心に響く罪と赦しの物語_教誨/柚月裕子
今回は「心に響く罪と赦しの物語」の紹介です。
本作は読み進めていくうちに読者の心境が変わっていく不思議なミステリーだと思います。
これから本を読む方も既に読んだ方も記事を読んでいただけると幸いです。以下、「作者」「概要」「物語のあらすじ」「感想」が続き、ネタバレはありません。
『教誨/柚月裕子』
作者
柚月 裕子さん
生年月日:1968年5月12日
出生地:岩手県
主な受賞歴:
2008年 第7回『このミステリーがすごい!』大賞『臨床真理』
2013年 第15回大藪春彦賞『検事の本懐』
2016年 第69回日本推理作家協会賞(長編・連作短編集部門)『孤狼の血』
概要
単行本発売日:2022年11月
文庫本発売日:2025年2月6日
出版社:小学館
物語のあらすじ
女性死刑囚の心に裡に迫る長編犯罪小説!
どうすれば、事件は防げたのか。すべての者の鎮魂を願う。
――柚月裕子
吉沢香純と母の静江は、遠縁の死刑囚三原響子から身柄引受人に指名され、刑の執行後に東京拘置所で遺骨と遺品を受け取った。
響子は十年前、我が子も含む女児二人を殺めたとされた。
事件当時、「毒親」「ネグレクト」と散々に報じられた響子と、香純の記憶する響子は、重なり合わない。
香純は、響子の教誨師だった下間将人住職の力添えを受け、遺骨を三原家の墓におさめてもらうために、菩提寺がある青森県相野町を単身訪れる。
香純は、響子が最期に遺した「約束は守ったよ、褒めて」という言葉の意味が気になっていた――。
感想
人間が抱える罪と償いの重さを静かに、しかし深く問いかけるミステリーです。
死刑という極限の状況で交わされた言葉を手がかりに、主人公が事件の真実と向き合っていく過程は、読み進めるほどに心へじんわりと響きます。
登場人物たちの背景や感情が丁寧に描かれているため、表面的なミステリーとしてだけでなく、人間ドラマとしても強い余韻が残ります。
残虐な事件の犯人と登場人物が語る優しい人物とがどうしても一致せず、読む手が止まらなくなる事間違いないでしょう。
テーマ自体は重いのですが、物語を通して「赦し」や「理解」といった普遍的な問いを感じられる作品だと感じました。
作品を読み終わった後に再度、本の表紙を見てください。
「ハッ」とさせられると思います。
まだ読んでいない方に是非とも読んでほしい作品です。
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