見出し画像

同じ仕事を4人に任せたら、ここまで違いが出た

今日は、締め切りが迫った仕事を抱えていた。

一人でやり切るには厳しい。

そう判断して、数人のメンバーに同じ仕事をお願いすることにした。

同じ説明を受け、同じ時間に始め、目指すゴールも同じ。

条件はほぼ同じだった。

ところが、出来上がった成果は驚くほど違っていた。

ある人は、とにかく仕事が速い。

多少細かな抜けはあるものの、次々と前へ進めていく。

ある人は、スピードは速くない。

しかし、一つひとつを丁寧に確認しながら、最後まで正確に仕上げる。

一方で、途中で別のことに気を取られたり、最後の詰めが甘かったりして、仕事に穴が残る人もいた。

そして、その穴を誰に言われるでもなく、別のメンバーが黙って埋めていた。

私は、その姿が一番印象に残った。

「仕事をする」ということは、与えられた作業を終わらせることだけではない。

チーム全体を見て、自分にできることを自然に考えられる人がいる。

そういう姿勢は、マニュアルでは教えられない。

もう一つ、印象に残ったことがある。

新入社員の存在だった。

経験はまだ浅い。

だから最初は、一つひとつ説明しながら仕事をお願いした。

ところが、要点をすぐに理解し、必要なことはメモを取り、自分で考えながら着実に進めていく。

「ここまで理解できるのか」

思わずそう感じた。

経験が少ないことと、能力が低いことは、まったく別なのだと改めて気づかされた。

今日、一番の学びはここだった。

人は、同じ条件で仕事を任せたときに、その人の特性が最もよく表れる。

スピード。

正確さ。

責任感。

理解力。

周囲への気配り。

最後までやり切る力。

どれも履歴書では分からない。

面接でも見えにくい。

普段の会話だけでも分からない。

実際に同じ仕事を任せて初めて、その人らしさが見えてくる。

私はこれまで、組織づくりというと、マニュアルを整え、ルールを作り、役割を決めることに目が向きがちだったのかもしれない。

もちろん、それは必要だ。

仕組みが整えば、属人化は減る。

引き継ぎもしやすくなる。

仕事の品質も安定する。

しかし今日、改めて感じた。

どれだけ仕組みを整えても、その仕組みを動かすのは人である。

同じマニュアルを渡しても、仕事の進め方は違う。

同じ指示をしても、理解の速さは違う。

同じ時間を与えても、成果は違う。

だから組織には、二つの視点が必要なのだと思う。

一つは、誰が担当しても一定の成果を出せる仕組みをつくること。

もう一つは、一人ひとりの特性を理解し、その人が力を発揮できる役割や仕事を任せること。

仕組みだけでは、人の力を引き出せない。

人の力だけに頼れば、組織は再現性を失う。

その両方がそろって初めて、組織は強くなる。

そして管理職の役割とは、人を同じように働かせることではない。

一人ひとりの違いを見つけ、その違いが強みとして発揮される環境をつくることなのだと思う。

朝は、「今日中に終わるのだろうか」という焦りしかなかった。

しかし帰る頃には、仕事そのものよりも、人それぞれの違いを観察していた自分がいた。

締め切りに追われた一日だった。

それでも、管理職としては、とても面白く、学びの多い一日だった。

いいなと思ったら応援しよう!