見出し画像

自分の会社に、値段をつけてみた——決算書で会社を読むシリーズ① BS編

〜「潰れない会社」の正体は、儲けではなく"財産表"に出る〜

※この記事は、これまでの無料シリーズ(PERやねだんの話)の一歩先、「自分で決算書を開いて会社を読む」実践編の第1回です。題材として私自身が経営する会社を使いますが、特定を避けるため、業種や正確な金額はぼかして書きます。読みたいのは「会社の正体」ではなく「読み方」のはずなので、それで十分に伝わります。

はじめに:なぜ「自分の会社」を題材にするのか

株の本やネット記事で「PERを見ましょう」「自己資本比率を見ましょう」と言われても、いまひとつピンと来ない。数字が、生きていないからです。

そこで今回は、生きた実物を使います。私自身が経営している、ある中小企業。業種は伏せますが、ひとつだけ特徴を言うと——かなり"守りが堅い"タイプの会社です。借金がほとんどなく、現金を厚く持ち、利益率も悪くない。

この「守りが堅い会社」を題材に、決算書の中でも特に大事な**BS(貸借対照表)**の読み方を、一緒に見ていきます。そして最後に、この会社に実際に「値段」をつけてみます。経営者が、投資家の目で、自分の会社を値付けする——なかなか見られない実演だと思います。

読み終わる頃には、あなたも気になる会社のBSを開いて、「この会社は潰れないか」「いくらの価値か」を、自分の頭で考えられるようになります。

そもそもBSとは何か——「財産のスナップ写真」

決算書には大きく3つの表があります。PL(損益計算書=どれだけ儲けたか)、BS(貸借対照表=何を持っているか)、CF(キャッシュフロー計算書=現金がどう動いたか)。

このうち、ニュースや記事で語られるのはたいていPL(売上・利益)です。でも、会社が「潰れないか」を見るには、PLよりBSが重要です。

BSを一言でいうと——「今この瞬間、会社が何を持っていて(資産)、いくら借りていて(負債)、差し引き正味いくらか(純資産)」を写した、財産のスナップ写真です。

家計で例えましょう。あなたの家計のBSは、こうです。

  • 資産:預金、車、持ち家など「持っているもの」

  • 負債:住宅ローン、自動車ローンなど「借りているもの」

  • 純資産:資産から負債を引いた「正味の自分の財産」

会社もまったく同じ。BSの左側に資産、右側に負債と純資産が並び、左右は必ず一致します(だから「バランスシート=BS」)。

PLが「1年間でいくら稼いだか」という"期間の成績"なら、BSは「今いくら持っているか」という"瞬間の体力"。稼ぐ力(PL)と、潰れない力(BS)は、別物なのです。

サンプルで読む①:自己資本比率——「自前の金で回っているか」

ここから先は

6,410字

¥ 500

Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?