見出し画像

[SS] おせっかい

こういうのをおせっかいって言うんだろう。
だから、めんどくさいって言われるんだよな。
自分でもそう思う。

でも、放って置けない。

きっと、屋上だ。
ローファーの底が階段を弾く。
反響する音。
一気に、1階から4階まで駆け上がった。

そのままの勢いで
勢いよく屋上のドアを開けた。

いた。

由美はフェンスの側
俯いたまま、ぺたっと地べたに座り込んでいた。

「由美!」
息を切らしながらも大きめな声で呼びかける。
俯いた顔がゆっくりこちらに向いた。

破裂しそうな心臓の鼓動。
抑えるようにゆっくり近づく
私もぺたっと隣に座った。

目が潤んでいる。
今にもこぼれ落ちそうな涙。

声をかける間もなく、由美がしがみついてきた。

震える体。
少し痛いくらい力強く。

「.....、告白したの?」
顔を私の胸に埋めたまま、頷いた。

「返事は?ちゃんと聞いた?」
首は横に。

「そっか....。」
体の震えはおさまっているようだ、腕の力も徐々に抜けていく。
由美は隣に座り直した。

私はスマホをポケットから取り出す。

「ちょっと待ってて。」
由美は小さく頷いて、そのまま俯く。
私は階段に向かう。

ふう。

メッセを開いて、先輩にメッセージを送る。
「由美いました、屋上です。」
より大きな音。
2段飛ばし、3段飛ばしで、2階の踊り場に急いだ。

返信の通知。
「今教室。すぐ行く。」
2階の踊り場。
廊下の向こうから、私とは違う靴の音。
より力強く、少しずれたリズム。

先輩。

「よろしくお願いします。」
私は先輩に大きく頭を下げる。

靴が階段を弾く音。
踊り場に反響する。
私より、大きくて、早い。

校門の両脇には満開の桜が咲いている。
そういえば、入学式もこんな感じだった。

前髪が乱れるくらい大きな風が吹く。
春一番、だろうか。
桜の木は風に揺れて、花びらが舞った。

スマホに通知。
「ありがとう。」
由美から一言だけ。
その後には先輩と並んで撮った笑顔の写真。

「本当、世話焼けるんだから。」
スマホをポケットにしまった。


こちらの企画に参加させていただきました。
ありがとうございます。


いいなと思ったら応援しよう!