蓮池を渡る風の詩 — 蕾から散り際へ

初夏の蓮田。水面から背を伸ばした蕾は、まだ固く、深く眠っているかのようです。 そこに舞い降りたのは、生まれたばかりのチョウトンボでしょうか。 陽光を映す翅を休め、季節が本格的に動き出すのを静かに待っている——そんな、束の間の休息のひとときでした。

季節は初夏から、力強い盛夏へ。 蓮田を華やかに彩っていた大輪の花が、役割を終えてひとひら、またひとひらと舞い落ちます。 瑞々しい同心円を描くハスの葉を皿に見立て、二ひらの花びらが揺蕩(たゆた)う姿は、まるで水上に浮かぶ小さな舟のようです。
