極上のミステリー小説_慈雨/柚月裕子
今回は「極上のミステリー小説」の紹介です。
引退した警察官が耳にした直近で発生した少女誘拐事件が、16年前に自らが捜査にあたった事件に酷似している事に気付いた事から物語が始まります。
こんな面白い導線はないでしょう!!
これから本を読む方も既に読んだ方も記事を読んでいただけると幸いです。
以下、「作者」「概要」「物語のあらすじ」「感想」が続き、ネタバレはありません。
『慈雨/柚月裕子』
作者
柚月 裕子さん
生年月日:1968年5月12日(昭和43年)生まれ
出生地:岩手県釜石市出身
主な受賞歴:
『このミステリーがすごい!』大賞:『臨床真理』(第7回・2008年)
大藪春彦賞:『検事の本懐』(第15回・2013年)
日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門):『孤狼の血』(第69回・2016年)
概要
単行本発売日:2016年10月26日
文庫本発売日:2019年4月19日
出版社:集英社(単行本)、集英社文庫(文庫版)
物語のあらすじ
極上のミステリーにして慟哭の人間ドラマ!!
引退し、お遍路を旅する元警官が少女誘拐事件の発生を知る。
難航する捜査、渦巻く悔恨と葛藤。
時間と空間を超えたドラマは、驚きと感動の結末へ──!
待望の文庫化
警察官を定年退職し、妻と共に四国遍路の旅に出た神場。
旅先で知った少女誘拐事件は、16年前に自らが捜査にあたった事件に酷似していた。
手掛かりのない捜査状況に悩む後輩に協力しながら、神場の胸には過去の事件への悔恨があった。
場所を隔て、時を経て、世代をまたぎ、織り成される物語。
事件の真相、そして明らかになる事実とは。
安易なジャンル分けを許さない、芳醇たる味わいのミステリー。
感想
設定がとても興味を惹かれる作品。
とても静かな物語なのに、読んでいる間ずっと胸が揺さぶられます。
警察の組織の暗い部分を描いている描写もあります。
ですが「それでも人はまっすぐに生きられる」と感じさせてくれる力があります。
特に、登場人物たちの誠実さが心に響きます。
組織は腐っていても、個々の人間はこんなにも真っ直ぐで志を持っているのだと思うと、なんだか救われる気持ちになります。
読んでいる間じゅう、胸に染み入る言葉が途切れず続いていて、気がつけばずっと感動モードですね。
文章もとても映像的で、情景が鮮明に浮かびます。
雨の匂いや、重たい空気まで感じ取れるような臨場感がありました。
読み終わったあと、じんわりと涙があふれてきて、心に静かに雨が降り続くような余韻が残ります。
またミステリーとしても秀逸な作品です。
まだ読んでいない方は是非とも手に取って欲しい作品です。
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