対話の中で、理解は育っていく――立野会長と学ぶ『経験代謝』リフレッシュセミナー全3回を振り返って
こんにちは。日本キャリア開発協会 公式noteです。いつもご愛読いただきありがとうございます。
2026年1月から5月にかけて、「立野会長と学ぶ『経験代謝』リフレッシュセミナー」を全3回にわたり開催しました。
ご参加いただいた皆さま、あらためてありがとうございました。
今回は、この3回の時間を振り返りながら、そこで立ち現れてきた学びを、少し言葉にしてみたいと思います。
「理解する」から「受け止める」へ
「経験代謝」という言葉に触れたことはあっても、どこか抽象的で、捉えどころが難しいと感じたことはないでしょうか。
今回のセミナーは、その距離を少しだけ縮めるような時間だったように思います。
理論を説明するのではなく、対話の中で、自分の感覚と照らし合わせながら考えていく。
「こういうことかもしれない」と、自分の中に仮の理解を置いてみる。
そんなプロセスを何度も行き来しながら、少しずつ輪郭が見えていくような時間でした。
第1回:言葉にすることで見えてくるもの
最初の回では、対話そのものが中心にありました。
誰かの問いに応じて言葉を選び、それを声に出してみる。
そのとき、自分でも気づいていなかった考えや感覚が、ふと立ち上がってくることがあります。
「話しながら考える」という体験の中に、すでに「経験代謝」の営みが含まれているのかもしれません。
自分の言葉を、自分で受け止めていく。
その繰り返しが、理解をかたちづくっていきます。
第2回:「ゆらぎ」はどこから生まれ、どこへ向かうのか
2回目は、事例を手がかりに、相談者の中に生まれる「ゆらぎ」に目を向けました。
ある経験が、こころを揺らす。
その揺れは、どのように言葉になり、どのように変化していくのでしょうか。
印象的だったのは、相談者が自分の変化を“歌詞”に重ねて感じていた場面です。
自分のための言葉が見つからないとき、別の誰かの表現が、自分の内側にそっと触れてくることがあります。
それは、単なる共感ではなく、自分の経験をあらためて見つめ直すきっかけにもなり得るのではないか。
そんなことを、参加者の皆さんと一緒に考えた時間でした。
第3回:「自己概念」と向き合うということ
3回目は、「自己概念」と「借り物の自己概念」というテーマが扱われました。
人は、自分のことをどのように捉えているのか。
そしてその中には、どこか外から受け取った言葉や価値観が、混ざり込んでいることはないでしょうか。
同じ言葉を読んでも、感じ方は人それぞれです。
ある人にとって自然に受け取れる言葉が、別の人にとっては引っかかりをもたらすこともあります。
その小さな違和感に目を向けていくことが、自己概念の揺れや変化につながっていく。
そして、だからこそ、「次にどのような言葉を手渡すか」が大切になってくるのだと感じました。
「心の命」を見つめるという視点
セミナーの中では、「心の命」という表現も共有されました。
身体の状態は、比較的わかりやすく表に現れます。
一方で、心の状態は、見えにくく、言葉にしづらいことも多いものです。
知らないうちに疲れが重なっていたり、小さな違和感を置いたままにしていたり。
そうした状態を、誰かとの対話を通じて見つめ直していく。
キャリアカウンセリングには、そんな役割もあるのかもしれません。
対話の中で育っていくもの
3回を通して感じたのは、誰かの言葉が、別の誰かの問いを生む、という連なりでした。
一つの発言が、場の空気を少し動かし、そこからまた新しい視点が開かれていく。
正解を見つけるというよりも、それぞれの理解が少しずつ広がっていくような時間。
学びとは、そのようにして育っていくものなのかもしれません。
これからに向けて
「経験代謝」は、知識として覚えるものというよりも、日々の中で繰り返し受け止めていく営みなのだと感じています。
だからこそ、一度で理解しきる必要も、急ぐ必要もないのかもしれません。
それぞれの現場での経験に重ねながら、少しずつ、自分なりの意味を見出していく。
そんなプロセスを支えられる場を、これからも丁寧に育てていきたいと考えています。
ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
またどこかで、同じ問いを囲みながら考える時間をご一緒できたらうれしく思います。
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