𓂃𓈒𓏸 𝐍𝐎𝐎𝐊 𝐋𝐄𝐓𝐓𝐄𝐑 𓂃𓈒𓏸 2023年12月号

定期購読マガジン 『𝐍𝐎𝐎𝐊 𝐋𝐄𝐓𝐓𝐄𝐑』 12月号をお届けします!

NOOKの活動をもっといろんな方に知ってもらう機会になればと、𝐍𝐎𝐎𝐊 𝐋𝐄𝐓𝐓𝐄𝐑をつくることにしました。月に一度の配信となります。
ご購読いただいた売上は、NOOKの活動を継続するための資金として使わせていただきます。またNOOKのWebサイトより、直接ご寄付いただくことも可能です。わたしたちの活動はちいさなものですが、この記録組織を変わらずに続けていくために、どうかご支援いただけますと幸いです。

𝐍𝐎𝐎𝐊 𝐋𝐄𝐓𝐓𝐄𝐑限定のコンテンツは現時点で大きく3つになります。

語らいの記録 ✎𓂃
『語らいの記録』では、多くの旅を通じて出会った語りを絵画や文章で記録し続けている画家・作家の瀬尾夏美が、毎月ひとつの語りを取り上げ、その語りが生まれた空間をやわらかな文章で編み直します。

今月の絵手紙 𓍯
『今月の絵手紙』では、画家・作家の瀬尾夏美と、美術作家の佐竹真紀子が毎月担当を交代しながら、ドローイングを交えたみなさまへの絵手紙をお届けします。

今月のエッセイ 𓅯 ⸒⸒
『今月のエッセイ』では、主に劇作家・演出家である中村大地、映像作家の小森はるか、リトアニア在住の美術家 磯崎未菜、美術・メディア研究者、映像作家の細谷修平が、交代でエッセイを執筆します。自身の活動についてや、最近ハマっていること、海外での驚きの出来事など、それぞれの視点から紡ぐ季節のエッセイをお楽しみください。

他にも、 NOOKメンバーにやってみてほしいこと、聞きたいこと、お願いしたいことなど、新コーナーのアイディアをいつでも大募集しております。各SNSでのリプライや、ハッシュタグ #NOOKLETTER にて教えてください。❀´-

今月のラインナップ

語らいの記録:
「学べ、学べ、学べ。(伊江島のおばあ)」
(瀬尾夏美)

今月の絵手紙:
「広島市南区似島」(瀬尾夏美)

今月のエッセイ:
「阿賀のほとりで『阿賀に生きる』と出会い直す」(小森はるか)


それではさっそく、瀬尾さん書き下ろしの語らいの記録からどうぞ。


語らいの記録 ✎𓂃

6. 「学べ、学べ、学べ。」

(伊江島のおばあ)

沖縄本島・本部港からフェリーでおよそ30分、北西9kmに位置する伊江島はうつくしい島で、港には観光客を歓迎する垂れ幕がひらひらと揺れていた。
島のシンボルでもある城山を登ればその全体が見渡せ、四方を囲む青い海に手が届きそうである。街場はコンパクトにまとまっていて、そこへ人びとが行き交っている。周囲には丁寧に耕された畑が広がり、あちこちに花が咲いている。そして、西側の草地のように見える巨大な敷地は、米軍基地であるという。
城山に登る前、土産物屋から出て山頂を見上げたわたしが、不思議な形をした山ですね、と言うと、この島に住む友人は、戦争の前は違ったらしいですよ、と答えた。沖縄本島からもよく見えるこの山は古くから航海の目印とされ、島の人びとにとっては信仰の対象でもあるというのに、戦時には激しい攻撃に遭い、輪郭が歪んでしまったのだという。
あの中学校はぼくの母校なんですが、あのあたりが、「血塗られた丘」と呼ばれた激戦地です。そしてあっちが、――
このうつくしい風景のいたるところに、ほとんど隅々までに、戦争の傷が刻みこまれている。

ここから先は

4,247字 / 2画像

一般社団法人NOOKによる、NOOKを支援してくださるみなさまへ向けた月に一度のオンラインマガジン。2023年7月15日に開始します。

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?