ペット住宅で、巾木が見どころになる理由
野島建設はペット共棲住宅と銘打った、犬も猫も一緒に歩いて見学できる全国的に珍しいモデルハウスがあります。
そこをご案内していると、かなり意外な場所でお客様に毎回喜んでいただけています。
それは散歩帰りにお湯が出る足洗い場があるとか、散歩に行きやすくするための動線とかではありません。
当然考えられた動線なので、使いやすい間取りですが今回はその話ではありません。
ちなみに散歩への準備動線に関しては、こちらをご覧ください。
それではネタばらしになりますが、毎回驚かれる場所は巾木(はばき)です。
巾木?何それ?
壁と床の境目にある素材、それが巾木です。
InstagramやYouTubeなど、お客様が様々な情報を手に入れられる現在ですが、未だに巾木は注目される存在ではありません。
巾木には失礼ですが、それくらい地味でだれも見向きもしてくれません。
しかしペット共棲住宅の巾木について説明すると、お客様から「そんなところまで考えてくれているんですか!」と言っていただけることがあります。
日本全国で3000棟あると言われている展示場の中で、巾木について説明する展示場はかなり希少だと思います。
この巾木は特別な形をしたとか、特別な素材を使っているわけではありません。
ほんの少し、施工方法を変えているだけです。
しかしその少しの工夫から「犬と暮らすことを、細かなところまで考えている」と感じていただけるようです。

ペット対応住宅って例えばどんな家?
犬と暮らす家というと、滑りにくい床や足洗い場、ペットドアなどを思い浮かべる人が多いと思います。
もちろんそのような設備も大切ですし、ペット共棲住宅でも採用をしています。
ただ実際に犬と暮らしていると、楽しい時間ばかりではありません。
もっと日常的で細かな困りごとも起こります。
例えば室内で粗相をしてしまうとか、コードをかじってしまうとか。
毎日の暮らしではこのような小さなことが、掃除のしやすさや安全性、においの残り方に関係してきます。
そのため犬と暮らす住宅を考えるときには、床材や間取りだけではなく、巾木やコンセントのような目立たない部分までしっかり考え込んで整える必要があると自分は思っています。

粗相をすると拭けない巾木の裏
新たに犬を迎える場合や、老犬になった場合など、室内犬だと粗相は切っても切り離せません。
しかし犬が部屋の中央で粗相をした場合は、結構気づきやすいはずですし比較的簡単に拭き取ることができます。
しかし、これが壁際で粗相をした場合は話が変わります。
尿が壁をつたい巾木の裏に入り込む。
床と床のわずかな隙間から巾木の下に入り込む。
このような事例は、決して珍しいことではありません。
そしてここからが重要なのですが、表面は拭き取れても、巾木の裏までは掃除できません。
見た目にはきれいになっていても、拭き取れない場所に尿が残り、においの原因になる可能性があります。
そして巾木の素材も問題です。
巾木はMDFと呼ばれる木材を圧縮した素地に、シートを巻いたものが一般的です。
表面はシートだから問題がないのですが、裏に回ってしまうと素地が粗相を吸ってしまうと、ずっとそこにとどまってしまいます。
では巾木を壁から外して掃除をすればいい。と考えるかもしれませんが、一般的に巾木は外せない施工になっています。
言い換えるなら、壊すつもりでないと外せません。
そしてこのことを教えていただいたのが、今回ペット共棲住宅で相談をした獣医師でもあります増田宏司先生です。
自分は犬猫が苦手なので、そのような事実を知ってかなり勉強になりましたし、ちょっとした工夫で解決できるとも思いました。

巾木を埋め込み、外せる素材を採用
先ほど巾木回りで粗相があったときの問題点を書きましたが、解決策は明確です。
・粗相が巾木の裏に回り込まなければ良い
・万が一の時は外して掃除ができる
自分が工夫したのは、たったその2点です。
粗相が巾木の裏に回り込まなければ良い
一般的に巾木は、壁にくっつけて施工をします。
何もしなければ、巾木は壁よりも飛び出します。
この状況で壁に粗相が付くと、重力で下がってきて巾木の上や裏に入り込む可能性が出てきます。
そこで自分は、巾木を壁の中に埋め込む。という対策で解決をしました。
壁よりも巾木が奥になると、壁に粗相が付いたとしても巾木の裏に回り込むことは簡単にできません。
たったこれだけのことなのですが、このひと手間がペット共棲住宅だと思っています。

万が一の時は外して掃除ができる
しかし埋め込んだとしても、床からつたってくる粗相は拭ききれない可能性があります。
そこでペット共棲住宅では、外せる巾木を採用しました。
よく病院などで見るソフト巾木という、樹脂でできた巾木を使っています。
これにより、万が一の時は外して掃除をし、また元に戻す。
このようなことを可能な施工をしました。

そして上記の2点の特徴は、ほとんど費用が増えない点も特徴です。
どこにでもある、ちょっとした施工の工夫で実現した事も地味に重要だと思っています。
犬とモデルハウスへ行ったら、細部まで見てほしい
ペット共棲住宅というと、ひっかきに強い壁紙や、ペットドアなどの建材を採用しただけが多いようです。
もちろんそれらは大切ですし、自分も採用しています。
しかし巾木の裏に粗相が回り込む。
それを想定をして準備しておく。
このようなことは、しっぽのついた家族を自宅に迎える配慮として、自分は必要だと思います。
そしてそのような配慮に、追加費用をなるべくかけない。
これも重要だと思っています。
今回の巾木の説明は、ホームページの見どころの一つになるような内容ではないかもしれません。
それでも小さな工夫が積み重なることで、犬と人の暮らしやすさは変わっていきます。
そしてお客様から「そこまで考えているんですか」と言っていただけるのは、設備の豪華さではなく、犬との暮らしを想像した気配りが伝わったからだと思っています。
解説動画
今回の内容に関して、動画でも解説をしています。
実際にどのように施工をしているのか、生成AIに書かせた画像では伝えきれなかった部分を、現物を見ながら解説をしていますので、そちらももぜひご覧になってください。
