読めば読むほど嫌な予感がする。最後に待っていた衝撃_ワルツを踊ろう/中山七里
今回は「読めば読むほど嫌な予感がする。最後に待っていた衝撃」の一冊を紹介します。
タイトルの爽やかさに合わないおどろおどろしい作品ですので、その点をご注意ください。
これから本を読む方も既に読んだ方も記事を読んでいただけると幸いです。
以下、「作者」「概要」「物語のあらすじ」「感想」の順に紹介します。
ネタバレはありません。
『ワルツを踊ろう/中山七里』
作者
中山 七里さん
生年月日:1961年12月16日
出生地:岐阜県
最終学歴:花園大学文学部国文学科卒業
主な受賞歴:
2009年、第8回このミステリーがすごい!大賞 『さよならドビュッシー』
概要
単行本発売日:2017年9月7日
文庫本発売日:2019年10月7日
出版社:幻冬舎
物語のあらすじ
金も仕事も住処も失った元エリート、溝端了衛は20年ぶりに故郷に帰る。
だがそこは、携 帯の電波は圏外、住民は曲者ぞろいの限界集落。
地域に溶け込む為、了衛は手を尽くす が、村八分にされ、さらには愛犬が不審死する。
追い詰められ考えた乾坤一擲の策は予想外の結末をもたらし――。
降り注ぐのは恩寵か厄災か。
著者史上最狂ミステリ。
感想
田舎に出戻った青年の物語です。
最初は、故郷に戻ってきた主人公が、過疎化した集落を立て直していくような話なのかなと思いながら読み始めました。
ところが、読み進めていくと、どんどん雰囲気が変わっていきます。
特に印象に残ったのが、田舎特有の「嫌な側面」です。
以前、『ハヤブサ消防団』を読んだときにも感じたのですが、田舎には都会とは違った人間関係の濃さや、外から来た人を受け入れにくい閉鎖的な部分があります。
もちろん、すべての田舎がそうだという話ではありません。
ただ、本作ではそうした「その土地ならではの人間関係の息苦しさ」がかなり強く描かれていて、読んでいて心苦しくなる場面もあります。
「自然豊かだし、田舎っていいよね」と単純に言えない、そんな現実的な部分が描かれているように感じます。
本作は「イヤミス」と呼んでもいい作品なのかなと思いました。
読んでいてスッキリするというより、嫌な感情をじわじわ積み重ねられていくような感覚があります。
主人公や村人たちの言動を見ながら、「この物語の末路はいかに?」と不安を感じながら読み進めることになるのは間違いないです。
個人的に一番面白かったのは、そこからの展開です。
「そういう方向に進むのか」と思わせる展開から、さらに予想していなかった方向へ。
そして、最後に待っている衝撃的な結末。
このあたりは、やはり中山七里さんらしい「読者を驚かせる力」を感じました。
タイトルの『ワルツを踊ろう』という言葉も、読み終えたあとに改めて考えさせられるタイトルだと気付きます。
田舎の閉鎖性や人間関係の嫌な部分が描かれているため、読んでいて気持ちが重くなるところもあります。
それでも、「この先どうなるの?」という興味でページをめくる手が止まらなくなる作品でした。
イヤミスが好きな方や、後半に大きく展開が動くミステリーが好きな方には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
ここまで記事を読んでいただきありがとうございました!!
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