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編集者に聞いた!「声をかけたいクリエイター」の特徴は?デビューにつながる“見つけられ方”ガイド

書籍化や連載化を目指す場合、どうやったら編集者に自分自身や作品を“発見”してもらえるでしょうか?

今回、現役の編集者にアンケートを実施し、「どこで著者を探しているのか」や「声をかけてみたくなるクリエイターや作品の特徴」などを具体的に教えてもらいました!リアルな声をもとに、デビューへの道すじのヒントをお届けします。

*『書き手・作者の見つけ方についてのアンケート』を2025年5月に実施。編集者34名にご協力いただきました。


編集者はどこでクリエイターを探している?

約9割の編集者がオンラインで著者を探したことがある

アンケート結果では、「ネットで書き手・作者を探したことはありますか?」という設問に対して「はい」と回答した編集者が大多数。オンライン上の活動が、重要な発見ルートであることがわかります。

9割近くがネット上でクリエイターを探し実際に声をかけている!

探す場所はSNSが最多。公募コンテストも有力

クリエイターを探す場所を質問したところ、SNS(X、Instagram、YouTubeなど)がもっとも多くの回答を集めていました。

また、公募コンテストも有力な発見チャネルとして存在感を発揮。特に小説や漫画のジャンルで編集者が注目しているようです。一方で、noteやブログといった長文プラットフォームは、特にエッセイや実用ジャンルでの発掘において重視される傾向が見られました。

なお、「どこで見つけることが多いですか?」という設問に対して、一人あたりの平均回答数は3.5。編集者が、日頃からさまざまな場所でクリエイターを探していることがわかります。

ジャンルごとのクリエイター発掘場所と傾向
【小説】

「小説」は公募コンテストが有力

編集者のコメント

個人的に求めているジャンルで検索し、ポイント数(人気や評価を示す指標)など関係なしで読み、面白い作品には積極的にお声がけをしています。

決め手の大きなものはオリジナリティがありながらも市場を意識できているかどうか? などです。オンライン上で探す場合は読者の方のご感想なども見ることができるので多角的に判断できていいなと思います。

オンライン小説投稿サイトで定期的に作品を探しているのですが、ランキングは勿論、タイトルやあらすじを見て気になった作品からチェックするようにしています。自分が求めているジャンルかつ、基本的な文章力があるというのは前提としつつ、何よりその作品独自の良さ(キャラが立っているのか、世界観が唯一無二なのか、セリフのテンポが良く面白いのか等々)があると思ったときにお声がけしています。

他ジャンルに比べて「公募」や「小説投稿サイト」など、正攻法のルートを重視する傾向。とくに完結作があり、読み応えのある作品を求めている声もあり、編集者も“腰を据えて読む”構えで探している印象です。

【漫画】

「漫画」はXに次いで公募と漫画投稿サイトが有効

編集者のコメント

原作に当てはまりそうな作家を探していて、絵や漫画がうまかったことで声をかけた。

pixivさんで色々投稿作品を読んでいる時に、気になった漫画家さんはよくお声がけします。コミカライズの場合は、絵の画力とネーム力をまずは見ます。漫画という物理的な動きのない媒体での、表情の柔らかさはすごく重要です。ネーム力というのは、コマ割や演出などはもちろん、キャラが伝わるかどうかが重要です。オリジナルの場合は、画力なども見るのですが、それに合わせてお話の面白さ…癖はすごくよく見ますね。新人さんでも「この人の描きたいものってこれだろうな」がわかる作家さんは、お声がけすることが多いです。

Xで流れてきたマンガで知った。それがおもしろかったので、メディア欄を見てほかの作品も読んだ。この人なら他にもまだまだおもしろいマンガが描けるはず。作家としての魅力を感じ、連載できるポテンシャルがあると思ったので声をかけた。

もっともSNSや投稿サイト経由の発掘が活発。編集者の目にとまりやすいのは、バズった作品や画力の高さ、ネーム力。視覚的なインパクト+拡散性が武器になる分野です。

【エッセイ】

「エッセイ」はSNS、動画、ブログなど割れる結果に

編集者のコメント

SNSでの発信を大量にチェックする中で、その人らしさが確立されている方や、実現したい企画の方向性に合致する方に声をかけています。1つのSNSだけで見極めることは少なく、複数のSNSでの発信から、アウトプットのクオリティはもちろん、お人柄やプロフィールなども含めてできるだけ確認した上で、ご一緒できそうかを判断しています。

SNSで定期的な更新があり、クオリティはもちろん、スケジュール、コミュニケーションに安定感がありそうな方。

何年もブログ(note)やTwitterを見ていて、声をかけました。

思想や表現、キャラクター性が表れる“発信力”重視。とくにエッセイ領域では継続的な発信が効果的です。コンスタントな投稿と読み応えある“読ませる文体”がカギ。

【ビジネス・実用・その他】

ビジネス・実用・その他ジャンルでもXは強い

編集者のコメント

ツイートが面白く、そこから企画を立てられそうだったから。

noteで面白い解説をしてバズっている人がいて、プロフィールをみたら複数媒体で執筆経験のあるライターだったので連絡して記事を依頼しました。

WebでもSNSでも、基本はキーワード検索で探します。実績やアカウントの強さはもちろん気になってしまいますが、希望と作品のマッチングのほうが大事です。

当時YouTubeでのチャンネル登録者数はそれほどではなかったのですが、更新頻度が高く(作者の熱量が高い)、コメント欄のやりとりが熱い(ファンがついていて、真摯に向き合っている様子がうかがえた)ことから、この後も伸びそうと判断して声かけしました。

ビジュアルで魅せる作品はSNS映えするため、画像・動画系SNSも有利です。レシピ系は編集者や既存作家、知人からの紹介という回答もあり、SNSの発信などを通じた横のつながりも大切。

声をかけたいと感じるクリエイターとは?

編集者がクリエイターに実際に声をかけた理由はさまざまですが、作品力・発信力・タイミングのいずれか、あるいは複数が重なったときにアプローチしているようです。

アンケートの回答をいくつか紹介します。
*「()」内は回答をいただいた編集者の担当ジャンルです。

作品力

作品に情熱が感じられる。ネームがうまい(漫画)

きらりと光るセンスを感じるタイトルで惹かれて読むと、面白い作品に当たる確率がUPする気がします(小説)

オリジナリティがあるか?その作家さんにしか書けないという目線が入っているか?(小説)

変なキャラをつくれるひと。読者にこのシーンでこんな感情になってほしい、こんな感想を呟いてほしいと考えられるひと(漫画)

何よりその作品独自の良さ(キャラが立っているのか、世界観が唯一無二なのか、セリフのテンポが良く面白いのか等々)があると思ったときにお声がけしています(小説)

(作品の魅力があることは前提として)投稿作が1作だけではなく、投稿ペースも一定の方(小説)

文章力があり、作品としてある一つの完成を見せている作品。読んだ時の「これは面白い」という感覚を大事にしています(エッセイ/小説/漫画)

何かしら新しい視点を持っている方、アイデアの引き出しが多そうな方(小説)

唯一無二感がある。意欲がある(エッセイ)

他の人にない明確な強みがある人は声をかけやすいです。あるジャンルに誰よりも詳しそうなど(ビジネス/ルポ/ニュース/コラム/作品レビュー)

発信力

YouTubeやXでの登録者数、コメントの熱量などの温度感、テーマの新規性と話題性、時代に合っているかなどを確認して連絡しました(エッセイ/小説/ビジネス)

Xで見かけた人(←主にバズって自分のTLに流れてくる人)の文章に魅力を感じた(エッセイ)

Xでご自分で本を書きたいとポストされていたので、声をかけてみたことがあります(ビジネス/デザイン/テクノロジー)

Xで活躍しているクリエイターで注目していたが、出した本がとても面白く、声をかけた(小説)

ツイートが面白く、そこから企画を立てられそうだったから(ビジネス)

インスタの画像でオリジナリティを感じた(エッセイ/レシピ/ライフスタイル/写真集/画集/イラスト集)

他の人のバズの物真似ではない、その人だけの何か伝えたいことがあり、それに周囲のファンも深く共感・共鳴していることがSNSから伝わってくる方(エッセイ/漫画/レシピ/ライフスタイル/子ども向け学習書)

タイミング

原作に当てはまりそうな作家を探していて、絵や漫画がうまかったことで声をかけた(漫画)

業界内外の友人、知人との会話のなかで「あれ、いいよね」と話題になったコンテンツをフォローし、自分でも良いと思ったら会社の企画会議で提案する流れが多いです(エッセイ/ライフスタイル)

賞を受賞するなどして「今この人が本を出したら喜ぶ人や応援してくれる人がたくさんいそうだな」と思ったタイミングで声をかけました(エッセイ)

もともと注目していた書き手がSNSでいわゆるバズった状態になり、急いで連絡した。※バズったら連絡するというわけでは決してありません(エッセイ)

こちらの企画にあった情報を持っている(ビジネス/デザイン/テクノロジー)

編集者の目にとまりやすくなるために、クリエイターができること

アンケート結果から見えてきた、編集者に見つけてもらいやすくなるポイントを、3つにまとめました。

1. アカウント全体を整える

編集者は気になったクリエイターの背景を知ろうとします。そのときに必要なのが「作品情報」「作者情報」。また、「ネガティブな投稿が多いと起用に慎重になる」という意見もあるため、ふだんの投稿も見られていることを前提とした発信を心がけましょう。

編集者のコメント

連絡先(メールアドレス)やコンタクトフォームがあると連絡しやすくてありがたいです!(エッセイ)

実績がまとまっていると自社で企画立案できるか参考にしやすいです(小説)

「商業連載したい」「書籍化してほしい」などの意思がわかると、編集者側も声をかけやすい(エッセイ/漫画)

SNSでの発信が攻撃的、不安定、偏向が強いと避ける対象にはなると思います(ビジネス/ルポ/ニュース/コラム)

たとえば「科学ライター」「4コマ漫画家」など肩書きで検索にかけることもある。シンプルな肩書きを入れておくとヒットしやすい(エッセイ/漫画/レシピ/ライフスタイル/子ども向け学習書)

ポイント
SNSやnoteなどのプロフィール欄に自己紹介・連絡先を明記する
実績、受賞歴、ジャンル、更新中の作品などを簡潔にまとめる
SNSの投稿も含めて、一貫性のある発信を心がける
「書籍化したい」など、やりたい仕事があれば発信する

 2. 「自分だけの強み」を明確にする

アンケートでは、「オリジナリティのある感性を求めている」「タイトルに惹かれると読みたくなる」というコメントが多く見られました。ぜひ「自分にしかできない表現」を追求してみてください。

編集者のコメント

ほかのひとにない明確な強みがあるひとは声をかけやすいです。あるジャンルに誰よりも詳しそう、伝説のライブや騒動の現場に居合わせた、など(ビジネス/ルポ)

オリジナリティのある方。作品自体だけでなく、手法や発想もオリジナリティの一種と考えています(ビジネス)

唯一無二感がある。意欲がある。素直。嘘をついていなさそう。誠実そう。いい人そう(エッセイ)

ポイント
独自の視点、文体、描写、キャラクター設計などオリジナリティを出す
何を大事にしているクリエイターなのかという思想性や価値観を明確にする
専門的な知識がある、特定のジャンルに詳しいなど「わかりやすい武器」がある

3. 作品を発表しつづける

編集者たちがクリエイターの情報発信でもっとも重視しているのは、「どんな作風か」「継続的に活動できるか」がわかることです。「Xに作品をあげてくれていると助かる」「投稿が1作のみより複数ある方が安心」などの声が多数ありました。

編集者のコメント

長くお付き合いできる作家さんを求めているので、一作品のみを投稿されている方より複数作を投稿していらっしゃる方のほうが、お声がけしたいなと思う頻度が高い(小説)

SNSで作品をたくさん挙げてほしい。やっぱり作品がないとどういう作風かわかりにくい(漫画)

「これからもたくさん書いてくれそう!」と期待ができるので、コンスタントに作品を発表していることは重要です(エッセイ/小説)

ポイント
SNSや投稿サイト、note、ブログなど、作品を読める場を設ける
一作品だけでなく、継続的に作品を発表する
完結まで書き切る、絵を最後まで描くなど、作品を完成させることを意識する

プロとして活動しつづけるためには?

編集者が求めるクリエイター像には、単に作品が上手いだけでなく、「一緒に仕事ができるひとか?」という視点がある点も見逃せません。「売れることに向き合えるひと」「編集者と建設的なやりとりができるひと」など、プロ意識に関する評価軸も多く見られました。

編集者のコメント

独りよがりにならないこと。商業で描く場合は売れることが大前提なので、編集者の意見に耳を傾けること(すべて編集者のいうとおりにしなければならないということではありません)。修正や出し直し等に手間を惜しまないこと。自分の感覚を常にアップデートできるように意識すること。流行っているものに敏感であること(漫画)

未完の作品をたくさんではなく、1つの作品をしっかり完結できているかどうか? ひとりよがりになっていないか? 客観的な視野を持てているかどうか? ナド(小説)

自分の書きたいことを時代に求められるエンターテインメントに昇華でき、ちゃんとプロとして社会性があること(小説)

面白いものを作れるアイデアはもちろんなのですが、もう少しそうではないところの話もすると生産力。大きなヒット作を出していらっしゃる方は除きますが、新人〜中堅の方などは、筆の速さは求められると思います。月刊の少女漫画で大体月産30pですが、作画作業だけで考えた時に、月産45pくらいまでかけるとおそらく安心です。また、連絡をしっかり取れること。報連相ができること。できないことをできないということなど…。できることとできないことが、しっかりご自身でわかっている作家さんは強いなと思います。最後にやる気(漫画)

他の動画やアーティストと明確に差別化された点が内容やテーマとして存在していること、また、実証不可能な非科学的なテーマに走らないこと(エッセイ/小説/ビジネス)

自分の考えや表現を世に問うていく勇気が求められるのではないかと思います(ビジネス/IT実用)

メンタルの強さこれにつきる(漫画)

継続性、柔軟性と信念の穏やかな同居、特定分野での存在感。継続的な告知、本人もしくはつながりがある人に、特定分野での発信力があること(エッセイ/レシピ/ライフスタイル/写真集、画集、イラスト集)

社会と読者に何かを訴えかけたいという意思と、自身のエネルギーの源泉を大切に守り続ける意志、そして自身のエネルギーの源泉(前向きなものであれコンプレックスであれ)を客観視し続けられる冷静さ(エッセイ/小説/ビジネス)

一緒に作る、一緒に売る、長い目で物事を捉える、という姿勢や覚悟(エッセイ/小説/レシピ/ライフスタイル/旅)

やはり、コミュニケーション能力だと思います。商業化する際は、どうしても多くの人との関わりが生まれます。その後作品が発展していくのであれば尚更(エッセイ/小説/漫画)

多くのファンができるまで、いえ、むしろできてからも、作品を磨き続けられるか、工夫ができるか、情報発信し続けられるか、人の声に耳を傾け吸収できるか、これらが自然にできる人がご活躍されています(ビジネス)

書き続ける力。そのための状況をつくる力(レシピ/ライフスタイル/ビジネス)

ポイント
他者のフィードバックを受け入れ、商業の枠組みで動ける柔軟性
読者を意識した構成や演出ができる共感性
締切を守れる/完結させられる/熱意を持続できるなどの信頼性

おわりに

編集者はつねに「一緒に作品をつくりたいクリエイター」を探していて、その目はSNSや投稿サイト、公募コンテスト、リアルイベントなど、あらゆる場所に向けられています。

今回のアンケート結果から、時代を読み、作品を磨き、発信しつづけることが編集者と出会うチャンスにつながることがわかりました。日々のコツコツとした創作の積み重ねが、デビューへの一番の近道といえそうです。

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