スーパーのそうめんぜんぶ茹でて一番最高の夏をキメる。
夏だ!いまだ!そうめんだ!
初夏、そうめんが旬である。
そうめんが好きだ。
そうめんはいい。とてもいい。
だって、想像してほしい。
ミーン、ミーン、
ミンミンミンミーン……。
夏休み。うだるような気温のなか、せまりくるお昼ごはん。猛暑に溶けていくような体と反比例して、きっちりと時だけを刻む分針……。チクタクチクタク。あー、午前中は魔法のようにすぐ消えていく……。このままツクツクホーシまで逝きそう……。
すべてが、めんどくさい!
しかし!
そんなどんなにダルいときでも、さっと茹でれば涼がくる。それも茹で時間は麺界屈指およそ2分という驚異のスピードで。
爆速で、涼が、くるッ!
アスクルより速い!すぐくる!
救世主や!
出前一丁、へい!めし屋!
お待ち!
茹で上がりをざしざしと流水でシメたら、それだけで完成なのだ。ひと掴み、輝く麺束を持ち上げ、出来合いのつゆにドボン。氷なんか浮かべておいたら、もう天国である。
みかん、バナナ、その次くらいに進化の過程で人類に寄り添った食べやすさと、東京、新宿、渋谷並みに食卓へのアクセスのよさを誇るそうめん。まさに神対応……!!
そして、そうめんは速さだけじゃない。個々の好きな味にカスタムできる柔軟性とこだわりはこだわり切れる懐の深さも持っている。さっぱりも、ときにはこってりごまだれなんてのもいい。
茹で時間、つゆ、薬味。味の変化無限大。かためも柔いも自由自在。かつお、昆布、ねぎ、みょうが、しょうが。刻めば刻むだけ、うれしい。おいしい。アレンジ万歳。
いやぁ、そうめんってすごいよね!まさに、すぐはじめられて奥深い神仕様……。すごい。任天堂のゲームかよ。あの細さに詰まった叡智。至高or究極か???
はやくも猛暑日予報の2025年6月、今年もそうめんを仕入れるべくいそいそと近所のスーパーに向かった。この物価高、お米もお高い今年は登板の回数もさぞ多かろう。頼むぜ、救世主……!!
・
・
・
ふと、乾麺の棚の前でいつものそうめんを手に立ち尽くす。
多くない?いや、多いな。
あらためて見ると、そうめんってこんなに種類があるのか。蕎麦なら割りの違い、うどんなら太さの違いでわかりやすい。でも、そうめんってなにが違うんだろう。だいたいおんなじに見えるけど……!?
……そっか。
俺、そうめんのこと、ぜんぜん知らないや。
トゥンク。
これは……やるしかない。
やらいでか!
最強を求めるのがヒトの性。小学生的発想のままに、気がつけば片っぱしから大量のそうめんをカゴに入れていた。何をするだァーッ!
🍧
🎐
🍉
🎆
というわけで、近所のスーパーでそうめんをたくさん買い込み、ぜんぶ茹でて、あれこれ言いながら食べてみて、最高の夏をキメる一番の相棒探しを決行しました!!!
【やったこと】
・スーパーでそうめんを買う
・ぜんぶ茹でる
※茹で時間・お湯の量など、茹で方はそれぞれのパッケージ記載に従いました
・おいしく食べる!
・あれこれ言い合う!!
・それぞれ最高の夏が決定!!!
【食べた人】
野やぎ:これを書いてる人。パパ。そうめん好き。
シホさん:主婦。ママ。そうめんラブ。
長男くん:長男。小学生。そうめんはふつう。
次男くん:次男。幼稚園児。ラーメンラブすぎて、そうめんはラーメンのニセモノと思っている節があり食べない。これを機に食べてくれるといいな!
海原雄山:日本有数の芸術家。陶芸家であり、日本を代表する美食家でもある。各界の名士のみが入会を許される会員制料亭「美食倶楽部」を主宰。実は山岡士郎の父親。





見つけような、俺たちの最高の夏!
みなのもの、お椀の準備はよいか。
そうめんずるずる夏の陣!!
いざ、出陣じゃ〜〜〜!!!
エントリーNo.1 揖保乃糸


トップバッターは兵庫県手延素麺協同組合の『揖保乃糸』
定番中の定番!枕詞に「やっぱり」がつくのはロッテのトッポと揖保乃糸だけ!!
どのスーパーにもきっとある揖保乃糸から、今年の夏をはじめよう。見慣れた赤帯をほどくとき、ドキがムネムネするぜ……。
入り口をスタンダードにすれば、きっと違いが見えてくるはず……!!
ちなみにつゆは、公平を期すために全国売上No.1のこいつで統一します!

今年もお世話になります!
さっと一束茹でたら、いざ実食。
ずるっ!ずるるーーー!!!
さぁ、それぞれの感想は……
野やぎ:コシがある!スタンダード!
シホさん:ほどよい塩味感じる。ちっちゃい頃から食べてる、一番食べ慣れた味って感じ。
長男くん:つゆと合わせるとめっちゃおいしい!ザの味!
次男くん:ぼくむりー!
そして、あの人は……?
雄山:



雄山もさすがの高評価!
やっぱり定番の王道はうまいぜ!
そして食べない次男、どうなる……!?!?
こんな調子でどんどん茹でていくぞ〜!
+
エントリーNo.2 揖保乃糸 特級品


二番手は株式会社萬藤の『揖保乃糸 特級品』
いつも見かける上級品(赤帯)と違う高級感。使っている小麦粉がより上質なもので、組合が選別した熟練の製造者しかつくれないらしい。なんと……!!
特級品(黒帯)は基本的には贈答品らしいのだけど、お高めのスーパーでときどき小売りも見かけるぞ。今回は成城石井(関東近郊のお高めスーパーの筆頭)でゲット。うれしい!これは食べてみたかった……!!
茹で時間などは上級品といっしょ。
さっそく実食です!
野やぎ:香りが増して、塩味の角がなくなった。うまい……。
シホさん:赤帯より舌触りがなめらか。上品。食べやすくておいしい。薬味でもにゅうめんでもおいしそう。
長男くん:おたかさかんじる!ノーマルよりめんのあじがこくておいしい!
次男くん:しろがこい!ちょっとにおいもちがう。
雄山:


喉越しが気持ちいい感すごいよね。


近づいてきた〜〜〜!!
揖保乃糸には、特級品よりもさらに高み、さらに選び抜かれた数軒しか製造を許されない「三神」というものがあるらしい。なにそれ、ポテンシャルの化け物か???(いつか食べてみたいぞ)
次男くんも食べこそはしなかったが、色と香りまでは近づいてきた!夏はすぐそこだ!!
さあ、次を茹でるぞー!
+
エントリーNo.3 味涼み そうめん


あれだー!!!
三番手は茂野製麺株式会社の『味涼みそうめん』
こ、これは……!
な🤌つ🤌か🤌し🤌い✋
なつかしい!🙏
はぁ〜〜〜……!!!
思わず滝川がクリステルしちゃうくらいの郷愁が召喚された。このピンクとみどりがなつかしいカラーリングゥ!みんな知ってるあれだ!!
あの夏、じいちゃん家で食べたやつだなぁ……。もし食べたことない人も、ふと振り返るほどの色彩、まさに夏色カラーである。この長い長い下り坂をブレーキいっぱい握りしめちゃうね!これは!!
揖保乃糸と比べると少し太めの麺。茹でた感じも、だいぶもったり感が強め。
さあ、どうなる?!
野やぎ:これまでと比べて、めっちゃかみごたえ。
シホさん:弾力があってコシは少なめ。一本が長い!麺と麺がくっつきやすい。かたまり感。見た目が華やか。
長男くん:だんりょくがある!かみごたえ!なんかおもちににてる!
次男くん:ピンク!いろつきおいしい!
雄山:

雄山って、自転車乗れんの?

もち感も食べ応えもつよかった!

遊び心、たいせつ!!
食文化って大きいことに思えるけれど、毎日のおいしいとたのしいの積み重ねなんだな。そうめんにピンクとみどりつけた人、えらい!
そして次男、ついにそうめんをたべる!次男くんはピンクのものが好きなのだけど、やっぱり食卓に彩りって大事なんだな……!!
この調子で、次もどんどんいくぞー!
+
エントリーNo.4 三輪の神糸

開けたら帯は青!

続いては株式会社マル勝髙田商店の『手延べ素麺 三輪の神糸』
日本には三大そうめんがある。揖保乃糸に代表される兵庫県の播州そうめん。そして、これが奈良県の三輪そうめん。少し色味が濃くて、茹でる前からもう細い……!!
意識して食べるのは、たぶんはじめてなのでたのしみー!!果たしてお味は!?!?
いざ、奈良県!
野やぎ:めっちゃ細い!みずみずしくて、喉越し気持ちいい。
シホさん:持った感じパラパラしてる。そうめん自体はさっぱりした感じ。ぷるぷるてゅるてゅるでおいしい。薬味に合いそう。
長男くん:つるつるしてる!おいしい!
次男くん:いろついてない……(リタイア)
雄山:

調べたら1,200年前にそうめんは爆誕したらしい。

舌触りと喉越し気持ちよすぎて、食べ過ぎちゃった。

平安京から愛されるそうめん、すごいぜ!
ぱらり細い糸がほどけるように、歴史も紐解いた三輪そうめん!細いんだけど、しっかりてゅるてゅる感もあって、まさにそうめん食べたいときにぴったりくる……。
最高に夏ってやつだぜ、こいつは……!!
三輪そうめん、おそるべし……!!
+
エントリーNo.5 細造 白絹乃糸

2025年度は全国で10万個限定らしい。

五番手は、田靡製麺株式会社の『細造 白絹乃糸』
ふたたび播州そうめん!
昇り竜がかっこいい豪華パッケージと、名前もかっこよすぎな白絹乃糸。何度も口に出したくなるなめらかな語感、いいよね……!!
茹でた感じ、めちゃくちゃ細いのにみずみずしさがすごい。その細さからか保水力もすごかったぜ!!
その実力やいかに……!??
野やぎ:細いけど、もちもちしてる。
シホさん:細い。淡白系。小麦感が強い。麺の主張少なめ。口に入れた瞬間にほどけてなくなる。薬味といただきたい系!
長男くん:ほっそい!いちばんほそい!もちもちしてる!
次男くん:ピンクがいい!(リタイア)
雄山:

名前かっこいいよね!


そうめんはやっぱり喉越しが命なところあるから、するするいけるかはめっちゃ大事。
白絹乃糸はそこをど真ん中でぶち抜いてくる繊細さが最高。もう、すぐにねぎとみょうがを刻みたい!!薬味プリーズ!!
+
エントリーNo.6 手延 半田めん

みよ、この堂々たる太さ。そうめんか!?

そうめんか、これは!?!?
お次は少し趣きが変わって、小野製麺有限会社の『阿波特産 手延半田めん』
もう見た目からしてさ、ほら……
これ、うどんじゃない?
ここまで細さが際立ってきたそうめん界に激震!逆張りの半田めん!これは想像つかないぞ……。
ええい、ままよ!
食べてみよ!!いざ!!!
野やぎ:太い!塩味がすごい!これまでになかったタイプ……!
シホさん:太い!でもひやむぎとも違う。もっちもちしてて、コシがすごくて、食べ応えがある。肉系とか、濃いめのつゆにめっちゃ合いそう。
長男くん:ふとい!うどんみたい!たべごたえすごい!
次男くん:……(リタイア)
雄山:

これでそうめんを名乗る気概、たのしみだね!

黄金の風が吹いたッッッ!!

これはぜったいに温かい汁に合うやつ!!!

たしかに「そうめん」なのすごい。
もうね、そうどん!
そうどんです、これは!!
たしかに太いんだけど、うどんともひやむぎとも明らかに違う食感。これは新しい〜〜〜!でも、一口すするとたしかにそうめんなんだよな……。なにこれー!今まで食べてこなかったの悔しいくらいおいしいぜ……!!
そうめん、まだこんな世界があったのか……。
奥が深いぞ……!!
+
エントリーNo.7 小豆島手延素麺


ラストは、株式会社讃岐物産の『小豆島手延素麺』
日本三大そうめんの残りひとつ。播州そうめん、三輪そうめん、そして小豆島そうめんだ。
その名の通り小豆島でつくられるそうめん。茹でたときから独特の香りが立ち上ってきて、もうおいしそう……。ぐむう、食欲そそる〜〜〜!!!
さっと冷水でしめたら、色味もちょっと黄金色に!
もう待ち切れない!いただきます!!
野やぎ:香りがある。おいしい塩味。
シホさん:揖保乃糸より太め。独特の風味。盛岡冷麺っぽい。ずっと噛んでた。おいしい。
長男くん:だんりょくおさえめ!あじがちょうどいい!
次男くん:おわったー?(リタイア)
雄山:

オリーブオイルなのかな……!?

この食べ応えはクセになる。

三大そうめんで一番の個性派だよね!

雄山、さっきから温かい汁推してくるけど、
もしかしてからだ冷えた?大丈夫そ?

雄山さ、小豆島好きだね!愛が深いぜ!
麺一本とってもその土地の風土を味わえる小豆島そうめん。食感も風味も独特で、うまうまでした……。雄山じゃないけど、これは温かい汁でも食べたい!
さあ、いよいよ出揃ったそうめん7。
これにて茹で終わり!
お腹いっぱいだ〜〜〜!!!
+
それぞれに最高の夏が訪れた!……果たしてみんなの一番は……!?

すべてのエントリーを終え、すっかりパンパンのお腹をさすりながら、それぞれの最高の夏の相棒を決めていきます。
やる前は「そうめんの違い、わかるかな?」と思っていたけれど、食べ比べてみるとそれぞれに特色があってびっくり!めっちゃたのしかったな!!
さあ、それぞれの一位は……
一気に発表です!
揖保乃糸(野やぎ・シホさん)!!
半田めん(長男くん)!!
味涼みそうめん(次男くん)!!
揖保乃糸 特級品(海原雄山)!!
野やぎとシホさん夫婦が選んだのは揖保乃糸。
ふだんは気が付かなかったけれど、食べ比べてみると意外にもしっかり塩味が効いていて、どんなバリエーションでもおいしく食べられるその懐の深さにやっぱりやられました。なんだかんだ食べ慣れた揖保乃糸が一番!
長男くんが選んだのは半田めん。
「ふとくて、だんりょくがあって、かみごたえがある。食べごたえがあって、食くらべしたなかで一番おいしかった!」とのコメント。すごく気に入ったらしく、茹でた一束のほとんどを長男くんが食べちゃったほど!
シホさんも半田めんの味がめちゃくちゃ好きだったとのことですが、「そうめん食べたいときに!とはちょっと違うかも。茹で時間も5分かかるし!」と惜しくも次点に。
次男くんは味涼みそうめん。
「ピンクだったから!ピンクでいちばんおいしかった!」とのコメントにもある通り、食は目でも味わうものというのが決め手でした。たのしくたべるのが一番だよね!
そしてたくさんのそうめんを食べてみた結果、次男くんはそうめんが苦手なんじゃなくてそうめんつゆがちょっと苦手だということが判明した……。
まじか!たしかにそうめんつゆってほかよりもちょっと尖った味感あるよね……。次は別のつゆにしたら食べるそうな!最高!!
そして、雄山は……



それぞれの一位を賞賛し、我らは残りの麺をすすりながら健闘を称え合いました。そのときにはもう、完全に夏がきました。
🍧
🎐
🍉
🎆
やっぱり、そうめん……🥁
最高だぜぇぇええ〜〜〜!!!!!
そうめんすごい。奥が深い。
あんなに手軽に食べられて、このバリエーション。そしてその麺線に、土地や歴史がギュッとする詰まってる。なんてこった……。多様性の化け物だぜ……。
ゲストの雄山も、すごく満足したみたい!


老若男女、みんなに愛されるそうめん。
そうめんって、すごい!
+
おわりに

夏にぴったりのそうめん。
いざ食べ比べてみたら、そうめんがもっと好きになりました。味や食感、つくり方までそれぞれ工夫があって、どれもおいしくてすごかった。みんな違っておいしい!たのしい!
今回はシンプルに冷たいそうめん汁のみにしたけれど、薬味もあったかい汁もまだまだ試したいし、残ったらアレンジレシピもたくさんある。そうめんって可能性の化身や。まさに宇宙だぜ……。
夏が来る、そうめん茹でて、迎え撃て!
今年も暑さに負けず、いろんなそうめんを食べていきたいぞ。夏バテ防止、そうめんうまし!みなの推しめんがあったら、ぜひぜひ教えてくれ〜〜〜!
紹介したそうめんたち、どれもおいしかったのでスーパーで見かけたら食べ比べしてみてください〜〜〜!!!
それでは!
おわり。
おまけ


いいなと思ったら応援しよう!
待てうかつに近づくなエッセイにされるぞ
あ、ああ……あー!ありがとうございます!!