原子力の危険な近未来。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:前回に引き続いて、原子力のビジネス利用が勢いづいているお話。巨大IT企業が次々に原子力エネルギーに触手を伸ばしている。AIの勝負は原子力が唯一の答えだからだ。でも、これで原子力エネルギーが明るい未来を拓くなどと思ってはいけない。近未来のワーストシナリオ(最悪のシナリオ)は、やはり事故だろう。
AIに不可欠な原子力エネルギー
AIはAIモデルに新しい情報という餌をやり、教育する必要があり、そのために莫大なエネルギーが必要になります。
再生エネルギーは風だとか、日光など、天候に左右されるし、ますます貪欲にエネルギーを食べるAIにはもはや使えない、というところでしょう。

主に原子力エネルギーは、フル稼働するデータセンターのコンピューターシステムを冷却するために使われます。
しかし、しょせん資本主義は目先の利益しか考えておらず、長期の問題には目もくれません。
原子力エネルギーの長期的問題とは
1.新しい原子炉の高いコスト
コスパを考えてIT企業は、まず小さな原子炉を一つ2つ買って、足りなければ買い足す戦略です。

それでも原子炉はオペレーションを含めると、莫大なコストがかかります。
これでは巨大IT企業だけが、原子力エネルギーの恩恵をうけて、ますますGAFAMたちがAI市場をも独占するでしょう。
2.工事の遅れ、予算オーバーが常態化
アメリカは1960年から2500の原発の製造に着手しましたが、完成してエネルギーを供給しているのは半数に過ぎません。
予算オーバー、工期オーバーで半数のプロジェクトが空中分解しています。
アメリカは最近20年では、2基の原発にしか着手しておらず、いずれも予算、工期オーバーで完成をみておりません。
この事実は、原発一基創るのに大変なカネと時間と工期がかかり、完成までにかかる時間も予測できないことを示しています。
3.使用済み原子燃料の保管場所の不足
使った原子燃料はやはりカスが残ります。
これをどこに置くのか。消費した 電子の燃料の保管場所 の問題は、解決していません。
原子力発電の近未来予測
長期的な問題が解決されてない中、原子力のニーズだけが爆発的に高まっていますから、自ずと原子力発電の未来は明るいものにはならないでしょう。
それを踏まえて、予測してみましょう。
1.巨大IT企業の市場独占が強まる
申し上げたように、原子力エネルギーの獲得を巡ってAI業界の競争はどんどん激化し、結局はカネを持ってるGAFAMたちがレースを有利に運ぶでしょう。

2.スタートアップがゲームチェンジャーになる
ニューヨーク・タイムズなどは、競争力のある小型炉を開発しているスタートアップの台頭を指摘しています。
マイクロソフトは最近、ワシントン州シアトル地区のスタートアップ、ヘリオンエナジー(Helion Energy)を2023年買収しました。
この会社は2028年までに、世界初の核融合エネルギーの供給を目指しています。

核融合エネルギーとは、太陽や恒星がエネルギーを生み出すのと同じ原理で、2つの原子が1つになるときに起こる反応だとのことです。(ネットより)
この調子だと、原子力に代わる、クリーンエネルギーを創ることができる、ベンチャー企業が出てこないとも限りません。
3.原子力事故が増える
原子力エネルギーは、安全なのか。
試しにAIに聞いてみると、「原子力エネルギーはより安全により信頼できるようになっている」などと言っていますね。
これは、ウソですよ、あきらかに。
IT関係者が、都合の良いデータしか読み込ませてないのがよくわかりますね(笑)。
そもそも、アメリカでも原発建設が半数が中途でポシャったり、工期が延びたり、予算オーバーで、さながらポンコツ建築プロジェクトのオンパレードです。
最新鋭の原発がやっとこさできたとしても、爆発的なエネルギー需要に供給が追いつかず、様々な無理が生じ、原子力エネルギー施設での故障やトラブルが頻発するのではないでしょうか。
このままだとアメリカで原発事故が起こる?
AIモデルは、どんどん新しいデータを食べさせて学習させるスタイルはかわらないとすると、これからますます原発や原子炉製造の需要が大きくなるでしょう。
しかし、上記した長期の問題は解決しておらず、莫大な設置コストを誰がどう調達するのか、予算や工期がはみ出したときの問題、使用済み燃料保管の問題など、長期リスクは消えません。
しかし、巨大ITとりわけメジャーなAI企業は、無理やりここを突破しようとするでしょう。
カネが命、だからです。

新エネルギーテクノロジーをたずさえたスタートアップをこれからもカネにませて買収しまくり、消費済エネルギーのことなど考えず、エネルギーを補充しまくり、使いまくるでしょう。
その結果、原子力エネルギーで結局は人類破滅、SF小説でなく、このシナリオが現実味を帯びてきました。
AIなんてなくたっていいのに、人間の楽したい欲望でこれからどんどん発展するでしょう。
原子力エネルギー供給の長期的なリスクは消えておらず、リスクのシュミレーションすら不十分で、ビジネス拡大の欲望だけがますますどんどん大きくなっていったら、どうなるのでしょう。
世界中に原発が爆発的に増え、原子炉の製造も激増することは間違いなく、世界中で原発事故が頻発し、人類は自爆の道をたどる・・・欲望とともに人類も消えるのでしょうか。
こういうシナリオにならないといいな。
野呂 一郎
清和大学教授
