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テーマパークの時空の歪み方が好き

それはそれは久しぶりにたった1人で目覚めた朝。
すごく疲れた前日は、22時には寝ていたと思う。

自宅よりも分厚いかもしれない壁を隔てて隣の部屋で、娘たちはおじいちゃんとおばあちゃん(私の両親)とともに眠っている。

仕事や家事に追われるでもなく、娘たちに起こされるでもなく、両サイドから蹴られることなく思うがままにベッドを使い、すっきりさっぱり朝を感じて目覚めるだけでこんなに気持ちがいいなんて。

ああ、これぞ幸せ。

ううーん、と、無意識に窓辺へ歩み寄り、ちょっとわざとらしくカーテンを開ける。


まさか…?とは思ったが、さすがに誰もいない。

早朝5時半のディズニーランドの門の前。

でもちょっとよく見て!

そりゃそうだよね、よかったよかった。
と思っていたら、門の前に外套を着た人が2人。

「もう」なのか、「まだ」なのか。

おお、ディズニーは24時間営業…!と朝イチに驚く。



ちょっと明るくなってきたな、と思った20分後、朝6時前に外に目をやると、

いた。

おお…!いる…!!
思ったよりも多い…!

おおおおおお!
てか、門もあいてる!
そうか、その解錠作業だったのか…


6時にはディズニーの音楽が鳴り始めた。

6時からディズニーはディズニーとしての営業をスタートする。

そういえば昨晩も21時か22時までこれぞディズニーという音楽が聞こえていたような気もする。
開園から閉園までがディズニーじゃないんだ。
すごいなあ。


そこからは10分おきに見るたびに伸び続ける列、次の門が開いて手荷物検査を過ぎた先で待機する人、人、人。
なかにはベビーカーや小学生連れも少なくない。

並ぶ人の執念を放し飼いにしない、キャストさんの多さにも頭が下がる。
この一帯はディズニーしか無いのだから近隣からの苦情も無いだろうに、整備の方、手荷物検査の方、5時半に外套を着て歩いていた方。

前日に、たった15分の入場待機ですら音を上げた我が家には到底考えられない。
もはや待っているゲストたちにすら頭がさがる。


まだ2時間以上もあるのに。

ふと冷静になった。
おかしみが込み上げる。

きっと普段は起きてすらいないだろう人たちがこんなにも6時にフルスタンバイ。
それが異常でもなんでもないこの空間。

ここ限りにおける地域特化型の時間の重みの違い。

まるでダイナミックプライシング。
ダイナミックタイムとでもいえるこの独特の時空の歪み、時間感覚のズレを、こんなにも全員で共有できる空間の異常さがたまらない。


それが異質でもなんでもなく、こんなにも普通。
なんなら開園する8時半だって、普段なら朝も朝。


大の大人が9時から入場して19時には大フィナーレを感じられるなんて、普段の生活では考えられない。
いくら幼児に合わせた早寝早起き生活をしていたって、19時からが大人の時間だ。


この一種の共犯感覚がよりワクワクを醸成しているのかしら。

10分おきにカーテンの先を除いてはふふ、すごい、と思っていた私は、この感覚が好きなんだなと発見した朝。

ディズニーは5時半から始まってんだ。

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