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社会問題『虐待の後遺症』について

記事更新がだいぶ空いてしまいました!が、
今回は非公開になってしまった、当事者スピーチの内容を記事にしてお届けしたいと思います。

公開されたのは昨年、2024年夏。それから1年経ってワークショップなどを経験して修正・追記したところも含めて、こちらに残したいと思います。

私は歌うことが好きな子どもで、10代から音楽活動をしていました。
ひとり旅も好きで、ギター片手に海外に行ったこともあります。
東京で一人暮らしをしてからは本当に楽しくて、
色んな集まりに顔を出しました。
色んな人に会って話して、自分の知見を広げることが大好きな人間です。

その一方で、

私は、保護をされないまま大人になった虐待サバイバーです。

母から暴力を受け、怒鳴り声が絶えない家で、育ちました。
「産んだことを後悔してる」と言われた日のことは忘れられません。

一緒に暮らしていた祖父母からは「我慢するしかないんだ」とそう、言われていました。

9歳の時、習い事の先生に送った長文の相談メール。しかし返信はありませんでした。先生を困らせてしまったのかもしれない、
私のされていることはそんなに酷いものではないのかもしれない…
そう思った私は助けを求めることをやめました。

大人になるまでの我慢だ、そう自分に言い聞かせて、生きのびました。

大人になれば、この地獄から抜け出せる。その先には自由が、薔薇色の人生があるんだと、そう信じていました。

しかし、今、私は後遺症に苦しめられています。

虐待は、脳を変形させることが医学的にわかっています。

私が言いたいことは1つです。

虐待は子ども時代だけの問題ではありません。一刻も早く、被害者を見つけ出して、支援に繋げてください。

私は、大学卒業後、働き始めました。
しかし、職場ではいつもコミュニケーションがうまくとれない。ちょっとした事で泣いてしまう。頑張りすぎてしまう…そのうち立場は弱くなり、仕事に行くのが苦痛になりました。
自暴自棄になり、お酒に溺れ、抑うつ状態になりました。
働かずには生活ができない。
でも、私には頼れる実家がありませんでした。

物心ついた時からしにたいと思うことなんていくらでもありました。だからこれが医療につながるべきなのか?それくらい深刻なものなのか、自分では判断ができなかったんです。

精神科や心療内科に行くのは敷居が高いと思っていませんか?
家族を通わせたがらない人もいます。
うつは甘えだと、いまだに言う人もいます。
私も、最初は抵抗がありました。でも、今ではもっと早くに、治療を受けていればよかったと思っています。
自分がだめなんだ、甘えちゃだめだと思って沢山本を読みました。自己啓発セミナーにも参加しました。
でも、私に必要だったのは治療でした。

脳の変形は防衛反応だとされています。

引用元: 大人の不適切な言葉が子どもの脳を傷つける~マルトリートメント~ https://hoiku.sho.jp/192926/

例えば、前頭前野。
ここは感情や涙のコントールを司る部分です。
しかし、体罰を受けることによって萎縮してしまうとそのコントロールがしにくくなる傾向があります。つまり、涙脆くなったりカッとしやすくなったりしてしまうわけです。

また、聴覚野は、暴言を聞かされることによって肥大します。
これにより些細な音に過敏になり、神経質になったり、それによりうつ状態になりやすくなる傾向があると言われています。

そして、その脳は治療を受ければ元に戻ることもあると、近年の研究で明らかにされています。

しかしどうですか?
このような虐待が脳の変形をもたらすとどれくらいの人が知っているでしょうか?医療を受ける大切さを、重要な成長期に受けた脳のダメージをいかにその後回復させるのが大変なのか、一般的にそれらは理解されていません。
この知識が当たり前のものになって欲しいと発信活動をしています。

私の場合は、転職を何回も繰返しながらも、活躍できる仕事に出会うことができました。
26歳の時でした。でも、それから2年後、朝起きるとベッドから起き上がれなくなっていました。これはおかしいと、さすがに自分でも気づいてそこでようやく医療につながることができました。
しかし、すぐに良くなることはなく、引継ぎ等もちゃんとできないまま退職することに運びになりました。

そう、この問題は決して、当事者だけの問題ではありません。
皆さんにも無関係ではないのです
会社の同僚、部下、上司…
昔からの友達や、これから出会う恋人、仲間、娘や息子の未来のパートナーはどうでしょう? 
口にしていないだけで、自覚していないだけで、後遺症に苦しんでいる人は、います。そうだった場合、ぜひ医療へかかるハードルを低くしてあげてほしいと思うんです。
私みたいになる前に。

虐待と聞いて、真っ先に浮かぶのは体罰かもしれません。しかし、トラウマ反応が最も重篤なのは、心理的虐待だとする論文もあります。

参照先:友田明美教授*被虐待者の脳科学研究

兄弟と比較されて傷ついたことはありませんか?目の前で両親が酷い喧嘩をしていて怖い思いをしたこと、ありませんか?

昔はよくあることだった?そう言い続けた結果、2023年の実態調査では、虐待サバイバーの5割超が年収100万円以下だというデータもあります。
20代から60代を対象としてのそのアンケートでは、回答者のおよそ7割がいまも精神科に通院中だというのです。
データ引用先:一般社団法人Onara「社会的養護未経験児童虐待被害者の実態調査アンケート統計データ」

ただでさえ少子高齢化の日本で、働き手を減らしてしまっている大きな社会問題だと、私は思います。

思うように働けなければ納税もちゃんとできません。

一方で、国も動き始めています。

2024年4月から、子ども家庭庁はそれまで22歳だった年齢上限と社会的養護出身者という制限を撤廃しました。

私のような社会的養護出身ではない虐待被害者にも、支援が行き届くようにと、制度の対象者を広げつつあります。

参照先:改正児童福祉法が成立 自立支援、18歳上限を撤廃
参照先:こども家庭庁「社会的養護経験者等への支援に関するガイドライン」について

私は、治療を受けはじめて早くも4年が経ちます。
そのうち、働けなかった丸2年間、年収ゼロでも傷病手当、失業保険のおかげで生き延びることができました。
後遺症を理解してからは働き方も変えて再就職できました。
でも結局、周りの理解を得られないことも多くありました。そして今も、その無理解に苦しんでいます。

私は、こんなに苦しむことになるくらいなら我慢しなければよかったと、後悔しています。

『子どもの時もっと大きな声で助けを求めればよかった』
『私も児童養護施設に入りたかった』
『一刻も早く、あの地獄のような家から救い出してほしかった』…

「お正月、実家には帰ってる?」
「親に電話はちゃんとしてる?」

若者に言っちゃいけない言葉の一例

その人にとってはただの世間話のつもりかもしれません。
でも、事情も知らずに親の味方をしないでください。

「親孝行しなきゃだめよ」
「親になれば気持ちがわかるよ。」

若者に言っちゃいけない言葉の一例

自分を守るために、距離をとっている子どもたちもいます。
その子どもたちに親不孝者のレッテルを、安易に貼り付けないでください。

親は尊敬すべきもの。
学校でそう教わりました。

先生に相談しても、交番に駆け込んでも、いつも親を悪く言うなんておかしいと言われました。

私だって好きで苦しんでいたわけではないんです。親を悪く言わなくて済むなら、そうしたかった。
でも、信じてもらえませんでした。信じてほしかったんです。味方になってほしかった。ど
うすればいいのか、一緒に本気で考えてほしかった。

虐待被害者はいつも暗い顔をして泣いているわけではありません。

数々の苦悩を乗り越えて前を向こうとしても、後遺症はハンデとして付き纏うんです。

お願いです。家族の話を聞く時、予期せぬ答えだったとしてもがっかりしないでください。自分の当たり前を押し付けないでください。
頼れる第三者があることを教えてください。
それはなにも恥ずかしいことじゃない。悩んでいるなら早く頼ってみるべきだと、励ましてください。

苦しんでいる子どもたちは自己責任なんでしょうか?
いいえ、それは親の、大人たちの問題です。

家庭の問題だと見て見ぬふりをしないでください。
それは社会全体の損失となり、この国全体に悪影響を及ぼしています。

どうか虐待問題の深刻さを知って、行動に変えてください。


ここまで読んでくださりありがとうございました。
よければSNS等でシェアしていただけると嬉しいです。

どうか、虐待の後遺症に苦しみつつも、甘えてるからだと自分を責める大人たちが少しでも減ってくれますように。
苦しむ子どもに我慢を強いる社会が変わりますように。これからも活動を続けていきます。

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