見出し画像

レコード棚を自作した(長編DIY日記)

自部屋の古レコードの量も少しずつ増えてきて、これまでのように床に並べて置いているだけではスペースが足りなくなった。レコードはこれからも確実に増えていくだろうし、さすがに床にじかに置いている状態がレコードのために良いとも思えない。特に、去年6月に元気な子猫をうちに迎え入れてから、この身軽なチビちゃんがレコードの列の上に飛び乗って軽く爪研ぎをするのを何度か見かけて、いくらボロレコードとはいえジャケットがこれ以上ボロくなるのはちょっと見るに忍びない。そろそろちゃんとしたレコード棚を導入しよう、そして狭い部屋だからぴったり収まるように自作したいと考えるようになった。

DIYにはかねてから興味があった。ドゥー・イット・ユアセルフ、お前が自分でやれということだ。何事も自力でできればそれに越したことはない。古レコードを買ったり聴いたりすることは今の自分にとってものすごく大切な楽しみだから、自分で作った棚に収納できればさらに愛着が増すこと請け合いである。先月あたりから、ネットでレコード棚の作り方を調べたり、必要な寸法を測ったりと、じわじわ準備を進めていた。

棚を自作するのは初めてのことで、あまり手の込んだものは作れない。壁を背にして収納するから、木の板を縦と横に組み合わせた上下2段の四角い枠ができればそれでいい。オーディオを載せたちゃぶ台を真ん中にして、その左右に置く同じサイズの棚を2個作る。レコードジャケットのサイズは1辺が31.5cmの正方形で、オーディオの両脇のスペースにぴったり収まる棚の幅は55cm。これで大まかな寸法は決まる。木と木のつなげ合わせ方にも何通りかあって、棚の内側をL字金具でくっつけるのが一番簡単そうだったけど、レコードをしまうときに金具が邪魔になりそうな気がしたので、側面から木ネジで留めることにした。木材はどんなものがいいのか、厚さやサイズはどうすればいいのか、先週末に買い物ついでに建築業御用達っぽいお店に潜入して偵察してみた。

見た中では上の写真の「パイン集成材」一択という感じだった。少し値が張るけど、レコードの重みでたわんだり割れたりしては元も子もない。厚みは18mmあれば良さそう。幅は300、350、400……と50mm刻みで売られていて、レコードジャケットの大きさが315mmだから、350mmでいい。家に帰って、木材の厚み(18mm)を計算に入れた設計図を書いてみた。

汚い手書きをお見せして申し訳ない

ここまで決まればあとは実行あるのみ、と昨日はこの設計図を持って最寄りのカインズに行った。必要な板は、長さ754mmのものが4枚と、長さ514mmが6枚。幅はすべて350mm。これだけ決まっていれば、必要な長さの板を買ってレジに持って行き、その場でカットをお願いすることができる。希望の切り方を書いた図を渡して、あとは店員さんにお任せである。

長さ1820mmの板3枚と、910mmの板1枚で、合わせて10000円ちょっと

カットしてもらっている間、建築資材売り場をぶらぶら見て回った。2x4(ツーバイフォー)という木材の規格があって、それ用の金具などが色々と揃っていて、これを便利に組み合わせてあれこれ作れるようだ。今回の棚をうまく完成させて経験値を積んだら、挑戦してみるか。やっぱりDIY、楽しそうだな。

10分ほどで希望のサイズに切られた木材が返ってきた。カット料金は1回50円。必要なカットは7回で、350円払った。自分で大きな木材を正確に切る大変さを思えば、ずいぶんと安い。去年、東京に出張仕事に行ったとき、同じ部屋で一緒に仕事をした人がDIYに凝っていて、木材のカットはお店にやってもらえば楽だと教えてくれたのである。今回レコード棚を自作してみようと思ったのも、この人に感化されたところがある。

あとは、木ネジと接着剤、そして補強用のL字金具を買った。ネジや金具にも色々な種類があって、不慣れなので少しまごついたが、ネジはとにかく「万能」と書かれたものを購入。長さは木材の厚みの倍ぐらいがいいらしいので、38mmにした。

「強硬突破ビス」とは強そうだ

材料費は全部合わせて12,258円。既製の棚を2つ買うことを思えば安いものではないか。しかも、「木目調」ではなく本物の木でできた棚だ。木材を積んで帰る車内では木のいい香りがした。

帰ってすぐ、まず木工用接着剤で木材を棚の形に組んでしまう。昔の木工用ボンドは接着にかなり時間がかかったけど、「速乾」と書かれた接着剤を使ったら結構すぐにしっかりと接着されて、かなりさくさくと作業が進む。

作業を始めて30分ちょっとで棚板6枚を側板に接着できた。思ったよりずっと簡単である。一応、寸法がちゃんとしているか実際にレコードをはめて確認してみる。

非常にいい感じである。レイ・ブライアント先生も「うん、いいんじゃない」と言ってくれているようだ。この調子で、反対側の側板と棚板の接着まで一気に進める。

順調この上ない。もう、ほぼできたようなものだな。ぴったり接着するための重しにレコードを載せておいて、昨晩の作業はここまでにした。一晩このままにしておけば接着剤が乾く。

今朝は雨模様だったので散歩には出ず、朝から作業続行。接着できた木材に木ネジをびしびしと入れていく。ネジの位置は等間隔になるようにメジャーで測って印を付け、そこに電動ドライバーで打ち込んでいく。いつもは面倒くさいから適当に事を進めて失敗する自分だけど、珍しく今回はかなりきっちりとやっている。自分だってやればできるのさ。電動ドライバーのおかげで最初のネジは楽々と打ち込めた。

ネジ回しも手でやっていたらしんどかったけど、この家に引っ越してきてしばらくはカーテンレールを付けるなど色々と作業が必要で、手でネジを締めるのがかなり大変だったから電動工具を買っていた。これもカインズでたしか3000円ぐらいで買えて、大した出費ではなかった。やっぱりDIYに電動ドライバーは必須だな。1列、また1列とテンポ良く作業が進む。

2つの棚に合計48本の木ネジを打ち込み、1時間足らずで作業は終了。もうほぼ完成である。できた棚を立ててみる。

格好いいじゃないか……。やっぱり本物の木目はいいなあ。重たいレコードを収納するから、かなりしっかり目のものを作ったつもりだけど、念のため真ん中の棚板は下からL字金具で補強することにしている。昨日からかがんだ姿勢で作業することが続いてちょっと背中が痛くなってきたけど、もう少しだけ頑張ろう。

小さなネジの方が電動ドライバーで入れるのは難しく、斜めに入ったネジも多かったけど、目立たない場所だからいいや。素人DIYだから、多少のデコボコは「味」で済ませられるのである。仕上げにニスや油を塗ったりも今回はしない。経年で手垢やレコードジャケットの色が付いたとしても、それも「味」である。

というわけで、とうとうできてしまった。チャーリーも大喜びしてくれている。自分も嬉しい。床に並べたレコードをどかして、できたばかりの棚をオーディオとCD棚の間にはめ込んだら、ちゃんと測っただけあってジャストで収まった。設計図通り、ほぼ完璧ではないか。

そして、レコードを棚の中へ。従来と同じく、左側にロック、右側にジャズとクラシックのレコードを並べた。シングル盤は棚の上にとりあえず積み重ねて置いた。何となく本棚も兼ねている。

左上段中央側がビートルズ棚

めでたく上下2段の棚になったおかげで、まだまだレコードを増やせる余裕ができた。それでも、わりとすぐに埋まってしまいそうな気がしないでもない。そうなったら、上にもう一段の棚を継ぎ足すことも考えている。

満足感に浸りながらレイ・チャールズのレコードをかけた。この眺め、何だかちょっとおしゃれですらないか?自分でイチから作ったから何割増しかで良く見えているのか?野菜も自分で作ったものは美味しいし、棚も自作すれば格好良く見える。木の香りも素敵だし、今どき1万円ちょっとでこんなしっかりした棚は手に入らないだろうし、サイズはオーダーメイドだからぴったりだし、いいことずくめである。心なしか棚の上に置いたスピーカーの音まで良くなった気がする。箱鳴り?

スピーカーはBOSEのクラシックな定番101MM

2024年の3月にこの家に引っ越してきて、今月で2周年である。越してきた当時、アナログプレイヤーは前年の水害で壊れたので持っておらず、とりあえずレコードだけを並べたという状況だった。レコードが見えるだけでも、自分の世界が戻ってきた気持ちになったものだった。

2年経って、ようやくちゃんとしたレコード棚にレコードがしまわれた。ここまで来るのに2年とは、ずいぶんと時間がかかったものだ。普通ならオーディオの棚ぐらい入居前から用意しておくのだろう。しかし棚を自作しようなんて気が起きるぐらいだから、自分もかなり元気になったなと思う。これからもゆっくりとやろう、急ぐ旅でもなし。

一昔前ならDIYといえば「男のロマン」的な認識だったと思うけど、去年の秋に出張先でDIYの良さを自分に力説してくれた方は、女性だった。工具を駆使するような感じにはあまり見えない華奢な人だったけど、木材のカットをお店に任せて、ドライバーも電動を使えばそんなに力は要らないのである。その人のおかげで趣味が一つ増えそうで、有り難い。今度はまた狭いスペースにぴったり入るサイズで収納の棚を作ろうと考えている。

いいなと思ったら応援しよう!