると、間髪入れずに、彼女が言う。
「息子やで」
一瞬呆然とした。
だけど、わたしは、ある想いが浮かんでしまった。
止めることなんかできなかった。
全身で感じてしまった。
なんと浅ましいんだろう。
一番に広がった気持ちは
「あぁ、よかった」
だった。
あのイケメンが夫じゃなく、息子と聞いて大いに安心したのだ。
一瞬にして、ねたんでいた。
ねたみ、そねみ、のぞみだ。
口でどんな綺麗事を言っていても、とっさの考えが自分を語る。
そんな卑しい自分に出会うなんて、思ってもみなかった。
比較しなくていい、
人の幸せを喜べる、
わたしはちゃんとしてる。
そう思ってた。
……真逆だった。
思いがけず、光を当てたくなかった自分に出くわしてしまったのだ。
落ち込む。
だけど、これだけは言いたい。
息子でよかった。

いいなと思ったら応援しよう!
いただいたチップは、創作活動に使わせていただいております。
その活動をまたnoteにも還元しています。
いつも温かい応援をありがとうございます🤗