百姓という生き方|2026/1/23
読んでくれて、ありがとうございます。
土地を巡る旅も、日常の中の小さな発見も、僕にとっては同じ「旅」です。
その途中で出会った風景、人、気づきを、そのままの熱量で残しています。
【アナウンス📣】
🎙 hitokoto Radio 最新回配信中
Ep.80「シェフ × 考古学者 × アーティスト」
木曽谷の宿に集まった異色の3人。
専門領域が「交差」するレジデンス初日、
一体どんな化学反応が起きたのか?
まだ誰も知らない物語の始まりです。
🍽 2月〜3月のイベント情報
・2/12〜15 表参道「チーズ博」出店
・2/14 東京「羊をまるごと食べる会」
👉 残席:27席
▼ 東京予約フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSclphaFlUwBAN5JbkxdNL7Qq1mRS8y5j15Osseb7QXFsdA6PA/viewform
・3/7〜8 鶴居村「羊まるごと食べ尽くす会」
👉 3/7(金)昼:残席35名
👉 3/7(金)夜:残席17名
👉 3/8(土)夜:残席20名
▼ 鶴居村予約フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdS39paSlmv9ta1kwt2Ra-zdzcNQc60fiZxW_dnzdio9yxAiA/viewform
※時間・内容の詳細は記事末尾にて
#これは完全に宣伝
画面越しに聞こえた言葉
今日、オンラインミーティングがあった。
スマートテロワールについての振り返りと、これからの話し合い。画面には、美しい村連合の仲間たち、庄内スマートテロワールの関係者、そして全国各地から集まった顔が並んでいる。
その中で、ある言葉が出た。
「百姓が減っている。」
南木曽の農家さんが話していた。標津町の漁師さんも同じことを語っていた。
「農業サラリーマンが増えて、百姓が減っている。
本来、日本には百姓が必要なんだ。」
百姓とは何か
百姓。
この言葉を聞いて、どんなイメージを持つだろうか。
田んぼで米を作る人?
農民?
ちょっと古めかしい響き?
でも、本来の意味は全く違う。
百姓とは、「百の姓」つまり「いろいろな仕事をする人」のことだ。
古代中国では、さまざまな姓を持つ人々、つまり一般庶民全体を指す言葉だった。それが日本に伝わり、当初は「天下万民」を指していた。
やがて中世以降、この言葉は農業だけでなく、商業、手工業、漁業、林業など、多様な生業に従事する人々を指すようになった。
田畑を耕すだけじゃない。
山に入って木を切り、炭を焼く。
川で魚を獲り、保存食を作る。
道具が壊れたら自分で直し、家が傷んだら自分で補修する。
織物を織り、味噌を仕込み、薬草を育てる。
季節に応じて、必要に応じて、できることを全部やる。
それが百姓だった。
なぜ百姓が減ったのか
明治以降、「百姓」は次第に「農民」だけを指す言葉として固定されていった。
そして現代、農業が「単一作物の生産」に特化し、効率化が進んだ。それ自体は悪いことじゃない。大規模化、機械化、専門化。それによって生産性は上がり、安定供給が可能になった。
でも、その過程で失われたものがある。
土地に根ざした多様なスキル。
季節の変化に応じた柔軟な働き方。
自然を読み、自分の手で暮らしを作る力。
「農業サラリーマン」という言葉の背景には、こうした変化がある。
決められた作物を、決められた方法で、決められた時期に作る。それ以外のことは、専門家に任せる。道具が壊れたら業者を呼ぶ。加工は工場に任せる。販売は流通に任せる。
分業が進み、効率は上がったけれど、「自分で何でもできる」という力が失われていった。
土地柄と百姓
これは土地柄もあると思う。
平地で大規模にできる農業と、山間部で小さく多様にやる農業は、そもそも成り立ちが違う。
山間部では、いろいろなことができないと、まず成り立たない。
傾斜地で水が限られている。作れる作物の種類も限られる。一つの作物だけに頼ることはできない。だから、田畑だけじゃなく、山の恵みも、川の恵みも、全部使う。
冬は雪に閉ざされる。その間、何もしないわけにはいかない。だから藁細工をし、炭を焼き、保存食を作る。
多様なスキルを持つことが、生き延びるための必須条件だった。
そして、そういう暮らしの中で、自然を守る知恵が生まれた。
スマートテロワールと百姓
庄内スマートテロワールを訪れてから、3ヶ月が経った。
あそこで学んだのは、地域を「面」で捉えるという考え方だった。
行政の境界線ではなく、水系、気候、土壌、発酵文化といった自然環境と文化圏で地域を捉え直す。
そして、生産者だけ、料理人だけ、企業だけで頑張るのではなく、みんなで手を組んで、地域という「食の文化圏」を守り、発展させる。
この考え方と、百姓の生き方は、実はすごく近い。
百姓は、一つのことだけに特化しない。農業も、林業も、手工業も、すべてを自分の中に持っている。
スマートテロワールも、農業だけ、料理だけ、観光だけではなく、それら全体を一つの文化圏として捉える。
多様性を持つことが、強さになる。
■ 3ヶ月で変わったこと
あの視察から帰ってきて、僕の行動は確実に変わっている。
3月の羊イベント「美しい村 to Table」。白糠町の羊飼い・酒井さんの羊を、鶴居村で丸ごと味わう2日間。これは、テリトーリオの考え方を実践する試みだ。
鶴居村の中学生たちと、地域の思い出ご飯を作るプロジェクト。ゴールは給食になること。土地の記憶を、次の世代につなぐ。
鶴居村だけで勝負するのではなく、近隣地域との連携で地域の価値を再認識する取り組み。自然環境や文化圏で地域を捉え直す。
そして、今日のミーティングの中で出た松尾雅彦さんの話。
「ビジネスのイノベーションには3つの柱がある。マインド、プロセス、プロダクト。意識から変えようとしても、なかなか変わらない。でも、プロセスを変えると、プロダクトが変わり、それがマインドを変えていく。」
僕は無意識に、その順番で進めていた。
人も物語を語る時間
その後、hitokoto Radioのミーティングがあった。
今年開催されるポッドキャストweekendへの出店内容について。
僕らのコンセプトは、「人も物語を語る時間」だ。
たくさんの人に会ってきた。たくさんの土地を訪れてきた。たくさんの物語を聞いてきた。これが僕らの一番のコンテンツだ。
だから、まずはとことんお客様(リスナーたち)と話そうと思った。
さらに、美しい村連合の新聞を持って行って、僕らが住んでいる地域や訪れたことのある地域、出会った人の話をする。
その一環で、パーソナリティーのうっちーさんが企画した内容がある。彼が住んでいる原村の特産品、セロリを使った「まるでアップルパイ(セロリパイ)」を僕が考案した。セロリの写真は、同じくパーソナリティーの詠ちゃんが担当した。
これは、パーソナリティー3人が共同で作った作品だ。
料理人だけど、企画もする。写真も撮る。デザインも考える。物販もする。ポッドキャストもやる。
一つの専門だけに特化するのではなく、必要なことは全部やる。
それって、百姓の生き方に近いんじゃないか。
百姓という生き方を、現代に
百姓が減っている。
それは、単に「いろいろな仕事をする人」が減っているという話じゃない。
自分の手で、自分の暮らしを作る力を持った人が減っている、ということだ。
専門性は大事だ。効率化も大事だ。でも、それだけじゃ足りない。
土地を読む力。
季節を感じる力。
自然と対話する力。
壊れたものを直す力。
足りないものを自分で作る力。
そういう力を持った人が、地域を守る。
庄内スマートテロワールで学んだこと。
百姓という生き方から学んだこと。
hitokoto Radioで実践していること。
全部が、つながっている。
では、また。
🍽 2月〜3月のイベント詳細
🧀 チーズ博 in 表参道
日程|2月12日(水)〜15日(土)
場所|東京・表参道
白かびチーズ、
ショコラミルクキャラメルシュトーレンなどを販売予定。
素材の背景ごと、持っていきます。
🐑 羊をまるごと食べる会|東京
日程|2月14日(金)
場所|東京(調整中)
定員|30名👉 残席:27席
部位ごと、調理ごとに味わいながら、
羊という素材を一晩かけて理解する会です。
▼ 東京予約フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSclphaFlUwBAN5JbkxdNL7Qq1mRS8y5j15Osseb7QXFsdA6PA/viewform
🐏 羊まるごと食べ尽くす会 in 鶴居村
日程|3月7日(金)・8日(土)
場所|北海道・鶴居村 丘の上のオーベルジュ ハートンツリー
👉 3/7(金)昼:残席35名
👉 3/7(金)夜:残席17名
👉 3/8(土)夜:残席20名
※7、8日のディナーの内容は同じです。
※3/8(土)昼は、予約不要でふらっと立ち寄れる羊ランチもやってます。
▼ 鶴居村予約フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdS39paSlmv9ta1kwt2Ra-zdzcNQc60fiZxW_dnzdio9yxAiA/viewform
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今日も読んでいただき、ありがとうございます。
また、お会いしましょう。
感想や質問があれば、コメントお待ちしております。
#気軽にどうぞ
丘の上のオーベルジュ ハートンツリー
ノマドシェフ 服部大地
Instagram: @hattori.daichi
ノマドシェフとは
世界中をフィールドとして、
食材や生産者に向き合い、
インスピレーションのままに料理する料理人。
TRANSROOTS(トランスルーツ)
土地の記憶(Roots)を掘り起こし、
異なる文脈を交差(Trans)させ、
未来につなぐ。
料理と言葉で、文化を再構成していく思想。
〒085-1200 北海道阿寒郡鶴居村字雪裡496-4
電話:0154-64-2542
営業時間:
ランチ 11:00〜14:00(ラストオーダー)
ディナー 17:00〜(要予約)
木曜定休
HP:https://heartntree.jimdoweb.com/
