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継ぎ接ぎだらけの毎日でも、私らしく歩いていこう(2025/6/8 ukka 10th Anniversary Live vol.3 第2部 若菜こはるプロデュースワンマンライブ「成長日記」)

(※カバー画像は、ukkaの公式X(旧twitter) から引用させていただきました)


「皆さんの明日が、より良いものでありますように」

本編最後の曲『Glow-up-Days』は、“プロデューサー”若菜こはるに曲フリを託された茜空の、静かなひと言から始まった。
その願いのような言葉が、O-Westにやさしく響いていた。

曲の終盤、オケの音がふっと消え、7人の声だけが順に浮かび上がっていく。
誰かにバトンを渡すように、一人ひとりの声が、次の声へと自然につながっていった。

継ぎ接ぎだらけの毎日でも
私らしく歩いていこう
不器用な生き方でもいい
いまの私が好きだ

ukka『 Glow-up-Days』

それは、アカペラという形をとったささやかなエールだった。
1階席・2階席へと向ける視線の、その奥にある気持ちが、静かに伝わってきた。

満員の観客がO-Westをぎっしりと埋め尽くし、圧巻のパフォーマンスと熱気に、まるで酸素が薄く感じられるような瞬間だった。
そう感じたのは、メンバーの緊張感と、今にも涙がこぼれそうな表情に息を呑み、思わず呼吸を忘れてしまったからかもしれない。
歌い終わったメンバーの頬には、ほんのり熱が滲んでいた。


(※以下の文中、敬称略で失礼します。また、ライブの内容や引用したメンバーの配信内容、そこからの解釈については記憶に基づく部分も多く、実際と異なる点があるかもしれません。ご容赦ください)

「成長日記」

2025年、ukkaは前身の“桜エビ~ず”時代から数えて、結成10周年を迎える。
この節目の年に、ukkaは「10th Anniversary Live」と題して、月替りでメンバープロデュースのワンマンライブを開催している。
その第3弾となった今回の公演をプロデュースしたのは、グループ最年少の若菜こはる。
公演タイトルは「成長日記」。

ライブ前日の配信で、若菜こはるは少しだけ照れながらこう話していた。
「お姉ちゃんメンバーたちに、いくつか指示も出させていただきました」
15歳のプロデューサーの笑い交じりの一言からも、自分の名前を背負ってこのステージに立つという、覚悟がにじんでいた。

加入して1年半の若菜こはるが、”ukkaの今”を、どうステージに描き出すのか。
それが今回のライブの最大の見どころであり、未知の部分だった。

そして…実際に立ち上がったステージは…

彼女なりの等身大の応答だったと思う。
自分の感性だけで押し切るのではなく、メンバーひとりひとりにヒアリングを重ね、最終的には自分の意志で演出を決めきる。
そうして編まれたセットリストは、「わたし語り」ではなく、「わたしたちの成長物語」として紡がれていた。

セットリスト

- オープニング映像 ー
M0. We are…
M1. さいしょのさいしょ
M2. 空想トラベル
M3. Viva La Vida
M4. Rising dream
M5. ティーンスピリット(宮沢友&若菜こはる)
M6. Poppin’ love!!!(結城りな&葵るり)
M7. おねがいよ(村星りじゅ&茜空&芹澤もあ)
M8. 推≒恋
M9. みしてかしてさわらして
M10. マリオネットガール
M11. お年頃distance
M12. マーマレード・フレイバー
M13. 嘘とライラック
M14. ガールズナイト
M15. コズミック・フロート
M16. WINGS
M17. Glow-up-Days

EN1. それは月曜日の9時のように
EN2. わたしロマンス
EN3. ファンファーレ

はじまりの手紙

開演を告げる暗転とともに、スクリーンに映し出されたのは、ひとり机に向かう村星りじゅの姿だった。
やがてカメラが彼女の手元に寄っていき、便箋に書かれた達筆な文字がスクリーンに映し出された。

手紙の中には、ファンへの感謝と、ほんの少しのエールを届けたいという想いが、丁寧に綴られていた。

そして再び、暗転。
overtureが流れ、ライブ本編がはじまった。

さいしょのさいしょは

『さいしょのさいしょ』が始まったとき、「そうだよな、そうだよな、成長日記だもんな」と心のなかで呟いていた。

この曲の見せ場といえば、やはり村星りじゅの
「一番大事なとこ確かめようよ!」
の落ちサビだ。
すぐ後ろにりじゅ推しの知り合いがいるとわかっていたので、そのパート前に少しかがんでみた。
すると、思いのほかの圧を左肩に感じた。片手をこちらの肩にかけて、思い切り身体を伸ばしているのが、背中越しに伝わってきた。

2曲目『空想トラベル』が来たときは、意外な選曲に驚いた。
自分のすぐ前にいた知り合いが、小さな声で「これは……いい」とつぶやいたのを聞いて、ああ、このライブはただの成長記録じゃないんだと思い直した。

そして『Viva La Vida』『Rising dream』。
跳んだりかがんだりしていたら、すでに脚がへとへとになってきた。でも、まあ仕方ない。

同期ユニットの縦糸と横糸

今回のライブでは、ユニット曲が要所に配置されていた。
前日までの配信で、若菜こはるは「5曲目から7曲目までのブロックを楽しみにしていてほしい」と話していた通り、特に印象的な並びだった。

ここには、グループに加入した時期が同じという“時間軸”の縦糸と、それぞれが普段は担当しないパートを受け持つことによって楽曲が新たな表情を見せるという“構成上の工夫”の横糸が、織り込まれていた。

誰かと誰かが歌うとき、ステージにはその関係性がにじむ。
そして、その周囲には見守るメンバーたちの気配がある。
たとえステージにいなくても、“一緒に歌っている”空気が、そこにはあった。

つづく物語

7人がふたたび揃って披露した『推≒恋』。やっぱり、この衣装で観る推≒恋はしっくりくる。

後日の配信で、若菜こはるは「最近ukkaを好きになってくれた人に向けて、古い曲ばっかりやったらうーんってなるでしょ」と話していた。
まさに一流の“配慮”のもとで、この曲が置かれていたのだとわかった。

実際、このあとのセトリでは「古めの曲 → 新しい曲」という交互の構成が続いていく。
と思ったら、次に来たのはまさかの『みしてかしてさわらして』——待ってました、ご無沙汰の初期曲。

驚いたのは、『推≒恋』が終わった直後、全員がヘッドドレスをいっせいに投げ捨てたこと。
その瞬間、空気が一気に切り替わった。

そして始まる『お年頃distance』。
このブロックは、こはるいわく「反抗期ゾーン」だったとのこと。
曲順に込められた小さな遊び心とメッセージ。観客はしっかりそれを受け取っていた。

甘さのなかににじむもの

『マーマレード・フレーバー』。
あの「すき」のセンターでのひとことを、こはるは「みんなだいすきだよ」と、きれいにアップグレードしていた。
去年はちょっとてれくさそうに言っていたはずだけど——その言い方の成長っぷりが、なんとも彼女らしかった。

続く『嘘とライラック』は、先月の茜空プロデュース公演でも選曲されていたから、個人的には少し意外だった。

曲中にふと思い出したことがあった。
たしか5年ほど前、コロナ禍のさなかに、私立恵比寿中学の真山りかが、配信で「ukkaの曲では、りじゅが落ちサビを歌う曲が好き。なんだっけ、そうだ、『嘘とライラック』だ」と語っていたことがあった。
お姉さんメンバーたちのステージに、お姉さんグループの最年長の好みが偶然にも重なる。
ちょっとした邂逅のような、不思議な感慨があった。

この曲のあのパートでも、やっぱり私の左肩にはしっかりと圧がかかっていた。

君を忘れない いつまでも

ukka(桜エビ〜ず)『嘘とライラック』

——だから、膝が痛むんですよ。

アカペラがつなぐもの

『ガールズナイト』のイントロが流れ出す直前、Interludeとして差し込まれたのは、ショパンのワルツ第19番だった。
この選曲が、“ここから大人曲ブロックに入るよ”というさりげない予告になっていたと、後日のこはるの配信で知って、天才かよ……と声が出そうになった。

『ガールズナイト』のイントロのピアノにそのままつながるように流れ込んでいった構成がまた美しくて、プロデューサー・若菜こはる、恐るべし、と思った瞬間だった。

続く『コズミック・フロート』と『WINGS』は、グループが歩んできた10年のうち、とくに後ろの5年を象徴するような楽曲たちだった。
変化や進化、そして再出発を繰り返しながら積み重ねてきた日々のスピリットを、あらためて目の前に差し出されたような気がした。

そして本編ラスト、『Glow-up-Days』へ。
このブログの冒頭でも触れたとおり、曲の終盤、オケが唐突に止まり、7人が順に自分の声だけでフレーズを歌い出す静かな演出が差し込まれた。
最年少の若菜こはるが、自らこのアイデアを発案し、全メンバーに趣旨を説明して実現させたーそれは痛快なプロデューサーワークだった。
後日の配信によれば、実際には、この場面ではイヤモニにも音が入っておらず、メンバーたちはお互いの呼吸や声の気配を頼りにフレーズをつないでいたそうだ。

ここまでのセットリストは相当にタフだった。
MCの間もほとんどなく、曲中にペットボトルを取るほどの密度。
けれど、そのハードさすら、若菜こはるが“いまのukka”に託したものだったのかもしれない。

ステージの上の7人は、最後まで立ち止まらずに走り抜けた。

「以上、ukkaでした」

挿話:緑茶とペンライト

満場のアンコールの呼び声に応えて、暗転したステージにふたたび7人が現れた。
その手には、今回から決められたそれぞれのメンバーの”ペンライトカラー”に灯ったペンライトを持って。

その瞬間、われにかえった。
(あ、今日はペンライトを友達に貸していたんだった——)

足元に置いたペットボトルに目をやった。
さっきドリンクバーでもらった緑茶のペットボトルが、ほとんど飲み干されたままそこにある。

私は、ふたをきゅっと締め直して、それをそっと手に取った。
掲げた緑茶のラベルの深い緑色は、メンバーのどのカラーとも交わることなく、ただただ静かにうち震わされているだけだった。

ファンファーレのその前に

曲の終盤、メンバーたちはそそくさと自分のペンライトを袖に返していく。
こちらも半ばほっとして、緑茶のペットボトルを足元に戻した。いやはや、忙しい。

——と思ったら、最近では見慣れない立ち位置から、まったく久しぶりのイントロが鳴る。

『わたしロマンス』だ。

鬼じゃん、最高じゃん、若菜こはる。

アンコール3曲目、『ファンファーレ』を披露する直前。
こはるは、いたずらっぽく会場を見渡しながら言った。

「次が最後の曲となります」
「えー」
「えーじゃなくて〜、イェーイ✌️」

スタプラ研究生時代からおなじみの流れ。
けれどそのあと、彼女の声のトーンが少し変わっていた。

「それでは聴いてください、『ファンファーレ』」

訪れて 次のストーリー
僕に鳴り響く ファンファーレ

ukka『ファンファーレ』

10周年の節目をむかえたukkaの、新たに踏み出す一歩が、やっぱり光に満ちていることを予感させる締めくくりだった。

交差点でまた会えたなら

このライブが、自分にとっても特別な時間になったのは、いくつかの偶然が重なっていたからかもしれない。

(いや、あんまりこういう話を書くのもどうかと思うんですが——ちょっとだけ、自分のことも挟ませてください)

10年前、不惑とは名ばかりで迷っていたころ。
それなりに、やることに追われていながらも時間は埋まっていた時期に、「なんか仕事ばっかりじゃなあ」と思っていた矢先、同世代の知人が声をかけてくれた。
根っこがめんどくさがりやな性分ゆえ、「ボランティア活動って、正直ちょっとうさんくさいよな……」なんて先入観を持ちながらも、その知人が関わっているならと、足を運んでみた。
今思えば、それがすべてのきっかけだった。

ステージには、スピーチに立つ側の人と、それを支援するボランティアが並んでいた。
その姿に、ステージに上がる覚悟や誠実さのようなものを感じて、いつの間にか、自分もそのボランティア活動に関わるようになった。
その活動を、ボランティアではなく、事務局スタッフとして支えていたのが、今日ライブを観にきて、ペンライトを貸した友人だった。

ボランティア活動に参加する。
思えば、最初にアイドル現場に行った時も、同じようなことを思っていた。
「カラフルなハッピ着て“オイオイ”って、いい歳して恥ずかしいよな」と。

同じ10年前。
そんな偏見をほどいてくれたのは『幕が上がる』という映画で、そして、それをきっかけに出かけてみたももクロのライブだった。

偶然だが、そのライブの日、8月1日に、ukkaは別の場所で、お披露目日初ライブを迎えている。

その後、時は流れて、当時はまだ小学生にもなっていなかった若菜こはるが、今こうしてライブを丸ごとプロデュースしている。

時の交差点。

エピローグ:いまの私が好きだ

ライブが終わったあと、貸していたペンライトを返しにきた友人は言った。

「ライブ前に聞いていたから、Poppin’ love!!!があって嬉しかった。あと、アンコール前の最後の曲がよかった、元気出た」

継ぎ接ぎだらけの毎日でも、私らしく歩いていこう

久しぶりに連絡が来たのは、水曜日の夕方だった。
昔いっしょにボランティア活動をしていた仲で、今でも半年に一度くらい、芝居を観に行っては近況を話すような関係の彼女。
「最近ちょっと仕事のことで思うところがあって……」とだけ書かれたメッセージに、特別な違和感はなかった。
少し時間をとって、武蔵小杉で落ち合う。
話を聞くうちに、どうやら彼女は、職場の空気やマネジメントとの折り合いに悩んでいたようだった。
「論理だけで押されても、気持ちが追いつかないんだよね」
そんな言葉に、共感できる部分がいくつもあった。

たわいもない話のなかで、自然と茜空の話題になった。
思えばここ数年、半年に一度くらいお茶を飲んで話す機会があるたびに、私は決まって“最近の茜空”を語っていたようで、
彼女にとっては毎回が初耳の「茜空」だったのに、少しずつインプットされていった。
彼女は、いつぞやから空ちゃんのインスタを見てくれていて、最近もチェックしていると言っていた。
彼女が学生時代を過ごした京都に、この春先に茜空が訪れていたことも、なんとなく見ていたらしい。

そんな流れで、「今週末、ukkaのライブあるけど、行ってみる?」と、ふと聞いてみた。
ちょうどチケットが完売寸前だったこともあり、少し急ぎ気味だったけれど、彼女は「行く!」と即答してくれた。
「ライブに行ったら前向きになれるかも」って、ちょっと笑いながら。

不器用な生き方でもいい

かつての私がそうだったように。
今日の彼女も、何かを少しだけ受け取ってくれたのかもしれない。
いくつもの記憶の交差点が、この一夜に重なっていた。

そして特典会。
短い時間で、茜空に短い一言を伝えた。

「来てくれた友だちが、とても楽しかった、元気出たってよ」

それだけのことばだったけれど、
茜空は、すごくうれしそうにしていた。
2階席でずっとターコイズ色のままにしてくれたらしいペンライトは、彼女の視界には入っただろうか?

ステージに上がる誰かを見守ることで、自分もまた何かを取り戻していく。
そんな交差点のような時間を、ukkaは10年かけて作ってきたんだと思った。

その道のどこかで、また会えますように。

いまの私が好きだ

素敵なライブをありがとうございました。

そして、若菜こはるさん、ありがとうございました。

若菜こはるインスタストーリーより

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