立派な農家になるために~身体もムキムキ、頭もムキムキになりたいわね~

※筆者は勉強中のため、この記事には間違い、誤謬が含まれている可能性が大です。

個人的には立派な農家になるためには、筋肉や体力をつけるだけは不十分だと考える。農家といえど、経営者であり、事業を行ううえでは数字からは逃げられないからだ。(私は逃げたい。)

ということで、管理会計について勉強してみたので、復習がてら記事にまとめる。

収益性・安全性・生産性・成長性の復習
最近、管理会計の勉強で「財務諸表分析」の章を読んでいる。
正直に言うと、最初はなかなか手ごわい。
収益性分析、安全性分析、生産性分析、成長性分析。

名前だけ見ると、すでに眠い。
漢字が多い。

しかも、どれも真面目そうな顔をしてこちらを見てくる。

ただ、農業経営に置き換えて考えてみると、少し分かりやすくなった。

財務諸表分析とは、会社の健康診断のようなものだ。

農業でいえば、畑の土壌診断に近い。
見た目には青々と育っている野菜でも、土の中がボロボロなら長くは続かない。

会社も同じで、売上が大きく見えても、中身を見なければ本当に強い経営かどうかは分からない。
畑も会社も、表面だけでは分からない。

人間も同じである。だいたい面倒なものは、見えないところに潜んでいる。

① 収益性分析――ちゃんと利益が残っているか

まずは収益性分析。

これは簡単に言えば、

「売上からちゃんと利益が残っているか」

を見る分析である。

農業で考えると分かりやすい。

たとえば、野菜がたくさん売れたとする。
直売所でも市場でもよく売れて、「今年はけっこう稼いだぞ」と思う。

しかし、その裏で種苗代、肥料代、農薬代、燃料代、資材代、機械代、人件費がどんどん出ていく。

売上は多い。
でも手元に残るお金は少ない。
これでは、忙しいだけで儲かっていない。
いわば「汗だけ黒字、財布は赤字」である。
収益性分析では、売上高総利益率や売上高営業利益率などを見る。

難しく聞こえるが、要するに、

「作ったものを売って、どれだけ利益が残ったか」

「本業でちゃんと儲かっているか」

を確認するものだ。

農業でも、ただ売上を増やせばいいわけではない。

安売りして売上だけ伸ばしても、肥料代や燃料代に全部食われたら意味がない。

大事なのは、売上ではなく利益。

もっと言えば、無理なく続けられる利益である。
野菜が売れても、作る人間が毎年干からびていたら、それは持続可能とは言えない。
畑より先に自分が不作になる。

② 安全性分析――倒れにくい経営か

次は安全性分析。

これは、
「その経営がどれくらい安定しているか」
を見る分析である。
農業経営では、これがかなり大事だと思う。
なぜなら農業は、天気に振り回されるからだ。
雨が多すぎる。
雨が降らなさすぎる。
暑すぎる。
寒すぎる。
台風が来る。
虫が来る。
病気が出る。
自然は基本的に、こちらの事業計画書を読んでくれない。
かなり自由に振る舞う。
だからこそ、経営には余裕が必要になる。

安全性分析では、流動比率や自己資本比率などを見る。

ざっくり言えば、

「すぐ払うお金に対して、手元資金は足りているか」
「借金に頼りすぎていないか」
「多少の不作や価格下落に耐えられるか」

を見る。

農業でたとえるなら、手元の現金や資金繰りは、干ばつのときの水のようなものだ。
普段はあまり目立たない。

でも、いざという時にないと終わる。
どれだけ立派なトラクターを持っていても、燃料代や支払いができなければ経営は止まる。
最新機械に囲まれて倒産するのは、少し豪華な遭難である。

借入をして機械やハウスに投資すること自体は悪くない。

むしろ成長には必要なこともある。
ただし、返済に追われすぎると、経営の自由度がなくなる。

経営者というより、毎月返済日に呼び出される召使いになる。

安全性分析は、その危険を数字で見るためのものだと思った。

③ 生産性分析――人・畑・機械をうまく使えているか

次は生産性分析。

これは、

「人や設備を使って、どれだけ効率よく価値を生み出しているか」

を見る分析である。

農業でいえば、
「1人あたり、どれだけ稼げているか」
「1反あたり、どれだけ利益を出せているか」
「機械やハウスをちゃんと活かせているか」
という話になる。
ここで大切なのは、ただ忙しいことと、生産性が高いことは違うということだ。
朝から晩まで働いている。
休みもない。
腰も痛い。
手も荒れる。
顔も土と汗で仕上がっている。
それでも利益があまり残らないなら、生産性は高いとは言えない。
努力しているのに儲からない。

これは精神論ではなく、仕組みの問題かもしれない。

生産性を上げるには、作業の段取りを見直す、機械をうまく使う、販路を工夫する、単価を上げる、無駄な作業を減らすなど、いろいろな方法がある。

たとえば、同じ野菜でも、ただ市場に出すのか、直売するのか、加工するのか、ブランド化するのかで付加価値は変わる。

同じ大根でも、ただの大根として売るのか、
「こだわりの土で育てた甘みのある大根」として売るのかで、受け取られ方は変わる。
大根からすれば迷惑かもしれない。
急にストーリーを背負わされるのだから。
でも経営としては、付加価値をどう作るかが重要になる。

生産性分析は、

「頑張っているか」ではなく「頑張りが成果につながっているか」

を見るものだと思う。

これは耳が痛い。
だが、耳が痛い話ほど、だいたい大事である。

④ 成長性分析――ちゃんと伸びているか
最後は成長性分析。
これは、

「経営が過去と比べて伸びているか」

を見る分析である。

農業でいえば、
「売上は増えているか」
「利益は増えているか」
「販路は広がっているか」
「栽培技術は上がっているか」
「自己資本は厚くなっているか」
を見るようなものだ。

ただし、成長にも良い成長と危ない成長がある。
たとえば、売上を増やすために作付面積を一気に広げる。

一見すると成長しているように見える。
しかし、人手が足りない。
機械も足りない。
管理が追いつかない。
品質が落ちる。
体力が削られる。
この状態で売上だけ伸びても、経営としては危うい。

それは成長というより、膨張である。
風船と同じで、膨らみすぎると割れる。

本当に大事なのは、売上だけでなく、利益や資金、作業体制も一緒に育っているかだと思う。
農業も会社も、急に大きくなればいいわけではない。

根が張っていないのに枝葉だけ伸ばすと、強い風で倒れる。
成長性分析は、経営がちゃんと未来に向かって育っているかを見るためのものだ。
財務諸表分析は、経営の土を見る作業かもしれない

今回、財務諸表分析を勉強して思った。
数字を見ることは、畑の土を見ることに似ている。

表面だけ見れば、野菜は育っているように見える。

でも土の状態、水はけ、肥料の効き方、根の張り方を見なければ、本当に良い畑かどうかは分からない。

会社も同じだ。
売上が大きいから良い会社とは限らない。
利益が出ていても、借金が重すぎるかもしれない。

忙しく働いていても、生産性が低いかもしれない。

成長しているように見えても、無理をしているだけかもしれない。

財務諸表分析は、その中身を見るための道具である。

収益性分析は、利益が残る経営かを見る。
安全性分析は、倒れにくい経営かを見る。
生産性分析は、人や設備を活かせているかを見る。
成長性分析は、未来に向かって伸びているかを見る。

こう考えると、財務諸表分析は単なる数字の勉強ではない。

経営の体質を見る勉強だと思う。
そしてこれは、農業を考えるうえでもかなり役に立つ。

農業は、作物を育てる仕事である。
でも同時に、経営を育てる仕事でもある。
良い野菜を作るだけでは足りない。
続けられる仕組みを作らなければならない。
畑の土を整えるように、経営の数字も整える。
作物を見るように、売上や利益を見る。
天気を読むように、資金繰りを読む。
そう考えると、財務諸表分析も少しだけ身近に感じる。

まだ数字を見ると頭の中に霧が出ることはある。
だが、以前よりは少しだけ分かってきた。
財務諸表は、会社の成績表というより、経営の畑である。

よく見れば、そこに根の張り方が出る。
自分もいつか、数字から逃げる農業者ではなく、数字を見ながら土を耕せる農業者になりたい。

まあ、その前にまずは、この漢字だらけの章を最後まで読むことからである。

勉強も農業も、結局は地道な作業だ。


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