【全て実話】会社が潰れる前に社長がすべきこと
こんにちは。
この記事は、「倒産したらどうなるのか」「そもそも、どうやって倒産するのか」
父とともに家族経営をしていた私自身の実体験をもとに書いたものです。
最初に断っておきますが、別に苦労話を書いているわけではありません。経営者や起業家の方々に向けて、会社が倒産する前に何をすべきか、そして倒産後に何をすべきかをまとめた記事です。
倒産は、経営者にとって何としても避けたい“最悪の結末”です。
私自身も、倒産する前は「倒産=人生の終わり」だと思っていました。
いや、終わりですらなく、倒産後こそが“地獄の始まり”というイメージを抱いていたのです。
それでも、どうしても避けられず、私は「倒産」という選択をすることになりました。
倒産間際、私にはたくさんの不安や疑問がありました。
「倒産後って、実際どうなるんだろう?」
「どんな手続きが必要なの?」
「いつ、何をすればいいの?」
当然、取引先や知り合いにも「あのさ、うち倒産するんだけどさ」なんて相談もできず、
不安を抱えながら、リアルな情報を必死で探しました。
でも情報として目にするのは、
「一度倒産したが、そこから年商●億円を達成!」
「どん底からの大逆転!」
そんな華麗なサクセスストーリーばかりで、私が知りたかった倒産のリアルは、ほとんど語られていませんでした。
だからこそ、この記事では、私自身の経験を通じて「倒産のリアル」を伝えたいと思いました。
もちろん、倒産はしないに越したことはありません。
けれど、もし今この記事を読んでいるあなたが、資金繰りに悩んでいたり、経営の将来に不安を抱えているなら――。
最悪の選択をせざるを得なくなったとしても、人生は終わりではありません。
私の倒産に至るまでの経緯、そしてその後の現実を正直に伝えることで、あなたの不安を少しでも軽くできたらと思っています。
この記事では、倒産前に「やるべきこと」「やってはいけないこと」「気をつけるべきポイント」なども、私の体験を交えてお伝えしていきます。
残念ながら、倒産すれば多くの財産を失い、リセットを余儀なくされるのは事実です。
でも、それで人生が終わるわけではありません。
この記事が、あなたが抱える漠然とした不安を少しでも和らげ、
そして何よりも、「すべての責任を一人で背負い込んで、心が折れてしまう人」が一人でも減る助けになれば、心から嬉しく思います。
父からの電話と、倒産へのはじまり
倒産から遡ること3年前、父から一本の電話がありました。
「……いよいよ、やばいかもしれん。お前、どうせ独立考えてるなら一緒にやらないか。」
それが、すべての始まりでした。
倒産した会社は、父が一代で築いた法人向けオフィス用品の通販会社。
電話があったのは、コロナ禍が少し落ち着き、社会全体がリモートワークに適応し始めた2021年のことでした。
当時はZoomをはじめとするITツールの普及によって、働き方が大きく変わりつつありました。
世間で報じられていたのは、主に飲食業や観光業の打撃でしたが、実は父のようなオフィス用品業界も大きな影響を受けていたのです。
特に痛手となったのは、「コピー用紙」の需要の急減でした。
WEB会議が主流になってリモート勤務が増え、紙の書類を印刷するオフィスに勤務するスタイルが激減したことに加え、さらに電子帳簿保存法の改正(2022年)によって、請求書や領収書などが電子化され社会全体が一気にペーパーレスへと進みました。
その結果、売上の3割以上を占めていたコピー用紙の注文が激減したのです。
「オフィス用品」と聞くとファイルやホチキスなどの文具を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実際にはコピー用紙が主力商品でした。
多くの顧客が「コピー用紙が切れたついでに文具も一緒に」という流れで注文していたため、この商品が売れなくなることは、会社の根幹を揺るがす事態だったのです。
その電話を受けた当時、私は大阪で人材系企業に勤めていました。
マネージャーという肩書きはあったものの、社内の派閥争いに巻き込まれ、上層部の命令には絶対服従。
日々、成果をアピールすることに精一杯で、安定はしていたものの、どこか満たされない気持ちを抱えながら働いていました。
そんな中、私は「独立」について考えるようになり、経営者である父にも相談をしていたのです。
そしてこの電話をきっかけに、私は心を決めました。
父の会社を立て直すため、大阪を離れ、福岡に転居することを決意したのです。
父はとても喜んでくれました。
実家で酒を酌み交わしながら、これからの事業再建について語り合った夜のことを、今でも覚えています。
42歳で会社を退職し、退職金を手に福岡へと移り住んだ私。
その希望と覚悟を胸に、父の会社へ初めて出社したその日、私の目の前に広がっていたのは想像をはるかに超える「現実」でした。
終焉間際の会社
朝9時。朝礼もなく、なんとなく仕事が始まりました。9時半ごろに父が出社し、主要な社員数名に私を紹介してくれたあと、すぐに取引先との打ち合わせへと出かけていきました。
数字上ではすでに倒産の兆しは表れていたものの、それ以上に強烈だったのは、会社全体に漂う「空気」でした。活気がなく、どこか諦めが混じったような雰囲気──。今でも忘れられません。
父の会社はオフィス用品の通信販売がメインですが、インターネット注文が主流というわけではなく、いまだにカタログからの電話注文やFAXが主力。オフィスには電話応対の社員が複数いましたが、電話が鳴り響くこともなく、なかには居眠りをしている人もいるような状況でした。
コピー用紙や医療事務用品など、月額契約のお客様には営業担当がついていたものの、営業も新規開拓はせず、かかってくる電話を受ける程度。一日にたった3〜5件しか電話をしていない、というのが現実でした。
なんとか状況を把握しようと、販売記録を確認するために技術担当に相談してみると、これまた衝撃。以前の担当者からまともな引き継ぎもなく、システムは30年前のWindows NT(これ、分かる人いますかね。笑)を使用。販売管理データをAccessで処理しているため、「データの抽出は月に1回にしてほしい」と言われる始末でした。
…ここまで読んで、「じゃあ、あなたが立て直したんですね?」と思われるかもしれません。でも、現実はそんなドラマのように甘くはありませんでした。
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