原油は確保できた。でも次は「レアアース」が危ない
〜中国から届かなくなったら、自動車・半導体・ロボットまで止まる──日本が抱える「資源の弱点」〜
はじがき
日本の資源問題と聞くと、
「石油がなくなったら大変だ」
と思いますよね。
ところが今、もう一つ警戒すべき資源があります。
レアアースです。
2026年6月、高市首相は、中東情勢が緊迫するなかでも代替原油の確保にメドが立ち、備蓄も含めれば石油の安定供給が可能との見通しを示しました。
これはひとまず安心材料です。
しかし月刊誌『選択』7月号の記事を読むと、日本には別の「急所」が残っています。
それが、中国への依存度が高い重要鉱物です。
STEP1|そもそもレアアースって何?
簡単に言えば、
ハイテク製品を作るために欠かせない特殊な金属資源です。
たとえば、
EVやハイブリッド車のモーター、
スマートフォン、
ロボット、
風力発電、
電子機器、
防衛装備。
目立たない存在ですが、現代産業の「ビタミン」のようなものです。
少量でも、なくなると困る。
だから重要なのです。
STEP2|なぜ中国が重要なのか?
問題は、レアアースが中国だけに存在することではありません。
本当のポイントは、
中国が採掘だけでなく、分離・精製・加工まで強いこと。
鉱石を掘っただけでは製品には使えません。
使える材料へ加工する工程が必要です。
その部分まで中国への依存が大きい。
だから中国からの供給が滞ると、日本企業にも影響が及びます。
STEP3|「値上がり」より怖いことがある
ここを勘違いしてはいけません。
レアアース不足で怖いのは、
「値段が上がること」
だけではありません。
部品が作れなくなることです。
自動車には何万点もの部品があります。
しかし、その中の小さな部材が一つ欠けても完成車は作れません。
つまり、
小さな資源不足が、大きな工場を止める。
これがサプライチェーンの怖さです。
STEP4|「別の国から買えばいい」は簡単ではない
では、
「中国以外から買えばいい」
と思いますよね。
ところが簡単ではありません。
鉱山開発には時間がかかる。
精製工場にも巨額のお金がかかる。
環境問題への対応も必要です。
しかも平時なら、中国から買う方が安い場合も多い。
企業からすれば当然、
「安いところから買う」
となります。
ところが有事になると、その効率性が弱点へ変わります。
安さを優先しすぎると、いざという時に困る。
ここが資源安全保障の難しいところです。
STEP5|日本に必要なのは「脱中国」だけではない
だからといって、
「中国から全部買うな」
という単純な話でもありません。
重要なのは、
調達する国を増やす。
重要鉱物を備蓄する。
日本や友好国で加工できるようにする。
使用済み製品から回収する。
少ないレアアースで作れる技術を開発する。
つまり、
「一つの国が止まっても、日本の工場は止まらない」
仕組みを作ることです。
全体総括
石油を確保できた。
それは重要です。
しかし、日本の資源問題は石油だけではありません。
レアアースが止まれば、
自動車、半導体、ロボット、エネルギー、防衛産業まで影響する可能性があります。
月刊誌『選択』の記事を読んで、最も考えさせられたのはここでした。
日本が目指すべきは、
「世界で一番安く買える国」ではなく、
「何か起きても作り続けられる国」ではないでしょうか。
資源のない日本だからこそ、
安さだけでなく、
「止まらない仕組み」にお金を使う。
これからの経済安全保障で、本当に問われるのはそこだと思います。
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