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「よかったね〜」

昨日は、夫の病院に同行した。

手術が難しい癌に対して行う、温熱療法の病院へ初めて行った。

東京の病院でのセカンドオピニオンも控えているから、まずは話だけ聞いてみるつもりだったが、
夫は「まず1回やってみる」と決めた。

高熱を与える治療なので
かなり体力を消耗すると聞いていた。

でも今のところ
夫にはそれほど大きな疲労感は見受けられない。

そして今朝は
抗がん剤治療の病院予約が朝8時半だったので、
夫は6時半には家を出て行った。

私はまだベッドの中。

夫は私を起こさないように
そっとそっと動いていた。

でも途中で何かを落としたらしく
突然ものすごい音がした。

私は目を覚ましたけれど
そのまま起き上がらずにいた。

しばらくすると
夫がまた静かに動き始め
そっと玄関を出て、
最後に鍵を静かに閉める音が聞こえた。

そんなところにも
夫の優しさを感じる。

そして
ちょっとおっちょこちょいなところも。

なんだか
そんな全部が愛おしい。

夫が病気になってから
夫の優しさや愛情を
以前より深く感じるようになった。

夫自身は
何も変わっていないのだと思う。

変わったのは
きっと私の受け取り方だ。

夫が何かしてくれて
私が「ありがとう」と言うと
夫はいつも
「よかったね〜、よかったね〜」
と言う。

決して
「どういたしまして」
みたいな空気を出さない。

私は初めてその言葉を聞いた時
かなり驚いた。

こんなに恩を着せない返し方があるんだと思った。

逆に
私が失敗して迷惑をかけて
「ごめんなさい」と言うと
夫はいつも
「全然問題ない」と言ってくれる。

でも
たまに真面目な顔で
「注意しないとだめだよ」と言われると
それはそれで妙に効く。

押し付けるわけではなく
責めるわけでもなく
自然に気づかせてくれる。

自然に励ましてくれる。

自然に安心させてくれる。

私は夫と一緒にいることで
少しずつ人間的に成長している気がする。

ありがたいことだ。

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